web furlong ウエブハロン

地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロンPresented by National Association of Racing

Copyright(C) 1998-NAR.All Rights Reserved.

第72回東京ダービーJpnI

スタミナ活かし逃げ切る
  2年連続で二冠馬誕生

3歳ダート三冠競走の二冠目東京ダービーJpnI。今年も豪華メンバーが集結しフルゲートで行われた。JRAからは羽田盃JpnIの覇者フィンガー、2着馬ロックターミガン、4着馬リアライズグリント、そしてユニコーンステークスGIIIを制したシルバーレシオの4頭が出走。地方からは、羽田盃JpnI・3着のロウリュや、5着だったサンラザールなど南関東の実績馬たち。さらには兵庫優駿1、2着のゴッドフェンサーにミルトイブニング、ダイヤモンドカップ(盛岡)を制した岩手のフォースメンと、他地区のクラシック上位馬の意欲的な挑戦もレースを盛り上げた。

人気はJRA勢が中心。1番人気はシルバーレシオで2.2倍、2番人気はフィンガーで2.8倍、3番人気はロックターミガンで5.2倍、リアライズグリントが7.5倍と続いた。

羽田盃JpnIは先行したJRA勢3頭の熾烈な争いになったこともあり、今回もまずはスタートからの位置取りが焦点。ゲートが開くとロックターミガンが先行する構えを見せたが、外からフィンガーも押していき1コーナーでハナを取り切った。

前の2頭が後続を離してレースを進め、3番手にリアライズグリント、直後のインにサンラザールなどが続き縦長の展開。シルバーレシオは先頭からかなり離れた中団後ろを追走していた。

3コーナーでリアライズグリントが2頭との差を詰め、羽田盃JpnIを彷彿させるように3頭が固まって直線に入った。しかしロックターミガンが直線半ばでいっぱいの手応え。リアライズグリントも懸命に前を追いかけたが、それをしり目にさらに差を広げたフィンガー。最後は外からシルバーレシオが猛追してきたが1馬身1/4差凌いで逃げ切り勝ち。戸崎圭太騎手の左手が上がった。2着シルバーレシオから3馬身差の3着はリアライズグリント。4着はロックターミガンとJRA勢が上位を独占。地方最先着の5着には兵庫のゴッドフェンサーが入った。

羽田盃JpnIよりさらにパフォーマンスをあげて堂々の二冠達成だ。フィンガーを管理する田中博康調教師は開口一番「正直驚いています」と答え、「力をつけているのは分かっていましたが、ここまでとは」と嬉しさを滲ませた。羽田盃JpnIでは入念な作戦の上、逃げの手が見事にはまったが、今回も「この馬の良さを活かすにはタフな競馬がいいと話していたので、強気でハナを取りにいきました」と戸崎騎手。田中調教師も「スローペースが一番嫌でした。1コーナーまでの入りがとても速いペースで行くなと思って見ていましたが、スタミナが豊富な馬なので抜かされないだろうと。4コーナーの手応えを見て前走よりハラハラはしませんでした」と力を存分に発揮した勝利だった。

ダートの活躍馬を数多く育てている田中調教師が「スーパーホース」と絶賛するほどの能力を備えるフィンガー。「この子の武器は間違いなく豊富なスタミナ。あのペースで粘り切るというのは並大抵の馬ではできません」と評価する。今後は「三冠挑戦も含め、国内外問わず幅広い選択肢から考えていきたい」とのことだ。ダート路線の改革3年目でいよいよ三冠馬が誕生するのか、フィンガーの今後に大注目だ。

シルバーレシオは敗れはしたが、初もの尽くしのなか上りダントツの末脚を繰り出して存在感を示した。「前半で脚を使える馬ではないのでリズム良く運びました。最後は手前を替えなかったりして、そのあたりが課題ではありますが、力は証明できたし秋以降が楽しみです」(岩田望来騎手)と前を向いた。

リアライズグリントの坂井瑠星騎手は「良い流れでいけましたが、勝った馬が強かったです」、ロックターミガンの西村淳也騎手は「スタートは良かったけど勝ち馬に主張されてしまった。ついてはいけたが最後は苦しくなってしまいました」とそれぞれコメントした。

そして、陣営の明るい声が目立ったのがゴッドフェンサーだ。吉村智洋騎手は「かなり評価できる内容だと思います。最後サンラザールをきっちり捉えてくれたし、初めての長い直線でもしっかり伸びてくれました」と相棒を褒め称えた。盛本信春調教師も「5着ではありますが今回は満足できるレースでした。今後に向けて手応えを感じて嬉しいですし、色々な道が開けました」と笑顔だった。この後は休養に入り、秋はまず兵庫三冠を目指すとのこと。この経験を活かし、また全国での活躍にも期待したい。

取材・文秋田奈津子

写真いちかんぽ(岡田友貴、築田純)

Comment

戸崎圭太騎手

外目の枠からの逃げでしたが馬を信じていたのでこの馬のリズムで乗ろうと考えていました。ペースは落ち着いてはいないだろうと思いましたが、それも予定通りでこの馬のタフさを活かすレースができたと思います。手応えが悪くなってからのしぶとさが持ち味ですね。三冠達成も十分あり得る馬です。

田中博康調教師

前走よりも馬体が絞れることは想像できていたし、装鞍所ではとても輝いて見えました。距離が伸びることはプラスでしたが、他馬も力をつけているだろうし展開がどうなるかとも考えました。逃げられないことも想定していましたが、思い切った逃げという戸崎騎手の判断が勝因の一つだと思います。