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第35回オグリキャップ記念

南関東の実力馬2頭を差し切る
  名古屋生え抜き4歳馬が大仕事

オグリキャップ記念は昨年から1着賞金が地方全国交流としては高額な3000万円。その昨年は船橋のムエックスが、初めてとなるコーナー4つの1400メートルに挑んで勝利を挙げ、続くさきたま杯JpnIでの2着につなげた。

今年は浦和のウィリアムバローズが初めてのマイル未満にチャレンジ。その点は不安でも単勝2.1倍の支持を得てレースを迎えた。

もう1頭、昨年のJBCスプリントJpnIを勝った大井のファーンヒルが実績上位といえる存在。ただしこちらも1400メートルは3歳時の2回だけで、それ以外はすべて1200メートル以下。さらにコーナー4つの競馬は初めてだ。それでも実力で克服できるだろうというのが、3.8倍の2番人気に支持したファンの見立て。しかしながらこの開催の笠松競馬場は、インコースの砂が相当に厚い造り。この日はオグリキャップ記念の前のレースまで逃げ切りがゼロで、最後方から外ラチに近いところを通って差し切るという、普段の笠松競馬ではまず見られないシーンもあった。

となれば、逃げ先行で結果を残してきたファーンヒルにとっては厳しい条件。それでも鞍上の笹川翼騎手は先手を取った。ウィリアムバローズはその左斜め後ろをピッタリとマーク。最初の600メートルの36秒4は昨年の35秒5より遅いが、先述したとおり今年はインコースが深い。

南関東の実力馬2頭は、3コーナー過ぎでは3番手のタガノエスコート(兵庫)に3馬身ほどの差をつけた。その後も2頭が馬体を合わせて先行。しかし最後に差し切ったのは、離れた中団を追走していた愛知のケイズレーヴだった。

ウィリアムバローズは1馬身差の2着とはいえ、最後にファーンヒルを競り落とす完璧なレース運び。管理する繁田健一調教師は「今回は展開負け」と、苦笑いしていた。2着から1馬身半差で3着だったファーンヒルは、笹川騎手が「脚を残しながらなるべく外を通ろうと考えていましたが、すぐ横にウィリアムバローズがいたので楽ではなかったです」と振り返った。

それでも繁田調教師は「この距離に対応できたのは収穫」とコメント。また、ファーンヒルは「金沢のJBCスプリントを目標のひとつに考えていましたが、今回の内容でJRAの馬も加わるとなると」という判断で、今後は習志野きらっとスプリントの連覇を目指し、そこからコリアスプリントG3に進む方針と、管理する荒山勝徳調教師。今年もこの舞台を試金石にして、今後の道筋をつけられる一戦になった形だ。

勝ったケイズレーヴも同様で、榎屋充調教師が「今年はJBCスプリントがコーナー4回の1400メートル。こんなチャンスはなかなかない」と、大きな目標に据えた様子。3着から半馬身差の4着だった北海道のスペシャルエックスは「内枠がきつかったかなあ」と話しながらも吉原寛人騎手は前向きな表情。アタマ差5着のオマツリオトコ(兵庫)は「最後は伸びていますし、力負けではないと思います」と廣瀬航騎手。クビ差で6着だったタガノエスコートは、笹田知宏騎手が「ブリンカーの効果はありました。この経験が今後にいきれば」と期待していた。

取材・文浅野靖典

写真岡田友貴(いちかんぽ)

Comment

渡邊竜也騎手

出走予定馬が出たときは掲示板を目指せればという感覚でした。でも今日の馬場状態で、もう1着しか見えなくなっていました。3コーナーではしびれるくらいの手応え。そして最後に御神本さんと笹川さんという、地方競馬のスーパースターを差し切れて大興奮。自然にガッツポーズが出てしまいました。

榎屋充調教師

今回も後方からになりましたが、仕掛けるとムキになるタイプ。3コーナーからの手ごたえは良い感じに見えましたが、4コーナーでは前が遠いかなと思いました。この結果で、これからの選択肢が分からなくなりましたね(笑)。生え抜きでこういう馬にめぐりあえたのは貴重な経験だなと感じています。