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第64回のじぎく賞

小回りコース味方に逃げ切る
  西騎手は園田初参戦で勝利

今年ののじぎく賞は混戦模様だった。人気の中心は南関東からの遠征馬たちで、グランダム・ジャパンの一戦・東海クイーンカップを勝ったティーズセラフ(浦和)が1番人気に推され単勝2.0倍。4.3倍でミスティライズ(川崎)が続き、地元期待の4番人気ゴーゴーツヨシを含む5頭までが単勝10倍以下。特徴的なのはその後で、6番人気は90.9倍と一気にオッズが大きくなり、7番人気以下は100倍超え。上位人気馬での決着が見込まれる一方で、その順序付けに悩むファンが多かったようだ。

好スタートを切ったのはプリンセスデイジー(大井)。前走・東京プリンセス賞では当時重賞4勝を含む6連勝中だったアンジュルナの2番手外にピタリとつけ、直線入口まで粘り込んだ馬だ。そこに同じく好スタートを決めたファーマドール(大井)と永井孝典騎手が「ゲートを出たので2番手が理想」と、大外から馬体を併せてきた。その後ろにミスティライズ、ティーズセラフ、外にウィルラウス(北海道)など上位人気馬が続く。

向正面に入りペースが上がるが、1番人気ティーズセラフの行き脚はやや鈍い。直線に入っても先頭を守るプリンセスデイジーが3馬身半のリードを保って1着でゴール。2着に外から脚を伸ばしたウィルラウス、4コーナー内をロスなく回ったティーズセラフが1馬身半差で3着だった。

引き上げてくるとガッツポーズを見せた西啓太騎手。視線の先には田中正人調教師や馬主関係者がいて、チームで喜びを分かち合った。

「道中はいい意味で遊びながら走っていて、他馬が来る分だけ反応しそうな雰囲気でした」と西騎手。これまでのレースぶりからはいかに粘り込めるかがポイントの馬で、小回りコースも味方につけた。その園田競馬場は西騎手にとっては初騎乗で初勝利。「園田競馬場が大好きです」と笑った。

初コースに対し、プリンセスデイジーにはデビュー前から騎乗し、成長過程を見続けてきた。「最初の頃に比べると、この馬なりに真面目に走るようになってきました。それでもまだ遊びながらで、これからが楽しみです」と期待を寄せる。

2着ウィルラウスはこれまで牝馬重賞では4着止まりだったが、着順を上げた。陣営からの「ひと脚使う」との言葉を信じ、それを活かした下原理騎手は「内めの枠なら一発あったかも」と、7枠10番で内に入れづらかった点を悔やんだ。

3着ティーズセラフの吉原寛人騎手は「二の脚がつかなかった分、ポケットでの競馬になって、動きづらくなりました」と回顧。「2番手なら違う脚が使えたかも」とのことで、スムーズに運べる展開が理想なのかもしれない。

グランダム・ジャパン3歳シーズンは関東オークスJpnIIを残すのみとなり、暫定1位は引き続きティーズセラフで、23ポイント。ここを勝ったプリンセスデイジーが15ポイントで2位に浮上してきた。

取材・文大恵陽子

写真桂伸也(いちかんぽ)

Comment

西啓太騎手

スタート次第で決めようと思っていましたが、逃げることも想定していました。前半は遊びながらの分、手応えがありました。末脚がキレる馬ではないので、早めに動いて後続に脚を使わせながらイメージ通りのレースができました。まだまだ成長すると思うので、楽しみです。

田中正人調教師

前走で仕上がっていましたし、レース後に少し疲れが見られたので、疲れを抜くことに集中しました。牝馬らしからぬ性格で動じないため、輸送も問題ありませんでした。折り合いがつくのがいいところで、長い距離ももつと思います。このあとは状態を見て関東オークスも視野にオーナーと相談します。