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第30回スパーキングレディーカップJpnIII

3コーナー先頭から後続を完封
  重賞初制覇で目指すはJBC

スパーキングレディーカップJpnIIIは夏の牝馬マイルのダートグレード競走。1着の地方馬に対し10月の大井・レディスプレリュードJpnIIへの優先出走権が与えられる。地方馬にとってはグランダム・ジャパン古馬秋シーズンの初戦でもある。

副題には“ホクトベガメモリアル”と付けられているが、ホクトベガは、地方競馬が低迷しはじめた1995年にJRAからエンプレス杯に出走し、2着のアクアライデン(大井)に18馬身の差をつける伝説の圧勝劇を見せた。その後も牝馬ながらに帝王賞や川崎記念などダート交流重賞を席巻した女傑である。最後はドバイワールドカップに挑戦するも競走中止で予後不良となったため、功績をたたえて地方の交流重賞初挑戦の川崎でレースのサブタイトルにその名が残された。

今年は10頭立てとフルゲートを割ったが、今後の牝馬ダート路線を牽引するだろう実力馬が顔を揃えた。

プラウドフレールが先手を主張し、内にツーシャドー、外にはタガノミストが追走。アピーリングルック、アンジュフィールドがその後ろに続いた。マイペースで軽快にプラウドフレールが逃げていたが、向正面で中団グループが動き出す緩急あるペース。積極的に動いたタガノミストが3コーナーで先頭に立つと、アンジュフィールドやアピーリングルックも仕掛けていく。

直線ではタガノミストが抜け出し、最後は1馬身半差をつけて押し切り、単勝1.7倍の断トツの人気に応えた。中団内でじっくり構えていたタマモフリージアが間を割ってメンバー最速の上がりを繰り出して迫り、外からアピーリングルックも追い上げて2着争いは接戦。クビ差でタマモフリージアが先着。3着はアピーリングルックで決着した。

初めての地方の馬場で勝利を挙げたタガノミスト。

松山弘平騎手が話していた利口で動じない性格や、乗るたびに成長を見せている点、そして何より馬場のどこを走るかを選んだり仕掛けのタイミングを図った好騎乗が、初めての環境下でも力を発揮できた理由ではないかと思われる。

「JBCレディスクラシックを目標に掲げていますが、それまでには間隔があるので、このあとどうするかですね。去年も競馬ができているので暑さにも強い。男馬相手ですが佐賀(サマーチャンピオン)遠征も選択肢のひとつです。この馬はおとなしくてとにかく操縦性がいい。だから松山くんもそうですが、ジョッキーたちが乗りたがるんです。折り合いもつくし距離にも対応はできるので、あとはモマれ弱さ。日頃から砂をかぶせる調教をしてはいるんですがなかなか改善しません。だから負けるときは悲惨なくらいの負け方をするんですよね。それが課題です」と渡邊薫彦調教師。JBCの前に夏のダートグレード競走も視野に入ってきた。

心身共に充実期の5歳牝馬。課題を克服するためにもさらなる成長を期待したい。

大接戦の2着争いを制したタマモフリージアは向正面で動き出す馬が多い中でもじっと内で流れを読み、軽量を生かして素速く馬群から抜け出したレースぶりも、3歳という年齢を考えれば今後の牝馬ダートグレード路線での活躍が見込めそうだ。

取材・文中川明美

写真築田純(いちかんぽ)、NAR

Comment

松山弘平騎手

すごく利口な馬で初めての地方のナイター競馬でも落ち着いていました。(早めに先頭に立ったのは)川崎の急なコーナーも上手に回って、手応えも良かったので、馬場を選んで早めに抜けて、最後は外からしっかり伸びてくれました。乗るたびに馬が成長していますし、力をつけていると思います。

渡邊薫彦調教師

前走が思った以上に強く、これなら地方の重賞を目指してもと考えました。騎手とは、よい枠に入ったし外目で揉まれないようにしようと話していました。最終的には金沢のJBCに行きたいですね。おとなしくて扱いやすい馬ですし、折り合いもついて輸送も、初ナイターもストレスはなかったですね。