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第43回フェブラリーステークスGI

人気3頭の接戦を制す
  1年ぶりの勝利で連覇

2026年国内最初のGIとなったフェブラリーステークス。この日は4月並みの暖かさに恵まれ、まさに競馬日和。東京競馬場の入場者数は5万8224人(前年比115%)と場内は大盛況だった。

近年はこの時期に中東遠征に挑戦する実力馬が多く、1週間前のサウジカップG1ではフォーエバーヤングが連覇の偉業を達成したばかりだ。その盛り上がりに続けとダート界の精鋭16頭が顔を揃えた。なお、昨年まで6年連続で出走した地方所属馬の参戦はなかった。

1番人気は、昨年のチャンピオンズカップGIを制した紅一点のダブルハートボンドで3.0倍。2番人気は昨年の覇者コスタノヴァで3.4倍。3番人気はチャンピオンズカップGIで3年連続2着のウィルソンテソーロで5.4倍。ラムジェットが7.8倍と続いた。

ゲートが開くとラムジェットが大きく出遅れて後方からとなった。逃げ馬不在といわれたメンバー構成の中、先行したのはシックスペンスとロードクロンヌで、8枠15番からぺプチドナイルが並びかけた。好位6番手にダブルハートボンドがつけ、その後ろの列にウィルソンテソーロ。課題のスタートを五分に出たコスタノヴァは中団後ろの外目にポジションを取った。

3~4コーナーに入っても前の並びは大きく変わらず直線勝負へ。先行した3頭が粘るところに残り200メートルあたりで外から伸びてきたのがダブルハートボンドとウィルソンテソーロ。そして、さらに外からコスタノヴァも猛追してきた。

人気馬3頭の追い比べに場内は大歓声。激戦を制したのは上り最速の末脚を繰り出したコスタノヴァだった。半馬身差の2着がウィルソンテソーロ、さらに半馬身差の3着にダブルハートボンドという結果となった。

史上3頭目の連覇(GIとなった1997年以降)を飾ったコスタノヴァ。勝因はやはりスタートを決めたことだろう。前走の武蔵野ステークスGIIIでは万事休すといえるほどの大きな出遅れだった。それでも59キロを背負いながら2着に追い込んできたレースぶりからも復調気配は示していた。

クリストフ・ルメール騎手は「スタートがどうなるか分からないのでレースプランは考えず、臨機応変に対応しようと思っていました」と語り、「前走の後、次は馬具を使おうと決めて、今回初めてブリンカーをつけました。ゲート再審査の所作から特にゲート練習はしませんでしたが、当然不安はありました」と木村哲也調教師。その陣営の想いが通じたのか、今回はゲートをしっかり出てくれたコスタノヴァ。ルメール騎手は「良かった!これで好きなポジションが取れる」と安心したそうだ。

東京コースは8戦7勝、2着1回とほぼパーフェクトな成績。この適性に関してルメール騎手は「東京は向正面も直線も長いので自分のリズムが取りやすく最後に伸びることができます。小さい競馬場だとすぐにコーナーがあったりしてベストパフォーマンスができにくいですね」と分析した。

得意の舞台で1年ぶりの勝利を手にし、木村調教師は終始安堵した様子だった。「この1年、期待を裏切り続けて本当に申し訳なかったです。それでも応援していただき、返し馬の時も多くの拍手や言葉をいただいて自分を奮い立たせてもらいました」。気になる今後については「去年は使い倒してしまったので、今年は元気な時に良い条件で使いたいと思っています」(木村調教師)とのことだ。6歳になった今ピークを迎えているというコスタノヴァ。今年のダート界を牽引する1頭として注目を浴びていくことだろう。

ウィルソンテソーロはこれで7度目のGI/JpnI・2着。悲願のJRA・GI勝利に惜しくも届かなかったが、安定したハイレベルな走りには本当に頭が下がる。川田将雅騎手は「素晴らしい状態で競馬場に連れてきてもらいました。いつも通り素晴らしい走りをしてくれましたが、どうしても勝つことができません」とコメントした。

史上初の牝馬による優勝に期待のかかったダブルハートボンドも敗れはしたが力は示した。「いつも通りの良い状態でした。初めての芝スタートで上手く進んでいかずモタモタしていましたね。勝負所でも少しペースに戸惑っていました。それでも強い勝ち馬にくらいついていたので、改めて力があることを感じました」と坂井瑠星騎手は振り返った。

取材・文秋田奈津子

写真いちかんぽ(早川範雄、岡田友貴)、NAR