直線抜け出して後続を完封
断然人気に応え2頭目の連覇
上半期の古馬ダート総決算となる一戦に、今年も精鋭が集結。昨年の覇者ミッキーファイト、川崎記念JpnIを逃げ切ったカゼノランナーなどのJRA勢に加え、東京大賞典GIを制した大井のディクテオンなど、国内のダート中距離を戦うなかでは最高のメンバーが顔をそろえた。
注目はやはりミッキーファイトの連覇か、否か。デビューから12戦10連対で、4着以下がないほぼパーフェクトな成績。直近の東京大賞典GI、かしわ記念JpnIでともに2着に敗れた点をどう見るかが鍵になったが、それでもファンの信頼は厚く、単勝1.7倍の1番人気となった。2番人気は前走の平安ステークスGIIIが完勝だったロードクロンヌで、3番人気は昨年2着のアウトレンジ。ディクテオンは川崎記念JpnIで5着に敗れたことと、得意とは言えない湿った馬場の影響か、6番人気にとどまった。
好スタートを決めて先手を奪ったのは、地元大井のサントノーレ。JRAのカゼノランナー、ロードクロンヌが続き、ミッキーファイトもこの一角につけた。その後ろをナチュラルライズとアウトレンジが追走。川崎のセラフィックコール、ディクテオンは7、8番手で機をうかがった。サントノーレは前半の3ハロン35秒8と、このレースとしては平均か、やや速いペースでレースを牽引。縦長の展開で向正面を通過した。
しかし、3コーナーで馬群は凝縮。カゼノランナーとミッキーファイトが先頭に並び掛ける形で直線を迎えた。ここで敢然と抜け出したのはミッキーファイトで、残り300メートルで追い出されると他馬を突き放しにかかる。その直後につけていたアウトレンジが懸命に追いかけるが、結果的に最後まで差は詰まらなかった。1馬身3/4差をつけ、ミッキーファイトがメイショウハリオ(2022、23年)以来、史上2頭目の連覇を達成した。
鞍上の戸崎圭太騎手は10年のフリオーソ(船橋)以来となる帝王賞JpnI勝利で、表情も晴れやか。もう少し後ろからの競馬を予定していたとのことだが、「ゲートでおとなしくて、スタートも速かったので、あの位置でスムーズな競馬ができました」と馬のリズムを優先した結果が完勝劇に結びついた。
管理する田中博康調教師も「なんとか挽回したいという気持ちで調整してきました。力通りに走れば連覇は狙えると思っていたので、全てがうまくいってよかったです」と胸をなでおろした様子。戸崎騎手と田中調教師はフィンガーでの羽田盃JpnI、東京ダービーJpnIに続く勝利で、今年ここまで大井のJpnIを総なめ。「いい巡りあわせだと思いますし、馬たちが頑張ってくれて、戸崎騎手もうまく乗ってくれた結果だと思います」と人馬への感謝を口にした。次走については明言を避けたが、「今年というよりは、来年に向けてのプランニングをしていきたい」と長期的な視野で調整していくとした。
2着のアウトレンジは、昨年に続いてミッキーファイトの後塵を拝す結果になったが、松山弘平騎手は「相手を見ながらいいリズムで走れましたし、最後までしっかり伸びてくれました。大井は相性がいいですね」と評価する。東京大賞典GIでの3着も含めて、大井では3戦全てで馬券絡み。安定感のあるレース運びも魅力で、今後も流れ次第でGI/JpnI制覇のチャンスがある。
ディクテオンは2着からクビ差の3着。メンバー最速となる後半3ハロン36秒7の脚を繰り出し、直線の外を猛然と追い上げた。結果から見れば好走と言えるが、矢野貴之騎手は「これくらいの(湿り具合の)馬場なら大丈夫でした。最後は脚を使ってくれて、いい競馬だったと思いますが、道中で少しモタモタしましたし、流れ次第ではチャンスがあったと思います」と悔しさをにじませる。確かに東京大賞典GIで負かしているメンバーだけにチャンスは十分にあったが、高いレベルのレースで常に上位を争うことは簡単なことではない。3/4馬身差で続いた4着のセラフィックコールともども称賛に値する走りであり、今後もハイレベルな舞台での活躍を期待したい。
取材・文大貫師男
写真いちかんぽ(岡田友貴、早川範雄)
Comment

田中博康調教師
想定外にいいスタートを切れたので、競馬も組み立てやすかったのかなと思います。当初のプランとは違って前受けの競馬になったので、本当にやりたかったこととは少し違うのですが、本来のパフォーマンスをゴールまで保てたのはよかったですし、ここ2走の悔しい思いを晴らせてよかったです。












戸崎圭太騎手
調教師とは行く馬がいれば行かせて、その後ろから、と話していました。リズムが良くて早めに先頭に立ちましたが、この馬であれば押し切るだろうと思って仕掛けていきました。直線では手前を替えられなかったので、そこは今後の課題ですね。改めて乗せていただいて成長も感じたので、先々が楽しみです。