人気にこたえ中央勢を一蹴
DG初制覇でさらなる高みへ
古馬戦から3歳限定レースになり3年目の北海道スプリントカップJpnIII。日差しと海風が強い夏日となり、門別競馬場は多くのファンの熱気に包まれた。
過去2年で勝利したJRA所属馬はその後も活躍を続け、今年も新たなスプリント王を目指す精鋭が集まった。JRAからは、兵庫ジュニアグランプリJpnIIを制し、鞍上に地元の石川倭騎手を迎えたトウカイマシェリ、バイオレットステークスを勝ったエコロレーヴなどが参戦。迎え撃つ地元勢は、デビューから4連勝後、全日本2歳優駿JpnI・3着を経てサウジダービーG3にも挑戦したベストグリーン、重賞2連勝中の快速牝馬トリップスといった豪華な顔ぶれがそろい、単勝1番人気にはベストグリーンが推された。
スタートで2番人気のトウカイマシェリが大きく出遅れ、パドックから激しく入れ込んでいた不安が出た形となってしまった。スペシャルチャンスが先手を奪い、トリップスが続く。エコロレーヴがじわじわと進出し、3コーナー手前で先頭に躍り出た。
超ハイペースで縦長の展開となる中、ベストグリーンは中団で息を潜める。トウカイマシェリも後方から追い上げていく。阿部龍騎手のエコロレーヴはペースを緩めることなく直線へ。4コーナー過ぎで2番手に追い上げたベストグリーンは、ゴール前100メートルで行き脚の衰えたエコロレーヴを捉えると、2馬身差をつけて圧勝した。2着はエコロレーヴ、3着には出遅れたトウカイマシェリが追い上げ、3着までの鞍上は道営所属騎手だった。勝ちタイムは1分11秒9(良)。
コンビ2戦目の落合玄太騎手はゴールの瞬間ガッツポーズ。大声援に出迎えられる中、天を指さし、何度も拳を握った。検量室前では田中淳司調教師や田中優馬厩務員、國信泰秀オーナーと抱き合って喜びを爆発させた。馬主服はオーナーの父である國信滿元騎手のデザイン。口取り撮影では『チーム・ベストグリーン』が大集合し、落合騎手は1歳の愛息を抱きかかえ、馬上で笑顔を見せた。
北海道スプリントカップでの道営馬の勝利は2020年のメイショウアイアン以来で、田中調教師はそれ以来2勝目。「出し過ぎかなと思ったほど」という調教時計を坂路で叩き出し、最高の状態で馬を送り出した。レース後も表情は引き締めたまま「去年全日本(2歳優駿)を取りこぼし、ずっと悔しい思いをしてきた。日本、海外問わずリベンジできるよう挑戦していきたい」と、視線は世界の大舞台へと向けられていた。落合騎手も「これからもっともっと大きい舞台で、強い相手を相手にいい競馬をしたい」と意気込んだ。
昨秋発表された道営出身馬の愛称は『モンスターズ』。北の大地から飛び出した怪物が、全国、世界で暴れ回る序章となる一戦だった。
取材・文小久保友香
写真 浅野一行(いちかんぽ)
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田中淳司調教師
前走後は順調に行きすぎたくらいで、調教内容もこなしてくれた。位置取りは後ろ過ぎるかな、と思ったが落合騎手が落ちついて乗ってくれた。強い内容でした。今後は3歳限定戦を使い、楠賞(園田)を目標にする予定です。










落合玄太騎手
調教の動きからも抜群に具合は良く、返し馬も柔らかい跳びですごくいい雰囲気でした。直線を過ぎ、僕の馬の脚が最後に勝るだろうな、と思いました。これからもダートグレードで中央馬相手に強い競馬を見せたいです。