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ヤングジョッキーズシリーズFR 園田

横山騎手が4・1着で暫定1位
  川崎・佐野騎手が3位につける

昨年に引き続きヤングジョッキーズシリーズ(YJS)ファイナルラウンド(FR)は園田競馬場とJRA中京競馬場での開催。園田はフルゲート12頭のため、ファイナル出場16名は3レース実施のうち2鞍ずつ騎乗する。

今年は初めて地方・JRAとも東日本・西日本から1名ずつ、計4名の女性騎手がFR進出を果たした。そのうちのひとり神尾香澄騎手は、同じく川崎所属の佐野遥久騎手とともに前日は地元ナイター開催の最終レースまで騎乗しての参戦。2人とも翌日も川崎ナイターで騎乗したのち、日付が変わる頃に中京競馬場へ到着するというハードスケジュールだ。トップジョッキー並みの移動で、これも一つの経験となるだろう。

地の利があるのは地元・兵庫の騎手。塩津璃菜騎手は「今週は逃げたら勝ちの馬場」と前残りを意識し、「第1戦は逃げます!」と宣言した。その塩津騎手を含め外枠に逃げ・先行したい馬が3頭集まっていた。

その第1戦で好スタートを決めたのは西塚洸二騎手(JRA)。しかし、外の各馬が行く気を見せるとスッと控え、入れ替わるように佐藤翔馬騎手(JRA)が先手を取った。その外に塩津騎手がつけ、さらに松本一心騎手(笠松)も「出遅れた……」と外から巻き返すように先行集団に加わった。

そうなると、ペースは自ずと流れ、逃げ馬から2~3馬身後ろのインという絶好位で運んだ西塚騎手が勝利。騎乗したクラウンオーシャンはムチを入れると尻尾を上げて嫌がる素振りを見せる中、直線はムチに頼らず全身を使ってしっかりと追っての勝利だった。

2着は逃げ粘った佐藤騎手、3着は松本騎手。4着には前残り馬場の中、後方2番手から「進んでいかず追いっぱなしでした」と横山琉人騎手(JRA)が押し上げ、5着に谷原柚希騎手(JRA)だった。

なお、高杉吏麒騎手(JRA)は発走前に馬体検査の結果、競走除外となり、規定により6ポイントが与えられた。

第2戦はエナフクキタルが単勝1.2倍と断然人気を集めた。今夏にC1クラスを勝ち、休養を経てC2クラスに降級2戦目となれば当然の1番人気で、佐野騎手も緊張していた。それでもレースでは冷静な騎乗で、抜群の好スタートを決めるとスピードの違いを生かして逃げた。そこに3コーナー過ぎで一気に並びかけてきたのは山本大翔騎手(船橋)。そのまま交わすかというほどの勢いだったが、直線でエナフクキタルと佐野騎手がもうひと伸びを見せて勝利。2着山本騎手は「手応え抜群で4コーナーを迎えました。だけど、僕の技量不足もあってか意外と伸びなくて。テンに折り合いを欠いた分かもしれません」と、悔しそうに話した。

3着に中団から脚を伸ばした谷原騎手、4着は佐藤騎手、5着に神尾騎手だった。

第3戦も逃げ切りで、最内枠を引いた横山騎手が勝利。向正面半ばでは外から土方颯太騎手(兵庫)に早めに並びかけられる場面もあったが、粘り通した。勝ち馬テンクウワールドを管理するのは騎手時代に1135勝を挙げた尾林幸二調教師。「スタートのいい馬。最内枠を生かした理想的なレースでした」と褒めた。

2着土方騎手は「この馬で2着に粘れたのはよかった。20ポイントは大きいです」と喜びつつも次第に悔しさが膨らみ、「向正面で手応えがあったので、もっとマクってもよかったかも」と反省した。昨年はFR園田で1勝を挙げて希望を持って中京に臨んだが総合6位。今年は対照的に徐々に着順を上げながら24ポイントの暫定7位で残り2戦へ挑む。

3着は高杉騎手。4着に当地デビューののち佐賀に移籍した青海大樹騎手で、直線1頭離れた大外から飛んできた。「最後方からか……と思いましたが、すごくいい脚で伸びてくれました」と爪痕を残した。5着は昨年に続きファイナル出場の谷内貫太騎手(大井)だった。

FR1日目を終えて暫定1位は4着・1着で42ポイントの横山騎手。一昨年のYJS王者で、JRA通算107勝を挙げており今回がラストYJS。1着・6着で38ポイントの暫定2位西塚騎手も今年、紫苑ステークスGIIをケリフレッドアスクで勝ち重賞初制覇を果たしており、実績の抜けた2人がポイント上位につけた。地方最上位は1着・8着の34ポイントで佐野騎手が暫定3位。こちらも激戦区・南関東でデビュー2年目にして地方通算89勝を挙げる猛者だ。

一方、暫定12位古川奈穂騎手(JRA)までが首位から30ポイント差で、下位の騎手にもチャンスは残されている。総合優勝が決まる中京ラウンドは1日置いて12月20日に行われる。


取材・文大恵陽子

写真いちかんぽ(桂伸也、早川範雄)

Comment

第1戦1着 西塚洸二騎手(JRA)

地元関係者に前残り馬場と教えていただき、なるべく前のポジションがほしいなと思っていました。ペースが流れて、展開が向きました。馬も最後まで踏ん張ってくれて、強い内容でした。頑張るのは馬なので、馬に感謝を伝えながら、目標のYJS総合優勝を達成できるよう頑張ります。

第2戦1着 佐野遥久騎手(川崎)

なるべく後続を引きつけて逃げたいと考えていました。4コーナーでは2着馬の手応えが良く感じましたが、追い出して伸びてくれたので勝てると思いました。秋に金沢シンデレラカップで騎乗して、右回りで内を空けるコースを経験したことが今日にも生きたと思います。優勝に近づいたので頑張ります。

第3戦1着 横山琉人騎手(JRA)

スタートが速く、逃げました。早めに後続に来られる展開になりましたが、なるべく馬のリズムを崩さないよう、焦らないよう乗りました。4コーナーで後ろを離しているようだったので、これならと思いました。1つ勝てて、よかったです。今年が最後のYJS。中京でも頑張って、いい結果を残したいです。