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第46回浦和記念JpnII

小回り浦和でも末脚爆発
  重賞連勝でGIを視野に

12月上旬のチャンピオンズカップGI(中京)に一線級が向かう関係で、JRA勢が手薄となりがちなこのレース。小回りのコース形態もあって地方勢の好走例もあるのだが、終わってみればJRAから出走した4頭が上位を占め、地方勢としては厳しい現実を突きつけられる結果となった。

レース前のパワーバランスは極端ではなかった。重賞でも常に馬券に絡んできたロードクロンヌが単勝1.8倍の1番人気に推され、ホウオウルーレット、クラウンプライドとJRA勢が上位人気に推されたが、以下はスレイマンが7.9倍の4番人気、東京記念で完勝劇を演じたマルカンラニ、羽田盃JpnI・2着のナイトオブファイアと大井勢が続いた。展開ひとつでどの馬にもチャンスがあるような混戦ムードだったのだが……。

枠入りが進むなか、スレイマンがゲートに突進して飛び出すアクシデント。この馬が改めて4番枠に収まったのちにスタートが切られた。他馬の出方をうかがいつつ先手を奪ったのはクラウンプライドで、2番手にロードクロンヌ。兵庫のヘラルドバローズが続き、スレイマン、ナイトオブファイア、JRAのデルマソトガケなどが先行集団を形成。普段は後方待機策をとるホウオウルーレットも、この直後につけた。

淡々とした流れでレースは進んだが、2周目の3コーナー手前で一気にペースアップ。このギアチェンジに対応できたのはJRA勢で、4コーナーを4頭が一団となって回る。そこから抜け出したのがホウオウルーレット。内ラチ沿いを鋭く伸びて先頭に立つと、追いすがるロードクロンヌを振り切り、1馬身半差をつけてゴールを駆け抜けた。

前走のシリウスステークスGIIIで重賞初制覇を飾ってここに臨んだホウオウルーレットだが、追い込み脚質だけに最大の懸念材料は小回りへの対応だった。しかし、そこは岩田康誠騎手の手綱。終始中団の外を追走していたが、勝負どころで内に進路を取ると、直線で持ち味を爆発させた。ジョッキーは「いつもは後ろから行くんですけど、地方の小回り馬場なので1頭でも前に行けるように頑張って、それに馬が応えてくれました」。ここを勝って地方重賞110勝、小回りを知り尽くす兵庫育ちのベテランが完璧なエスコートを見せた。今後は選定状況を見ながら東京大賞典GIを目指すとのこと。直線の長い大井コースなら、より競馬はしやすいはずで、出走できればさらなる相手強化でも好勝負になる。

ロードクロンヌはここでも2着だったが、今回ばかりは勝ち馬にうまく乗られた形。横山和生騎手も「相手がうまく抜けてきましたね。馬自身は初物尽くしでしたけど、しっかり力を出し切ってくれました」と話した。レース内容に非の打ちどころはなく、立ち回りのうまさは地方の馬場に合っている。今後も中距離路線の中心的存在として、各地で活躍できそうだ。

一方、地方勢ではナイトオブファイアの5着が最上位。中団のインで脚をためていたが、ペースアップの際に反応が少し遅れた。「もう一段のパワーアップが欲しいかな。でも、よく食らいついてくれたし、左回りでも乗りやすかったですね」と吉原寛人騎手。後半3ハロンは36秒9で勝ち馬に次ぐ2位タイと内容自体は悪くなく、もともと学習能力も高い馬。今後は古馬のペースにも対応できるはずだ。

マルカンラニは内にササり通しで10着。左回りこそ大井1650メートルで経験していたが、初コース、初の輸送競馬などが響いた形だ。また、スレイマンはスタートでのアクシデントもあって12着。ともに力を出し切れておらず、この一戦だけで評価は落とすのは早計だろう。今後の巻き返しに期待したい。

取材・文大貫師男

写真宮原政典(いちかんぽ)

Comment

岩田康誠騎手

久しぶりに浦和で乗せてもらい、勝たせてもらって感謝しています。終始リズム良く走れましたし、具合も良かったので馬も動いてくれました。コーナーリングがどうかなと思っていたのですが、対応できたのは良かったですね。自分と相性のいい馬ですし、次も好走してくれると思います。

栗田徹調教師

賞金が微妙で、このレースも直前で使えることが分かったような状態だったので、勝てて嬉しいです。小回りへの対応が鍵だと思っていたのですが、ジョッキーがうまく誘導してくれました。直線で内に進路を取ったのも好判断だったと思います。これからさらに力をつけてくれると思います。