逃げ馬をマークし競り落とす
調教師も驚く人気薄での勝利
今年のブルーリボンマイルは、9番人気(単勝64.8倍)のエイシンジョルトが2番手追走から押し切り勝ち。3連単は37万1360円となった。
このレースは3年前に創設され、第1回が大井、第2回が兵庫の勝利で、笠松所属馬は過去2年で5着が最高。今年の遠征馬も強力で、浦和と高知と佐賀から各1頭、兵庫から2頭がグランダム・ジャパン古馬春シーズンのポイントを獲得しにきた。なかでも兵庫のスマートアンバーが単勝1.8倍と高い支持を集めた。
続く2番人気は笠松のゼロアワーで3.1倍となったが、笠松初戦の前走がマイナス24キロの馬体重で、今回は11キロ増という点が心配材料といえた。パドックでは2人曳きで力強い歩様だったが、レースでは10頭立ての9番手から後方のまま8着に終わってしまった。
逆に好スタートを切ったのは高知のシンリンゲンカイ。エイシンジョルトが2番手につけて、中央から移籍後2戦連続で逃げ切っていたスマートアンバーは「赤岡さん(シンリンゲンカイ)が速くて行けなかった」(下原理騎手)とのことで、6番手からレースを進めた。それでもスマートアンバーは最後の直線で徐々に追い上げて3着を確保。下原騎手は「ちょっと悔いが残る結果です」と首をひねりながらレースを振り返った。
下原騎手が納得いかぬという表情を続けたのは、前が止まらなかったこともあったようだ。結果は逃げたシンリンゲンカイが2着で、2番手のエイシンジョルトが1着。それを導いたのは、赤岡修次騎手の絶妙なペース配分だったといえるだろう。1周目のホームストレッチでは多くの騎手が手綱を抑える流れを作り、向正面に入るとペースアップ。後方からヴィーリヤなどが先頭を狙って仕掛けてきたが、追い上げた馬のほうが苦しくなってしまった。
その例外となったのが、シンリンゲンカイの直後を進んでいたエイシンジョルト。向正面の中央付近で先頭に立ち、4コーナーで内からシンリンゲンカイが再び並んでくると、塚本征吾騎手のアクションがさらに大きくなった。その叱咤に応えたエイシンジョルトが1馬身差で競り落として勝利。スマートアンバーは3馬身差の3着だった。
レース後、エイシンジョルトの笹野博司調教師は「最近の成績ではファンも狙いにくいですよね。僕もびっくりです」と、望外の勝利に地に足がつかないといった様子。「前走のあと少し間隔を取って、今回の追い切りは動きが良かったんです」と話す間も、笑みが止まらない状況だった。
そうなると気になるのは次の予定だが、さすがに人気薄での勝利直後だけに「何も考えていなかったです」というのは正直な話だろう。それでも3週間後に名古屋競馬場で行われる若草賞土古記念は選択肢に入るはずだ。
3着のスマートアンバー、4着のヴィーリヤも若草賞土古記念に参戦する予定とのこと。また、5着に入った佐賀のソイジャガーは、馬主の山下良子さんが「ポイントも取れましたね」と、今後のグランダム・ジャパンの対象レースへの参戦につながる言葉を残していた。
取材・文浅野靖典
写真岡田友貴(いちかんぽ)
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笹野博司調教師
相手は強いし、人気はまったく見ていなかったのですが、ブービー人気だったと聞いてびっくりしました。赤岡さんが先手を取って、その後ろに付けられたことがよかったのでしょうが、道中はいつバテるかと思いながら見ていました。笠松では初めての1600メートルでしたが、それが良かったのかもしれません。






塚本征吾騎手
マイペースで行けましたし、最後まで手ごたえがよかったです。先生に前のほうに付けてほしいと言われていたので、それを意識してレースを進めました。結果的に、前が有利なペースになっていたのが良かったと思います。それでも最後は必死で追いました。笠松の馬で勝てたこともうれしいです。