人気にこたえ直線抜け出す
移籍後4連勝で期待はJBCへ
白山大賞典JpnIIIのトライアルで、JBC指定競走ともなっているイヌワシ賞。昨年は8月6日からの大雨による浸水被害のため開催延期となって地元馬限定で行われたが、近年は地元馬は苦戦を強いられ、2018年から24年まで7年連続で他地区からの遠征馬が勝利。しかし今年は中央で芝重賞2勝という実績のサクラトゥジュールが転入初戦の特別戦を6馬身差で圧勝し、地元の期待を背負うこととなった。
他地区からの遠征は5頭。8月上旬から約1カ月の休催に入っている高知から3頭が出走。兵庫からは中央オープンから移籍して3連勝中のダンテバローズ、浦和からは昨年の北國王冠で2着に好走したカイルが出走した。
予想通り高知のプリフロオールインがハナを主張し先頭へ。ダンテバローズも好スタートを切ったが、サクラトゥジュールがかかりぎみに進出。青柳正義騎手はなんとか抑えてプリフロオールインの2番手。その外にダンテバローズがつけ、人気を集めた3頭が雁行状態で2周目の向正面まで流れた。この3頭を前に見てカイルが追走し、高知のローズボウルも続いた。
向正面中間から徐々にペースアップしたあたりでサクラトゥジュールの手応えが一杯になって脱落。3コーナーを回ると、ダンテバローズがプリフロオールインをとらえにかかった。ダンテバローズの小牧太騎手はがっちり押さえたままで、直線を向いて追い出されるとあっという間に突き放してのゴール。
「この展開を狙っていた」という吉原寛人騎手のカイルがゴール前で迫ったが、半馬身差で2着。3/4馬身差で3着のプリフロオールインは、「(休開中の高知の)馬場状態が悪かったので調整が難しく、次はよくなると思います」(打越勇児調教師)という次走は地元の珊瑚冠賞を予定しているとのこと。4、5着にも高知のアルドーレ、ローズボウルが入り、遠征勢が掲示板を独占。地元期待のサクラトゥジュール(単勝3.0倍、2番人気)は6着だった。
単勝1.8倍の断然人気にこたえて完勝に見えたダンテバローズだったが、小牧騎手は「遊ばれて危なかったわぁ」と、ほっとした様子。03年のMRO金賞(シンドバッド)以来、じつに23年ぶりに金沢での重賞制覇となった。
管理する新子雅司調教師は、19年タガノゴールド、23年ラッキードリームに続いてイヌワシ賞3勝目。今年は金沢がJBCの舞台となるだけに、白山大賞典JpnIIIからJBCクラシックJpnIを視野に入れての参戦だった。「前の馬を追いかけて競馬をするので、抜け出してしまうとソラを使うのですが、次(白山大賞典)は相手が強くなるので、そのぶんは楽かなと思います」と期待も語った。新子調教師といえば、23年にイグナイターでJBCスプリントJpnIを制するなど、22年以降昨年まで4年連続でJBCのいずれかのレースに管理馬を出走させている。今年はダンテバローズがその期待を担うことになりそうだ。
取材・文斎藤修
写真早川範雄(いちかんぽ)
Comment

新子雅司調教師
輸送したほうが馬に気合が乗るのかなという感じでした。(レースは)想定していた通りの展開になりました。思ったより状態がよくて、手応えがよすぎて、抜け出すのが早いとソラを使うところがあるので、そこはかなり心配しました。白山大賞典、JBCと結果を出しに来たいと思います。










小牧太騎手
完勝というか、強かったです。いろいろなところで競馬をしているので、物見もしなくて余裕を持ってレースができました。4コーナーで相手の馬(プリフロオールイン)が下がって、早めに先頭に立ってソラを使うところがあったので、そこが課題です。次も金沢で走ると思うので楽しみです。