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第49回京浜盃JpnII

ドバイから目標切り替え完勝
  ダート連勝で三冠へ名乗り

3歳ダート三冠に繋がる重要な一戦、京浜盃JpnIIが冷たい雨の降る大井競馬場で行われた。地方馬は上位2頭、中央馬は3着以内の上位2頭に羽田盃JpnIの優先出走権が与えられる。

今年は7頭立ての少頭数。地方馬は他地区からの参戦はなく南関東勢3頭。JRAからは4頭が出走した。人気はJRA勢が中心で、1番人気はブルーバードカップJpnIIIの優勝馬フィンガーで単勝2.4倍。2番人気は前走ポインセチアステークスを勝ちダート2戦目となるロックターミガンで2.7倍。3番人気は全日本2歳優駿JpnI・2着で紅一点のタマモフリージアで4.6倍。4番人気はブルーバードカップJpnIII・2着馬のカタリテで5.2倍と上位拮抗。ハイセイコー記念の勝ち馬ゼーロス(大井)が19.4倍と続いた。

ゲートが開くと果敢に先手を取ったのはアイリーズ(浦和)。2番手にロックターミガンがつけ、外目3番手にカタリテ、その内をフィンガーが追走。直後でタマモフリージアが前をマークしていた。1コーナーで外へ膨らんでしまったゼーロスは単独の6番手、最後方に地元のサイカンサンユウが続いた。

向正面で大きな動きはなく勝負所へ。3~4コーナーで各騎手が追い出し始める中、1頭抜群の手応えだったのがロックターミガンだ。直線入口で早くも先頭に立つとそのまま後続を突き放し、西村淳也騎手はちらっと後ろを確認。ゴール前も余裕の走りで3馬身差の完勝だった。2着はフィンガーで、4馬身差の3着にカタリテが入った。

当初はUAEダービーG2に出走予定だったが中東情勢の影響により断念し、このレースに矛先を転じたロックターミガン。「調整過程に関しては問題なくスムーズにできました。ドバイ遠征を辞退した以上、ここは人気に関係なく負けられないレースだと思っていました」という石坂公一調教師の言葉通り勝利を収め、一躍ダート三冠に名乗りを上げた。

元々は、新馬戦を芝で勝利しクラシックも視野に入れていたほどの好素材。「血統的にはダート馬の印象だったのですが、脚の繋ぎのクッションが柔らかい馬だったので芝に挑戦しました。京都2歳ステークスで敗れたのできっぱりとダートに切り替えました」(石坂調教師)という陣営の判断も見事に功を奏した。

馬の強みについて石坂調教師は「メンタルの強さです」と即答。ドバイ遠征に向けた輸出検疫を経験し、もともと逞しかった精神面がさらに鍛えられ、今回の初コース、初ナイターにも全く動じなかったそうだ。この後の大舞台でもその気持ちの強さや安定感が活かされることだろう。次走は羽田盃JpnIを予定し、ダート三冠に挑戦する意向だ。

2着フィンガーの戸崎圭太騎手は「前走よりも馬の状態は良いと感じました。イメージ通りの競馬でしたが勝った馬が強かったですね。距離はあったほうがいいタイプなので巻き返したいです」と次に向けて前向きな表情だった。

地方馬最先着は4着のゼーロス。「やはり今日も1コーナーで外にいってしまって、またか……と。その分で着順を下げてしまいましたね。素晴らしい馬になるポテンシャルは持っているので、次走の選択も含めてみんなで話しあって良い馬にしていきたいです」と笹川翼騎手は振り返った。羽田盃JpnI出走となればさらに距離の課題も出てくるが、能力の高さは常に評価されている馬だけに、この後の成長に期待したい。

取材・文秋田奈津子

写真早川範雄(いちかんぽ)

Comment

西村淳也騎手

パドックが初コンタクトでしたが返し馬も良いフットワークで、普通に走れれば勝ち負けだなと思っていました。難しい日程の中で関係者の方々がすごく良い状態に持ってきてくれました。終始手応えも良く強い内容でしたね。次のジーワンも非常に楽しみです。

石坂公一調教師

前走が初ダートでしたがセンスの良さを見せてくれたのでレースは西村騎手にお任せでした。ほぼ想定通りの競馬ができましたね。レース前もしっかり競馬をするぞというメンタルでいてくれたので安心していました。距離の幅は広いと思うし、先行力も持続力もあるので今日のような競馬が理想ですね。