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第19回兵庫サマークイーン賞

4コーナー先頭から接戦制す
  初遠征でも自信の重賞制覇

今年から名称を『阪神アーバンナイター』に変更した金曜日のナイター競馬。今年初となるナイター重賞のパドックを見ていると、「黄色の勝負服が多いよね」との声が聞こえてきた。黄色をベースに、サノノエスポ(高知)の塚本征吾騎手(愛知)はそこに赤V字、ケテンドリーム(大井)の笹川翼騎手(大井)は赤襷、そして馬主服着用のコパノエミリア(愛知)・渡邊竜也騎手(笠松)は赤一本輪と、配色まで非常に似ていた。

その3頭が人気の中心で、そこに地元のラヴィアンまでが単勝10倍以下だった。中でもケテンドリームは「笹川騎手がかなり自信を持っているらしい」と地元記者たちの間で噂になった。そして、それが証明される結果となった。

向正面からのスタートは大外枠から好発を決めたエスカティア(浦和)がハナに行き、2番手にケテンドリーム、砂を被るのを嫌ったサノノエスポが3~4番手外に切り替えて先団を形成した。

人気上位馬が前を固めてペースが落ち着いたため、コパノエミリアの渡邊騎手は「渋い馬で、ヨーイドンの展開に備えて最初に動いていこうと」と、2コーナー付近から促した。しかし、内に包まれておりレースを大きく動かすほどにはならず、そうこうしているうちに先行集団もペースアップ。4コーナーで先頭に立ったケテンドリームがサノノエスポの追い上げをわずかに凌いで勝利を手にした。

着差はアタマだったが、笹川騎手が「早く抜け出してしまって、初めてのコースで馬が物見をしてしまった」という状況。脚が上がったわけではなく、上杉昌宏調教師もその点は胸を撫で下ろした。

笹川騎手が「のびしろがあると思っていて、先生に『このレースを使ってください』と言ったので、結果が出てよかったです」と笑顔を見せれば、上杉調教師も「ここを狙ってきたので嬉しいです」と喜んだ。地元記者の間に流れた噂は、間違いではなかったようだ。

これまで28戦すべてが地元・大井でのレースで、輸送競馬は初めてとなったが、「思ったよりイレ込みがなく、5~10キロの馬体減を覚悟していましたが輸送減りもありませんでした」(上杉調教師)と、前走から増減なしで臨むことができたのも良かっただろう。

悔しがったのは2着の塚本騎手。マイナス8キロは予定通りで馬体が絞れたが、「コーナーで置かれてしまいました。前を追いかけていい競馬でしたが、着差が着差なだけに……」と唇を噛んだ。

3着コパノエミリアの渡邊騎手は「向正面でついていけたのが収穫ですが、勝ち切るにはもう1~2列前を取りたかったです。ペースが流れてくれれば、もっと良かったです」とのこと。展開が向かない中でも最後は差を詰めており、前走からの状態アップも感じる内容だった。

勝ったケテンドリームは遠征での重賞勝利で今後の選択肢が広がった。上杉調教師は「オーナーと相談していたのは金沢(読売レディス杯・1500メートル)ですが、暑いので状態を見つつ考えたいです」と展望を描く。いずれにしても「牝馬戦線で頑張ってほしい」という思いは抱いており、今後グランダム・ジャパン(GDJ)古馬秋シーズンでの活躍に期待が寄せられる。

取材・文大恵陽子

写真桂伸也(いちかんぽ)

Comment

笹川翼騎手

今日は前半レースも乗り、馬場傾向を踏まえて強気な競馬をしました。直線は物見をして頭が上がり、後ろが来ていたので「早くゴールが来て」と願っていました。牝馬オープンとして選択肢が広がりますし、タイトルを獲らせることができて嬉しいです。馬がまだ若く、期待している1頭です。

上杉昌宏調教師

前の位置を取りに行こう、と騎手と話していました。もう少し突き放すかと思っていましたが、物見もありました。素直で、レースでは前に行けて折り合いもつくのがいいところ。今日のレースを見ていると1600メートルくらいがベストでしょうが、この距離もこなしました。GDJで優勝できると一番いいですね。