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第26回チャンピオンズカップGI

直線で先頭に立ちハナ差競り勝つ
  ウィルソンテソーロは3年連続2着

2週前に発表された今年のチャンピオンズカップGIの登録馬は24頭。そのなかには岩手のヘリオス、大井のサントノーレ、愛知のメルトの名前があった。とくに注目を集めたのはサントノーレ。JBCクラシックJpnIで3着に粘り、そして今回は中央通算3000勝が近づいている横山典弘騎手とのコンビを予定していると報道されたことも期待感につながった。

ただ、サントノーレの出走馬決定順は19番目。出走するには上位から3頭の回避馬が出ることが必要だったが、どの陣営からもそういった気配は一向に伝わってこなかった。その結果、サントノーレは1週間を経過したあたりで目標を翌年の根岸ステークスGIII、そしてフェブラリーステークスGIに切り替えることとなった。

結局、出走馬決定順で16番目までだった馬が1頭も欠けることなく出走。そのなかで3歳馬のナルカミが単勝2.2倍と圧倒的な支持を受けた。

このレースが中京競馬場で実施されるようになった2014年以降、3歳で勝ったのは18年ルヴァンスレーヴと19年クリソベリル。両馬とも、7月に行われていたジャパンダートダービーJpnIを勝ち、ルヴァンスレーヴはマイルチャンピオンシップ南部杯JpnI、クリソベリルは日本テレビ盃JpnIIも制していた。

ナルカミは今回が初めての古馬重賞。その心配はあったが、2人曳きのパドックではリップチェーンを装着しながらも、ゆったりと落ち着いた歩きを見せていた。しかし戸崎圭太騎手が騎乗して、パドックを囲んだファンが動き始めて騒がしくなると、テンションが一気に上昇。歩様は高脚ぎみに変わり、頭の位置も上がったままの状態で地下馬道に入っていった。

その精神状態で実力を発揮するのは難しかったのだろう。ナルカミは1コーナーで、先行した3頭から少し離れた4番手を取ったが、最後の直線では見せ場を作れず13着だった。

ナルカミの前でレースを進めたのは、内枠を味方にしたウィリアムバローズとダブルハートボンドに、これまでは好位差しで結果を残してきたシックスペンス。前半600メートルの通過タイムは35秒8と、レモンポップが逃げた昨年の36秒0、一昨年の36秒4よりも速くなった。それに対応して、ダブルハートボンドの坂井瑠星騎手が3番手に下げたのは、正解といえる判断だった。

とはいえ、今年はなるべく前に行きたいと思われる馬が多数。まして、差しや追い込みが届きにくいと言われる中京ダート1800メートル。4コーナーでは10頭ほどが勝負圏内に入ってくる激しい流れになったが、大半はそこまでが精一杯。

最後の直線に入るとダブルハートボンドが前の2頭を交わして先頭に立ち、残り200メートルあたりで2番手に1馬身ほどの差をつけて押し切り濃厚というように見えた。しかし今年も一気の末脚で迫ったのがウィルソンテソーロ。インコースを狙った川田将雅騎手のアクションはスタンドにも伝わってくるほど鬼気迫るもので、ゴール地点では完全に馬体が並ぶ僅差の勝負。その瞬間は、JRAの発表で『約9センチ』だけ、ダブルハートボンドが前にいた。

これで坂井騎手はチャンピオンズカップGIを3連覇。「勝ったかどうか分からなくて、向正面で係のかたに『優勢ですよ』と言われた」ことで芝コースを戻ってきたが、そのときはまだ写真判定中。スタンドの前まで来たところで着順掲示板のいちばん上に“2”が灯ると、ダブルハートボンドが外ラチから内ラチにまで横歩きで退避してしまうほどの大歓声が沸き起こった。

逆にウィルソンテソーロは3年連続の2着。そしてハナ差は2年連続となった。その結果に高木登調教師は「返し馬の雰囲気は明らかに前回(JBCクラシック)とは違っていましたね。また2着というのは、うーん」と苦笑い(過去の2着は小手川準厩舎所属)。このあとは2年連続2着の東京大賞典GIには向かわず、サウジカップG1またはフェブラリーステークスGIを選択肢に入れていくとのことだ。

2馬身半差の3着に入ったのは、道中では中団の後ろにいたラムジェット。佐々木晶三調教師は「王道の競馬をしましたね(笑)。あの脚を(定年で)僕の最後のGIになるフェブラリーステークスで使いますよ」と意欲を見せた。ただ、ラムジェットは昨年の東京ダービーJpnIを勝ち、東京大賞典GIで3着。レース間隔は短いが、年末の大一番にエントリーする可能性は十分にある。

もう1頭、見せ場を作ったのは3着からアタマ差の4着だったメイショウハリオ。岡田稲男調教師は「いちばんいい脚を使ったんじゃないか(実際に最後の600メートルのタイムはレース最速)。惜しかったし、悔しいね。これでラストという話でしたが、ジョッキー(武豊騎手)は東京大賞典に行ってほしいと言っていましたし、これからオーナーと相談します」と電話を始めた。

ただ1頭の地方所属馬として戦ったヘリオスは14着。今年のフェブラリーステークスGIに続いて手綱を取った原優介騎手は「スタートでつまずいたのがもったいなかったですね。最後は走るのをやめる感じもあったので、そこは今後の課題になると思います」とコメント。今後はJRAに再転入して、10歳のシーズンを迎える予定だそうだ。

取材・文浅野靖典

写真岡田友貴、桂伸也(いちかんぽ)