末脚切れて人気に応える
地元のかしわ記念目指す
浦和競馬場の1400メートルを舞台にしたゴールドカップ。2021年から南関東グレードS1に格上げされ、南関東短距離路線を締めくくる位置づけともなっている。今年は浦和重賞初となるフルゲート13頭立ての戦い。
同舞台のさきたま杯JpnI(2着)とテレ玉杯オーバルスプリントJpnIII(3着)で好走したムエックスが2.7倍の1番人気。スパーキングレディーカップJpnIIIでVを飾り、今回と同じ浦和1400メートルの牝馬重賞・しらさぎ賞も勝利しているフェブランシェが2.9倍の2番人気。この2頭が人気を分け合う形になった。結果は1番人気に応えたムエックスが3つ目のタイトルを獲得。
激しい先行争いから2コーナーを過ぎたところで隊列が決まり、ハナに立ったのはポリゴンウェイヴで、差がなくフェブランシェ。ムエックスは外め7番手あたりを追走した。
前2頭が後続を引き離し、馬群は非常に縦長になった。3コーナー過ぎで先頭に立ったフェブランシェがそのまま押し切るかと思われたが、直線を向いたところで3番手に押し上げていたムエックスが、メンバー最速の上がり3ハロン37秒2の脚を繰り出し、一瞬のうちに抜き去った。
1馬身半差の2着がフェブランシェ。さらに1馬身半差の3着にもポリゴンウェイヴが粘り込んだ。
ムエックスの張田昂騎手は「スタートはいつも安定しているので、今日も上手に決めてくれました。ペースも流れていたので追い出しはちょっと渋かったですが、それでも仕上がりの良さと能力を引き出せて、馬もしまいまで根性を出して、しっかり気持ちで走り切れたと思います。賢くて操縦性のいい馬です」とパートナーをたたえていた。
JRAで2勝クラスを勝ち上がり、23年12月に船橋へ移籍。4戦目から7連勝で挑んだ昨年のマイルグランプリは重賞初挑戦の身で同厩舎の大将格だったスマイルウィに1馬身1/4差の2着に好走すると、2カ月半の休養を挟んだ今年初戦の川崎マイラーズで重賞初制覇を飾った。年内の9戦は全て重賞に出走。1400から1800メートルで3勝、2着4回、3着1回というすばらしい成績を残している。「強い相手とやってきた成果がここにつながったと思います」と胸をなで下ろしていた張田京調教師。
今後の具体的な予定は未定ということだが、来年上半期の最大目標は地元のかしわ記念JpnIに置きたいという。もうすぐ8歳になるが、まだ一戦ごとに成長しているかのような力強いパフォーマンスが続く。さらなる大きな勲章を目指してほしい。
一方、1995年のマキバサイレント以来となる牝馬Vが期待されたフェブランシェは惜しい結果に。ブリーダーズカップ・フィリー&メアスプリントG1を出走取消明けの一戦だったが「男馬相手でもよく2番手に行ってくれました。折り合いの難しい馬で、なんとかギリ我慢をしてくれていましたが、最後もちょっと物見をしながらという感じでした。乗り難しさのある馬で、そういう癖を出しながらでしたが、負けて強しの2着なのでさすがです」と吉原寛人騎手。アメリカでも一緒に過ごした思い入れのある愛馬の頑張りを労っていた。
取材・文高橋華代子
写真宮原政典(いちかんぽ)
Comment

張田京調教師
前回のマイルグランプリで人気を裏切る形(1番人気・2着)になったので、今日は快勝してくれて馬に感謝しています。結果を出してくれてホッとしました。作戦は特になくて、ゲートを出てから騎手が決めてくれと伝えていました。この馬の良さは従順で扱いやすく、素直なところです。





張田昂騎手
僕の技術不足で不甲斐ない競馬をしたこともありますが、それでも勝ち負けしてくれる馬です。この馬自身、今年最初の川崎マイラーズを勝って、締めもしっかり勝ってくれて、いい一年になったんじゃないかなと思います。もっといい成績を残せたと思いますが、ホッとしています。