絶対能力の違いで逃げ切り連覇
重賞最多勝記録を41年ぶり更新
昨年は道営記念まで重賞5連勝、今年も4連勝で道営記念を迎えたベルピット。今季は初戦の特別戦こそ霧が原因で2着に敗れたものの、その後は7馬身、8馬身、大差、7馬身と圧倒的な強さで絶対王者の座を示し続けてきた。
王者が君臨するとはいえ、道営記念はホッカイドウ競馬関係者の夢。今年の三冠馬ソルジャーフィルド、今春ベルピットに唯一土を付け、調子を上げているパッションクライ、ベルピットが勝った三冠レースで全て2着だったニシケンボブ、道営記念2年連続2着のアナザートゥルースなどライバルがそろい、12頭立てで行われた。
逃げ馬不在の中、スタート後はベルピットとアナザートゥルースが先頭を窺う。前半600メートルを過ぎてベルピットが先頭に立った。桑村真明騎手は「気持ち良く流していった」というがラップはほぼ12秒台で縦長の展開。3コーナー手前から後続が仕掛けるが、桑村騎手は持ったままで先頭をゆずらない。
パッションクライ、ソルジャーフィルド、アナザートゥルースの2番手集団、その後ろにいたニシケンボブが食らいつきにいくが差は縮まらず、2着に3馬身差を付けてベルピットが連覇を達成した。勝ちタイムは2分6秒4(稍重)。2着はパッションクライ、1馬身差で3着はニシケンボブ。2番人気だったソルジャーフィルドは8着に終わった。
絶対能力の違いを見せての勝利。白い湯気をオーラのようにまといながら検量室前に戻ってきたベルピットを、ファンは拍手で出迎えた。表彰式では、プロレスラーの内藤哲也選手がプレゼンターを務め記念撮影をして盛り上がった。
この勝利でベルピットは『カウントアップチャレンジ』のカウントアップM(ミドル・マイル)を2年連続5戦完全制覇。また、重賞は通算15勝となり、角川秀樹調教師が騎手時代に主戦だったシバフイルドーで達成したホッカイドウ競馬の重賞最多勝記録(1973年以降)を41年ぶりに塗り替えた。前日に通算2000勝(中央含む)を達成した角川調教師は、思い入れのある名牝の記録が破られることを残念がりつつ「うちの厩舎、騎手で勝って言うことない」と笑顔を見せた。「いつから道営記念を意識していましたか」と尋ねると、少し考え「春から」。関係者にとって特別なレースを最高の形で締めくくった。
今後は状態を見ながら、名古屋大賞典JpnIIIを予定。遠征には不安があるが昨年のリベンジを狙う。
2002年から道営記念は開催最終日に行われていたが、今年は翌週も3日間開催が行われる。「無事に」との祈りをこめ、春から始まった北のサラブレッドたちへの喝采の日々は大一番を終え、いよいよ終盤を迎える。
取材・文小久保友香
写真浅野一行(いちかんぽ)
Comment

角川秀樹調教師
いつも言うように、ほっ、としています。この道営記念というのは特別なレース。他とはちょっと違います。状態はベストで、向正面の走りを見て、かわされないんじゃないかと思いました。大一番が終わりましたが、まだ3日間あるので馬の姿を見に来てください。







桑村真明騎手
結果を出せてほっとしました。いつもより手応えは良くなかったですが心臓の強さと豊富なスタミナがこの馬の良さ。角川先生の記録を先生の管理馬で達成できたことを誇りに思いますし、さらに記録を伸ばしていける馬だと思います。