直線一気に差し切り連覇を阻む
4歳牝馬が3連勝で重賞初制覇
クラスターカップは1996年、OROパーク=新盛岡競馬場の完成を記念して創設された。第1回優勝は3歳牝馬トキオクラフティー。クラフティプロスペクター産駒で続く東京盃も快勝。ダート短距離交流重賞2連勝を飾った。
あれから30年が過ぎ、数多くの強豪スプリンターが歴代覇者に名を連ねてきた。昨年はサンライズアムールが快勝。急きょ高松亮騎手が乗り替わりで騎乗し、鮮やかな逃げ切りを決めて見事代役を務めた。
今年はJRA4頭、岩手5頭の争いとなった。当初、ボナンザ(大井)の出馬予定だったが、前日に出走取り消し。またポッドベイダー(JRA美浦)に騎乗予定だった荻野極騎手は9日、新潟競馬で負傷。それに伴い、ボナンザへ騎乗予定だった吉村智洋騎手(兵庫)がスライド騎乗した。
戦前の予想どおり主導権を握ったのはサンライズアムールだった。2番手にルコルセール、3番手ポッドベイダー、4番手インにクロジシジョー。1番人気アンズアメはいつものように好スタートを切ったが、内の動きを見ながら5番手外を追走した。
前半3ハロン35秒6、上がり3ハロン34秒1。サンライズアムールは絶妙のペースで逃げ、ラスト1ハロンも12秒1でフィニッシュ。ダノンレジェンド以来、史上2頭目の2連覇を果たすかと思ったが、外からアンズアメが猛追。直線入口でサンライズアムールとは5馬身ほど差が開いていたが、驚異的な末脚で勝利をもぎ取った。
川田将雅騎手は「直線で離されていく感じもありましたが、坂もあるのでゴールで捕まえてくれればいいと思っていました。でもサンライズアムールがいい走りをしていましたからね。少し時間がかかりましたが、きっちり捕らえるのが彼女のすばらしさだと思います」
続いて高柳大輔調教師は「ゴール前はドキドキしていました。ボクの角度からだと届いていないかなと思っていたので、本当にうれしい勝利です。負けたレースでも着差はわずか。前走後はここを目標にして期待を持って臨みました」
アンズアメはクラスターカップJpnIIIまで5勝、2着3回、3着5回。馬券対象から外れたのは3度のみと抜群の安定感を誇り、目下2連勝中と勢いにも乗っていた。「牝馬ですが、気持ちが強い。展開にも左右されないし、馬場を問わないタイプです」(高柳調教師)
今回は前後半3ハロンの比較でも一目瞭然だが、完全にスローの流れ。アンズアメはそれをはねのけ、33秒6の上がりを披露した。この数字は第28回、リメイク(川田騎手)がマークした33秒5に次ぐ、史上2番目に速い上がりタイムでの優勝。古川浩アナウンサーが「アンズアメ、凄い脚!」と実況したが、まさに度肝を抜く“切れ”だった。
牝馬の優勝は2019年、ヤマニンアンプリメ以来、史上9頭目。負担重量52キロでの優勝は14年サマリーズ、18年オウケンビリーヴ以来3頭目。また4歳馬の優勝は史上6頭目。
今後、彼女がどのような道を歩み、どこまで成長していくのか。母ホウライマツリからイメージして命名されたという杏飴、もといアンズアメの動向に注目したい。
取材・文松尾康司
写真佐藤到(いちかんぽ)
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高柳大輔調教師
ここを勝てて収得賞金が加算できましたから、今後の選択肢が増えたと思います。前走のオープンを勝たないとクラスターカップの出走権が取れなかったので、ローテーションがきつくなってしまいました。無理をさせましたからね。まずはしっかり休養を取って、次のレースを決めたいと思っています。










川田将雅騎手
無事に勝ってくれて何よりです。良く頑張ってくれました。行く馬を行かせてスムーズな競馬ができましたし、3、4コーナーでもリズム良く行けました。独特の走りをする馬で特徴的なのですが、前回(水無月ステークス)乗った時、ここも勝つことができると思って、きっちり勝てるのが能力の高さだと思います。