実績上位の力量示し圧勝
GDJ制覇へ視界良好
7月のスパーキングレディーカップJpnIIIで幕を開けた、グランダム・ジャパン古馬秋シーズン。今回の秋桜賞が全9戦のうち7戦目と終盤にさしかかるこのタイミングで、新たな勢力が参戦してきた。今回がJRAから転入初戦となるプロミストジーン。JRAで4勝したほか、3度のダートグレード競走でいずれも上位に入り。この日のメンバーの中では断然の戦歴を誇る。馬と、管理する藤田輝信調教師(大井)に課せられたミッションは、当レースを勝ち、次走に予定するJBCレディスクラシックJpnI(11月3日・金沢1500メートル)で本シーズンの総合優勝をも勝ち取ること。戦前の取材で、このレベルの高い目標を微かな緊張感を滲ませつつ明かした藤田調教師は、「1カ月程前にこちらに入厩し、徐々に手の内に入れてきた」とも話し、転入後の臨戦態勢が一定程度整っていることを窺わせた。鞍上に、JBC開催場である金沢所属の吉原寛人騎手が配されたことにも、目標達成への陣営の強い意欲が感じられる。
この日、天候の変化がレースに興趣を加えた。午後にレースが始まって程なく降り始めた雨は、時折雷鳴を伴い、大きな粒となって降り注いだ。やがて馬場には水が浮き。稍重で始まった馬場状態も第5レースで重、第7レースで不良へと変わる。それに連れ、序盤には各馬が内を空けて走り、やや時計もかかっていたレースの様相は一変。内ラチ沿いぴったりを回って逃げ切る馬が現れたり、過剰な競り合いが前崩れの激しい展開を呼んだりと、騎手達が馬場状態の変化を探りながら馬を操る様は、戦いの行方が予断を許さぬものになったことを感じさせた。
注目の先行争い。ハナを奪ったのは大方の予想とは異なり、「本来(ゲートを)出して行ったら出る馬。今日の馬場に合った乗り方」(渡邊竜也騎手)をしたというコパノエミリアだった。「ハナに行きたかったが突っ張られてしまった」(塚本征吾騎手)というサノノエスポが直後2番手。「次走が1500メートルなので前に行こうとしたが、さすがに他が速く行けなかった」(吉原騎手)1番人気のプロミストジーンは、先団馬群の外目5~6番手の追走となった。
勝負所の3コーナー入口。プロミストジーンが勝負をかけた。「雨が降り、外目の馬場が(相対的に)重くなっており、更にその外に行った」(吉原騎手)という捲りで、たちまち逃げるコパノエミリアに追いつき、そして交わしていく。直線でリードを広げ、最終的な着差は4馬身。力の違いを見せつけた。
2着には、後方から6番人気の3歳馬ウィルラウス(北海道)が追い上げた。落合玄太騎手は「相手が強かったが、具合も良くて仕上げも本当に良く、馬自身はよく頑張った」と馬を労った。管理する小国博行調教師も、敗れたとは言え「よく走った」と結果には満足の表情。次走の候補として、ロジータ記念(11月11日・川崎2100メートル)を掲げた。
3着は4番人気だった、地元名古屋のセットクルール。これも後方から、2着にクビ差まで追い上げた。加藤聡一騎手は「狭いところを縫って、勝負根性を出して動いてくれた。収穫は結構あった」と、馬の成長への手応えを語った。
この勝利で、プロミストジーンはグランダム・ジャパンのシリーズ15ポイントを獲得。表彰対象である地方所属馬ではトップのホーリーグレイルに9ポイント差とし、JBCレディスクラシックJpnIで逆転を狙う。レディスプレリュードJpnII(10月6日・大井1800メートル)とあわせシリーズ残り2戦、各馬の出否も含めた動向が一層注目される。
取材・文坂田博昭
写真岡田友貴(いちかんぽ)
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藤田輝信調教師
ホッとしました。少し気難しいところがあると聞いていたので、注意して仕上げてきました。レースでは思いの外動きが重苦しい感じに見えたので、もう少し仕上げていかないといけないかなと感じました。色々この馬のことがわかり良い経験になったと思います。(次走距離短縮は)絶対良いと思っています。









吉原寛人騎手
返し馬から凄く良い背中をしていて、レースが楽しみな感じで乗っていました。直前で雨が多くなり、馬場も傾向が変わったので、外枠は辛いところはありましたが、力で何とかしてくれたのでホッとしました。ものの違う脚でしたね。レースが上手で、乗っていて不安の少ない馬。それが強みだと思います。