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第49回桐花賞

3頭接戦から抜け出し重賞連勝
  岩手生え抜きがさらなる高みへ

岩手競馬は2023年度から年明け開催を実施せず。ファン投票・桐花賞が名実ともに1年の総決算レースとなった。特に2025年は年度代表馬争いに直結する可能性が高く、各陣営の意気込みも半端ではなかった。

ファン投票1位はヒロシクン。春のマイル重賞・赤松杯、シアンモア記念を連勝し、青藍賞2連覇を達成。すずらん賞はヘリオスの2着に敗れ、トウケイニセイ記念連覇を狙ったが、走路悪化のため取り止め。これが誤算だったが、馬体重がすずらん賞比マイナス3キロ。陣営は手抜かりなく、きっちり仕上げてきた。

同2位・リケアカプチーノは高知から転入後、ダイヤモンドカップ2着から東北優駿を圧勝。続く一條記念みちのく大賞典ではヒロシクンとの歴史に残るマッチレースからハナ差で快勝。史上初の3歳優勝を果たした。遠征帰りの北上川大賞典は完敗2着だったが、2戦2勝の水沢2000メートルで雪辱に燃えていた。

同4位・サクラトップキッドはマーキュリーカップJpnIII・4着健闘から金沢へ遠征。白山大賞典JpnIII・7着、北國王冠6着だったが、北上川大賞典で鮮やかな逃げ切りを決め、堂々2連覇。稀代のステイヤーぶりを存分に発揮した。

1番人気リケアカプチーノ=2.0倍、2番人気ヒロシクン=2.4倍、3番人気サクラトップキッド=6.5倍。以上3頭が単勝一けた台で支持された。

互角のスタートからヒロシクンが馬なりで先頭。マイペースの逃げに持ち込もうとしたが、2番手外からカナオールウェイズがぴったり追走。徹底マークする戦法を採り、思った以上にペースが速い。離れた3番手にスズカゴウケツがつけ、サクラトップキッドは4番手インをキープ。6番手に昨年の覇者ライアン、1番人気リケアカプチーノは8番手に控えた。

3コーナーまでは隊列がほぼ変わらなかったが、向正面からリケアカプチーノが徐々に進出し、サクラトップキッドも鞍上・高橋悠里騎手のゴーサインに反応。前2頭に迫って直線は4頭の争いに。

残り150メートルでカナオールウェイズが一旦先頭。しかし外からリケアカプチーノ、間を割ってサクラトップキッドが伸びてゴール前は3頭の大接戦。最後はサクラトップキッドがリケアカプチーノにアタマ差で先着し北上川大賞典からの重賞2連勝を飾った。カナオールウェイズはクビ差3着。

会心の勝利を飾り、ウイニングランでスタンド前に戻るとファンが歓声と拍手で祝福。それに応えて高橋騎手はステッキを投げ入れ、再び歓声が上がる。さらにインタビューの第一声で「めちゃくちゃ嬉しいです!」と答えると三たび、大盛り上がり。岩手競馬の2025年はサクラトップキッドが締め括った。

サクラトップキッドの足跡を振り返れば山あり谷ありだった。2歳10月にデビューしてアッサリ2連勝したが、以降は善戦止まり。首を上げてブレーキをかけるような走法で追走に苦しんだが、東北優駿からレインライトを着用すると徐々に解消。今では砂を被っても嫌がらなくなり、馬群にも突っ込めるようになった。

「岩手生え抜きなので、なおさら嬉しいです。典型的なステイヤーですからね。来春はダイオライト記念へ挑戦してみたいと思っています。強いメンバーと戦って成長させるのが自分のポリシー。船橋の白い砂も合っているはずです」。伊藤和忍調教師は、晩成型サクラトップキッドの成長力に感服した。

95年の桐花賞を制したトウケイニセイを管理していた
小西重征調教師の引退式も同日に行われた

取材・文松尾康司

写真佐藤到(いちかんぽ)

Comment

高橋悠里騎手

ヒロシクンの近くでレースを進めたかったので理想的なポジション。ペースも流れていたので展開は向くと思っていました。4コーナーではタイトな位置になったが、こじ開けることができれば絶対伸びると信じて頑張りました。以前に比べて器用になりましたし、砂も克服。この成長が一番大きいと思います。

伊藤和忍調教師

今年は北上川大賞典の2連覇が目標でしたが、桐花賞も優勝できたのが成長だと思います。こじ開けたときはしびれました。この馬には自分もいろいろ勉強させて貰うことが多った。来年もまた遠征を考えていますし、大きいレースを勝って全国のファンにも名前を知ってもらい、応援されたいと思っています。