二枚腰を発揮し逃げ切る
初距離克服し重賞3勝目
“海の日”の恒例行事となった『第30回マーキュリーカップJpnIII(メイセイオペラ記念)』。まず驚いたのは前年の覇者カズタンジャーが補欠で除外対象となったこと。JRA所属馬には、より狭き門になった。
続いて感服したのはメイショウフンジンが5年連続で出走。かつてラブバレットがクラスターカップJpnIIIへ同じく5年連続で挑戦したが、地の利もあったから。JRA所属馬で5年連続は賞賛に値する。過去マーキュリーカップJpnIIIは3着1回が最高だが、まさに『奮迅』の戦いを続けてきた。
今年、1番人気に支持されたのはムルソーだった。11戦7勝、2着1回。着実に階段を駆け上がり、アンタレスステークスGIIIを完勝。重賞2連勝の期待がかかった。
2番人気はテスティモーネ。3走前16着に大敗したが、その後の2連勝で軌道修正。特に平城京ステークスをハイタイムで快勝。54キロの負担重量も人気をあと押しした。
3番人気はギュルヴィ。3勝クラスを勝ち上がったばかりだが、8戦連続で連対を継続中と依然、底見せなし。鞍上は今回も“レジェンド”武豊騎手。
しかし、優勝したのは5番人気サンデーファンデーだった。外の13番枠から好ダッシュを決めて先手を奪った。「前走(アンタレスステークス)で前へ行って勝たれてしまったので、うまくスタートを切れれば、ムルソーより前に行きたいなと思っていました」(角田大和騎手)
サンデーファンデーが逃げ、2番手外にムルソー、3番手インにドゥラエレーデ。大外から押し上げてメイショウフンジン、間にテスティモーネ。1コーナーで隊列が落ち着いた。
前半3ハロン35秒3、前半1000メートル61秒3。サンデーファンデーがスローに落とし、絶妙のペースで逃げる。1馬身ほど後ろを追走したムルソーは4コーナー近くから徐々に接近し、直線入口でサンデーファンデーに馬体を併せた。これで2頭の争いは確定したが、残り200メートルでサンデーファンデーがもうひと伸び。2着ムルソーに1馬身1/4差をつけ、鮮やかな逃げ切りを決めた。
「最後はひと脚しか使えないので使いどころが難しかったが、そこで離してくれたので、あとはがむしゃらに追いました」(角田騎手)
サンデーファンデーは昨年1月、プロキオンステークスGIIを制し、音無秀孝調教師にファイナル重賞をプレゼント。その後、同調教師が引退したため、東田明士厩舎へ移動。今度は今年3月、マーチステークスGIIIで東田調教師、角田大和騎手に初重賞をプレゼントした孝行ホース。
「父(角田晃一調教師)がマスターフェンサーでマーキュリーカップを2連覇しましたが、サンデーファンデーも小さい頃からお世話になっている吉澤ホールディングスさんが馬主なんです。自分が同じ舞台に立てた上、またこの馬で重賞を勝つことができてうれしいです」(角田騎手)
これまでサンデーファンデーの主戦場はダート1800メートルだったが、未経験の2000メートルを勝ったのも今回の収穫。角田騎手が勝利騎手インタビュー後、こう締めくくった。「今日は“サンデーマンデー”でした」
取材・文松尾康司
写真早川範雄(いちかんぽ)
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生野賢一調教助手
夏に弱いタイプですが、帰ってきた時は涼しかった。暑かったのはここ1週間。調整を進めるのには問題ありませんでした。調教では目一杯に追っても時計が出ないし、これだけ走ってくれるのに普段は大人しい。非常に賢いと思います。厩舎を盛り上げてくれる馬。2000メートルも我慢できそうですね。










角田大和騎手
去年のこの時期からコンビを組んでいますから馬の感じ、レースの組み立て方は自分が一番分かっている、という気持ちで臨みました。持ち味は賢いこと。ゲートまでは大人しいのに、入ると一気に気合いが出ます。馬が競馬を分かっていますし、雑念がない。あとはボクがちょっとだけ調味料を加えるだけでした。