後半勝負の作戦が見事的中
ダート2戦目で重賞初制覇
兵庫ジュニアグランプリJpnIIは2歳戦ながら近年地方馬の苦戦が続き、2017年以降、中央勢が8連勝中。3年前には北海道所属馬が2、3着に入ったが、その後は中央勢が3着まで独占している。今回も中央5頭のうち地方からの移籍馬を除く4頭が単勝一桁台の人気となった。とはいえ中央で2勝を挙げているのはローズカリスのみ。地方馬では、園田で重賞2連勝中のエイシンイワハシル、北海道から遠征のゴッドバロック、スペシャルチャンスにも重賞勝ちがあり、この3頭が単勝10倍台。中央勢が人気上位でも混戦に思えた。そしてその有力馬の中には逃げ先行で結果を残してきた馬が多く、ペースと展開がレースのカギを握ることとなった。
スタートを決めたエコロレーヴがハナに立つと、外からローズカリス、スペシャルチャンスが競りかけての先行争い。1~2コーナーから早くも隊列が縦長となり、前半3ハロンは36秒を切るようなハイペース。
後方の3、4番手を追走した2頭、北海道のゴッドバロック、中央のトウカイマシェリが向正面から徐々に位置取りを上げ、4コーナー手前で行き脚が鈍ったエコロレーヴをそれぞれ内と外からとらえると、直線は2頭の追い比べ。トウカイマシェリが3/4馬身差でゴッドバロックを競り落としての勝利となった。
3、4着にも中団追走から直線で脚を使ったラッキーキッドが1馬身3/4差、クビ差で地元のエイシンイワハシルと入線。先行争いの2番手を追走した1番人気ローズカリスは、さらに5馬身も離れての5着。
上位4着まで中団よりうしろから追走した馬たちでの決着。レースの上りが41秒3と、前半より後半が5秒以上もかかる前掛かりの流れがもたらした結果だった。
勝ったトウカイマシェリは、ダート初挑戦だったエーデルワイス賞JpnIII・2着からの転戦。そのエーデルワイス賞JpnIIIでは、早め2番手から直線追い比べとなった地元のリュウノフライトに1馬身半差で屈していたが、今回は前述のとおり後方からの追走。「ジョッキーと相談して、行く馬がいるからそれを見ながら流れを抑えつつ最後に脚を使おうという作戦だったので、ほんとにうまく乗ってくれました」(高柳大輔調教師)という作戦が見事に決まった会心の勝利。ただ、「距離は1400がギリギリ」(鮫島克駿騎手)ということで、「中央ではダートのレースがほとんどないので、しっかり休ませて次に向かいたいと思います」(高柳調教師)とのこと。
一方のゴッドバロックは、門別の1200メートル戦でも直線で末脚を生かして結果を残してきただけに、その持ち味を存分に生かすことができた。しかし「4コーナー手前で外から2頭来ていて、あそこで外に出せていれば……」(阿部龍騎手)と、悔しい2着。このあとは来シーズンに備えて休養となるようだ。
取材・文斎藤修
写真早川範雄(いちかんぽ)
Comment

高柳大輔調教師
距離延長とか、ツーターンも初めてだし、(門別からの)疲れがないのかとか、いろいろ心配事はあったんですけど、全部吹き飛ばしてくれるレースでした。距離はギリギリかなという感じがありますので、これからの成長次第と思っています。芝も走ると思うので、その可能性もあります。









鮫島克駿騎手
ペースが流れると思っていたので、前半リラックスさせて、終いの競馬に徹しようと思っていました。向正面に入ったときに前がだいぶ離れていましたが、徐々にギア入って馬が競馬を理解してくれているような感じでした。重い芝でも走れますし、ダートも走れるので選択肢は多いと思います。