厳しい展開でも逃げ切る
牝馬三冠へ好発進決める
東京2歳優駿牝馬でJpnIIIウイナーのリュウノフライトを3着に下し、前走のユングフラウ賞で斤量差をはねのけて勝ったアンジュルナ(浦和)が、南関東牝馬三冠の初戦をどう勝つか。野畑凌騎手が「総合的に優れていますし、不安はないです」と話せば、小久保智調教師も「次に向けて、いい勝ち方を」と、さらなる未来を見据える。他陣営からも諦めムードがにじみ出ており、まれにみる一強状態でスタートを迎えた。
ただ一つ、不安要素を挙げるとすればスタートだったが、それすらもあざ笑うかのように絶好のスタートを決めたアンジュルナ。あっさりと先手を奪い、このまま楽々とビクトリーロードを突き進むかに見えた。
しかし、外からトリップス(北海道)が競りかけてきたことで、1コーナーまで息の入らない形。その決着がついた2コーナー過ぎに、今度はブレイズエッジ(船橋)が外から並びかけてきた。前半3ハロンの推定タイムは36秒6で、その後のラップも12秒台。展開的にも終始ブレイズエッジがプレッシャーをかけてくる厳しい状況だった。
3コーナー過ぎではマッチレースの様相。手応えの面ではブレイズエッジのほうがよく見えたものの、アンジュルナも先頭を譲らない。その後も叩き合いが続いたが、アンジュルナが気力を振り絞り、残り100メートルで突き放しにかかる。ブレイズエッジは最後に力尽き、アンジュルナが2馬身差で勝利。
勝負どころではブレイズエッジに交わされそうな手応えで、一見すると単勝1.1倍のオッズに見合わない走りに見える。野畑騎手も「向正面でもなかなか息が入りづらいところへ、ブレイズエッジが競りかけてきて厳しかったです。そう簡単には勝たせてくれないなと思いましたね」と安堵と疲れが入り混じった表情だった。しかし、他馬にかわるがわる競りかけられながら、最後に突き放したあたりは女王の貫録。見た目以上の強さで三冠初戦、そしてグランダム・ジャパン3歳シーズンの初戦を制した。
今後は東京プリンセス賞から関東オークスJpnIIを目指すローテーション。小久保調教師も「今回は馬自身がすごくよく頑張ってくれたので、今度はさらに成長を見せられるのではないかなと思います」と、三冠制覇への期待を口にした。
門別のブロッサムカップで2着のブレイズエッジも、転入2戦目で存在感を示した。「いけるかなと思ったけど、最後はタレてしまいましたね」と御神本訓史騎手は話したが、真っ向勝負であと一歩と思わせた内容は悪くなく、今後への期待が膨らむ走り。右回り、距離延長にも不安はなく、東京プリンセス賞でも好勝負が可能だ。
ブレイズエッジから4馬身差の3着にはグッドディーズ(船橋)が入った。本田正重騎手が「浦和向きではないですね。大井1800メートルのほうが合うと思います」と話したように、パワフルな末脚は大井の外回りコース向き。二冠目ではさらなるパフォーマンスを披露するに違いない。
取材・文大貫師男
写真宮原政典(いちかんぽ)
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小久保智調教師
あとからあとからつつかれるような展開で、厳しいなと思っていましたが、よく頑張ってくれました。一戦一戦、違う面を出してくれているので、どこまで強くなってくれるのかなという楽しみがあります。今後は東京プリンセス賞と関東オークスの2つを獲りにいきたいと思っています。








野畑凌騎手
スタートはすごく良くてハナに行けたのですが、少し競られてしまってペースが上がりましたね。厳しい展開になりましたけど、しっかり力を出し切ってくれました。浦和だとペースも速くなってしまうので、もう少し広いコースで、ゆったり走らせてあげた方が力を発揮できるのかなと思いました。