この連載が始まったのは2011年の9月でして(第1回は10月ですが、9月の記事も私が担当)、なんとまあ15年を突破したことになるんですよ。我ながらオドロキ。
しかしながら、競馬場内の飲食店は減少傾向。新型コロナウイルスの無観客時代に、月イチの連載をどうやって続けたのか、まったく思い出せません……。
それはともかく「今月はどのお店を紹介しようかな」と考えて現地で食レポをしております。で、今月分は友人から「大井の4号スタンドにあった“幸福堂”のもつ煮が、L-Wingの“かしわや”さんで発売されているんですよ」と情報があったので、それを紹介するつもりでした。
そして送られてきた写真には、カレーライスの上にモツ煮が乗っているもの。まさにそれは、第6回(2012年3月)で紹介した「合いがけカレー」じゃないですか!
それはじつになつかしや~。私もぜひぜひ!
と意気込んで大井競馬場に突撃して友人に会ったら、
「きのうまでの限定発売だったみたいです……」
という悲報を聞かされました。うーむ。
でも大井競馬場には最近になってできたお店がいくつかあるから大丈夫。すると
「2階に新しくできたおでん屋さんは行きました?」と情報が。
なにそれ、知らない知らない。ということでさっそく行ってみると、たしかに初めて見る看板がありました。
「大井名物黒汁おでん」
そしてお店の名前は「常勝屋」。なんだか高度成長期の活気がみなぎっている感じでいいですねえ。
店頭のメニューボードには
「真っ黒だしの旨味がしみ込んだおでんには、風味豊かなだし粉を添えて。」
競馬場のおでんというと、おでん鍋のだしに大根やら卵やらが浮かんでいる……のが基本的な姿。ここはそれとは違うのね。たしかに店頭の写真のおでんは、私が知っているものとは違う感じです。
そして受け取った「おまかせ5本セット」もそうでした。容器の底には水分がない!
その代わり、カウンターのお兄さんに「だし粉はお付けしますか?」と聞かれて「喜んで」と答えた、その香りがとてもいい感じ。これはカツオブシが主成分かな?
それを持ってスタンドに戻って写真撮影。うーむ、これはビールが絶対にほしいよね。
というわけで、友人のビールを借りて写真撮影。メチャいい構図ですねえ!
しかし私は事情により、今日はビールを飲めないんですよ。だから「黒汁おでん」だけをゆっくり賞味しました。すると本当だ。だしの旨味が具材の奥底にまでしみ渡っている!
これはもしかしたら、いわゆる大衆料理ではなく高級料理のカテゴリーに入るかも。間違いなく、心が豊かになれるおでんです。





浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。