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第71回羽田盃JpnI

3頭の競り合いから突き放す
  二冠へ向け期待高まる勝利

3年目を迎えた3歳ダート三冠。一冠目の羽田盃JpnIには精鋭13頭が顔を揃えた(JRAのトリグラフヒルは疾病のため出走取消)。JRAからは3頭。雲取賞JpnIIIの勝ち馬リアライズグリントに、京浜盃JpnIIの勝ち馬ロックターミガン、2着のフィンガーと優先出走権を獲得した馬たちが駒を進めてきた。

地方からはトライアルのスターバーストカップを快勝したサンラザールや、ニューイヤーカップを制したモコパンチ、ホッカイドウ競馬から南関東に移籍した実績馬エンドレスソロウ、アヤサンジョウタロなどが参戦した。

1番人気はロックターミガンで単勝1.6倍、2番人気はリアライズグリントで3.6倍、3番人気はフィンガーで4.2倍とJRA勢に人気が集中。4番人気のサンラザールが11.0倍でそのほかは大きく離れており、JRA3頭の3連複は2.2倍を示していた。

上位人気4頭はいずれも先行タイプのため最初のポジション取りが注目を集めた。先手を主張したのはフィンガーで、8枠13番からロックターミガンも押して2番手を確保。スタートで出遅れたリアライズグリントは上手く外に出すと、2コーナーで上がっていき向正面では人気3頭が横並びに。サンラザールは単独4番手を追走していた。

3~4コーナーに入っても3頭の併走が続き直線へ。どの馬も一歩も引かない熾烈な競り合いに場内からは大歓声が沸き起こった。そしてその争いに決着がついたのは残り200メートルを過ぎたあたり。最内のフィンガーが2頭との差を広げ最後は3馬身突き放して一冠目を手にした。懸命に粘ったロックターミガンが2着。クビ差の3着には4コーナー8番手から鋭い脚で伸びたロウリュが入った。ゴール前苦しくなったリアライズグリントは4着で、サンラザールは5着。6着エンドレスソロウまでが東京ダービーJpnIの優先出走権を獲得した。

京浜盃JpnIIではロックターミガンに3馬身離されていたが、大一番で見事な逆転劇を見せたフィンガー。今回、逃げという陣営の作戦がぴたりとはまったようだ。「戸崎騎手とは枠順が出てから入念に作戦を立てました。これまで逃げなくても勝ってはいましたが、スローペースにはまることが一番嫌でしたから。この馬のタフさが生きる流れになるように騎手とは話していて、苦しい展開にはなりましたが力を存分に発揮できたレースになりました」と田中博康調教師は語った。

田中厩舎といえば、レモンポップ、ミッキーファイト、ナルカミなどダートの活躍馬を多く出している。フィンガーついては「正直、まだまだ心身ともに未熟です。それでもこういうパフォーマンスを出せて3歳でジーワンを獲れたのはこの馬の能力の高さです。まだまだ今後に向けて成長が見込めると思います」とポテンシャルを評価した。東京ダービーJpnIに向けては「距離が延びる2000メートルの方がいい」というだけに、二冠目に大きな期待がかかる。

そして田中調教師の横で喜びを分かちあっていたのが、昨年騎手から調教師に転身した川崎の山崎誠士調教師だ。1月に田中厩舎で研修を積み、フィンガーも近くで見ていたそう。「前走は敗因がはっきりしていましたから、今回それが改善できて馬自身もすごく成長していました。細かい積み重ねが結果に繋がるのだと、とても刺激を受けました」と、感動している様子が印象的だった。

一方、前走とは逆に3馬身離されてしまったロックターミガンの西村淳也騎手は非常に悔しそうで、「厳しいレースでした……」と言葉少なだった。

大健闘だったのがメンバー最速の末脚を繰り出した地元のロウリュ。「2週前の追いきりに乗せてもらい、馬も大分成長していることを実感していました。流れの厳しい中、しっかりと中団で脚を溜められましたし、ダービーの距離の方がいいんじゃないかと期待を感じさせる走りでした」と吉原寛人騎手は次に向けて明るい表情だった。

リアライズグリントはスタートの出遅れが響いてしまった。坂井瑠星騎手は「状態はすごく良かったです。ただゲートの駐立が悪くて、その後の組み立てが難しかったです。能力は負けていないので次で巻き返したいです」と前を向いた。

地方代表として注目されたサンラザールはまだまだ幼さがあるようだ。「前走のように操縦性もあまりよくなくて、前半800メートルはずっと(ハミを)噛んでいました。その分伸びきれなかったけど、その割には最後並ばれてもしぶとく粘っていました。前半の運びが非常に難しいので距離が延びた時にさらにクリアしなければいけない課題が出てきますね」と矢野貴之騎手は振り返った。

取材・文秋田奈津子

写真いちかんぽ(築田純、岡田友貴)

Comment

戸崎圭太騎手

先生ともレース前にプランを立てて前々で競馬をしようと考えていました。ペースを落としすぎた感じがあったので、みんなもポジションが落ち着かなかったのかなと思います。馬のリズムを考えながら乗っていましたが、馬自身すごく良い気分で走っていましたね。前走よりも良くなってきたと感じました。

田中博康調教師

前走よりも落ち着いていたし(体重は)2キロしか減っていませんでしたが健康的にすごく引き締まって見えたので、これはいいなと思いました。戸崎騎手はずっとコンビも組んでいるし大井も知り尽くしているので良いリズムで走ってくれました。厳しい展開に見えたのでゴールした時はとても嬉しかったです。