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第38回かしわ記念JpnI

ゴール前人気馬をねじ伏せる
  ベストのマイル戦で会心の勝利

春のマイル王決定戦、かしわ記念JpnIが好天の船橋競馬場で行われた。4月に船橋競馬パークオフィシャルアンバサダーに就任した船橋市出身の俳優・アーティストの山下智久さんが来場することもあり、開門から大賑わい。1万6千人以上のファンがゴールデンウィークの大一番を楽しんだ。

3月のドバイ遠征を見送ったミッキーファイトとウィルソンテソーロが揃ってこのレースに矛先を変え、JRA勢6頭中、5頭がGI/JpnI馬という超豪華メンバーが集結。1番人気は昨年船橋で開催されたJBCクラシックJpnIの優勝馬ミッキーファイトで単勝1.7倍。2番人気は今年のフェブラリーステークスGIで連覇を達成したコスタノヴァで4.8倍。3番人気はGI/JpnIで2勝、2着7回の実力馬ウィルソンテソーロで5.0倍。2025年の東京ダービーJpnI馬ナチュラルライズが4番人気で6.9倍と続いた。

ゲートが開くとコスタノヴァが大きく出遅れ場内がどよめいた。果敢に先手を取ったのはベアバッキューンで、大外枠からナチュラルライズが押して2番手につけ、その後ろにロードフォンスが続いた。スタートで躓きながらもすぐに巻き返したミッキーファイトが4番手で、2~3馬身離れた5番手にウィルソンテソーロ。その直後にこの日は行き脚がつかなかったシャマルが追走し、さらにコスタノヴァ、ジョージテソーロと縦長の隊列となった。

3~4コーナーに入ると、ミッキーファイトが抜群の手応えで外から上がっていき直線入口で先頭に。昨年のJBCクラシックJpnIの再現かに思えたが、そうはさせじと後ろから追ってきたのがウィルソンテソーロ。最後は2頭の追い比べとなり、その争いをクビ差で制したのはウィルソンテソーロだった。2着のミッキーファイトから2馬身半差の3着には6番人気のロードフォンスが入った。

ゴール後、ウィルソンテソーロはゆっくりとスタンド前に向かい、川田将雅騎手がファンに向けて一礼をすると祝福の大声援が送られた。そして2着続きの鬱憤を晴らす会心の勝利に「久しぶりにこの馬とジーワンを獲ることができてすごく嬉しいです」と川田騎手は微笑んだ。高木登調教師は「最後の直線は力が入りましたね。ゴールまで交わせるか分からなかったので」とホッとした表情だった。

もともとはフェブラリーステークスGIの後、ドバイ遠征の予定だったが中東情勢の影響で回避。このレースに目標を切り替え調整を進めた。「年齢を重ね、仕上げまで少し時間がかかるようになりましたが、ケアをしながら調子を上げていき、いつも通りの仕上がりで臨めました。1600メートルも合っているし、今ならここしかないだろうと出走を決めました」と高木調教師。昨年のマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIを勝利したように、砂の深い地方競馬だと現状では1600メートルがベストとのことだ。次走についてはオーナーと相談するそうだが、舞台適性も含めてローテーションが注目される。

惜しくも2着だったミッキーファイトだが、久々の1600メートル戦でもその実力は示した。クリストフ・ルメール騎手は「スタートで躓いたけどスピードがあるので3、4番手の良いポジションが取れました。4コーナーでは手応えが良くて勝つと思いました。ただ、休み明けで少し馬体に余裕があったので、直線でもう一度伸びきれませんでした。距離は2000メートルまではこなせるけどベストは1600から1800メートルですね」と話し、「ウィルソンテソーロに負けたことは仕方ないですね。強い馬ですから」とライバルを称えた。

2年連続出走のロードフォンスは最後まで踏ん張って3着に残った。「メンタルやコンディションが難しい馬ですが、今日は涼しかったこともあり馬も機嫌が良さそうでした。良い内容だったと思います」と横山和生騎手はコメントした。

地方馬最先着は5着のジョージテソーロ(浦和)。「後ろにはなったが道中はこの馬のリズムでいけて、3コーナーではおっと思った。さすがに直線は相手が強かったが差を詰めているし、南関東同士だったらかなり強いと思います」と落合玄太騎手は振り返った。

なお、今年のかしわ記念JpnIは、同レースおよび船橋競馬の1レース当たりの売得金額のレコードを更新した。

取材・文秋田奈津子

写真いちかんぽ(築田純、岡田友貴)

Comment

川田将雅騎手

いつも素晴らしい状態で競馬場に来てくれますが、今日は疲れもなくフレッシュで具合の素晴らしさを感じる返し馬でした。スムーズにスタートを切って馬とのリズムを意識してあのポジションになりました。直線を向く前に、捕まえてくれると信じながらもう一度待ってしっかりと動かしていきました。

高木登調教師

最近は大井や船橋の砂の深いコースで負けていて、1800、2000メートルだと苦しくなってしまうので、地方の馬場であれば適距離は1600メートルだと思います。JRAの馬場であれば1800メートルまで頑張ってくれるのですが。夏もあまり得意ではないので休養の可能性も含めてオーナーと相談します。