直線独走6馬身差で二冠達成
東京ダービー挑戦も視野に
全国の地方競馬場で行われる3歳馬の頂上決戦“優駿”競走は、5月末から6月に行われるのが相場で、昨年の兵庫優駿は全国で一番遅い6月26日だった。ところが今年は7週前倒し。全国でも最初の5月5日となった。
この変更により勝ち馬が、中央勢も含めた3歳ダート王決定戦である東京ダービーJpnI(6月10日、大井2000メートル)へ中4週で挑める好間隔となった。その反面、3歳牝馬重賞・のじぎく賞が翌週5月14日になり、有力牝馬の参戦が厳しくなった。
出走馬を見ると、牝馬は1勝馬が1頭参戦のみ。例年参戦する有力牝馬は不在だが、菊水賞に続き二冠を狙うゴッドフェンサーを筆頭に、菊水賞2着で西日本クラシックを制したミルトイブニング、菊水賞3着馬リーガルタイムなど、牡馬の上位勢力は順当に駒を進めてきた。
圧倒的人気は2歳王者決定戦の園田ジュニアカップから菊水賞まで重賞3連勝中のゴッドフェンサーだ。パドックでも、2人引きで顎を引きグイグイと周回。集中力あふれる姿は、1頭だけ違うオーラを放っていた。パドック開始時には単勝1.2倍のオッズが本馬場入場時には1.0倍に下がるほどだった(最終的には1.2倍)。これに金沢の吉原寛人騎手が騎乗するミルトイブニング(5.3倍)、小牧太騎手のリーガルタイム(8.4倍)が続いた。
1強に推し上げられたルヴァンスレーヴ産駒は、大外12番枠から好発を決めると、ハナに立ったロングラスティングの2番手を確保。リーガルタイムは外3番手で大本命馬をマーク。ミルトイブニングはその後ろの内4番手で隊列は固まった。
淡々とした流れに、2周目向正面でリーガルタイムが動いた。小牧騎手が「緩い流れのままだと勝たれてしまう。負かしに行くしかなかった」と外から大本命馬に並びかけた。しかし、ゴッドフェンサーは余力十分。ギアを上げると一瞬で先頭へ。リーガルタイムを置き去りにして独走。6馬身差で二冠目のゴールを駆け抜けた。
管理する盛本信春調教師は昨年のオケマルに続く二冠制覇。調教師のこのレース連覇は兵庫ダービー、全日本アラブ優駿も含め調教師として初の快挙。吉村智洋騎手は3年ぶり3度目の勝利だった。
激しい2着争いはゴール前でミルトイブニングがリーガルタイムをハナ差とらえた。吉原騎手は「ペースが落ち着き過ぎた。小牧さんにずっと行きたいところで蓋をされた。やっぱりうまい」と言えば、小牧騎手は「勝ちに行かなかったら2着」と振り返った。
「不利を受けない大外枠もラッキーでしたし、思っていた通りの展開」と吉村騎手は多くの観衆の前で胸を張った。次走は「馬の状態を見てから」と盛本調教師は前置きを付けながらも、今年から好間隔となった東京ダービーJpnIへの挑戦も視野に入れ調整される。また、秋の最大目標となる三冠目の園田オータムトロフィー(園田1700メートル)は10月15日。昨年のオケマルに続く三冠誕生へ注目が集まる。
取材・文松浦渉
写真桂伸也(いちかんぽ)
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盛本信春調教師
2番手は想定通り。(向正面で)突かれても、全く心配なかったし、思い描いた勝ち方だった。一戦ごとに強くなっているし、オケマルに似た安定した走りになってきた。東京ダービーはオーナーと相談して決めたい。夏はゆっくりして、秋の三冠目を目指したい。







吉村智洋騎手
菊水賞と比べて、ハミ受けは良くなっていたが、トモの踏み込みがイマイチだった。東京ダービーの話は、これから暑くなって状態を上げていくのはきついですし、直線も長くなって、中央馬もいるので1段も2段もギアを上げないと甘くないので状態を見てからですね。