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第63回東京記念

人気に応え移籍後初タイトル
  吉原騎手とともにいざJBCへ

JBCクラシックJpnIの指定競走となっている東京記念。スタミナが求められる2400メートルの長丁場は道中の駆け引きがカギになる頭脳戦でもある。

大井競馬場は直前まで降っていた雨(発表は雨のまま)により水の浮く不良馬場。

11頭の長距離巧者が集ったが、大方の予想通り、大外からヒーローコールが飛び出してハナを主張した。マークするかのようにセラフィックコールが2番手で追いかける。リベイクルフルシティ、グリューヴルム、ディープリボーンと人気どころが続いた。

1~2コーナーではペースが14秒0まで落ちるスローペースとなったが、向正面半ば過ぎでペースが上がるとセラフィックコールが早々と進出開始。3コーナーでは先頭に躍り出た。直線に入るとリベイクルフルシティが並びかけるシーンもあったが、スタミナあふれるロングスパートで3馬身半差振りきってVゴールを決めた。

「夏を休養に充て、秋に向けて一段とパワーをつけたという印象です」と、最終的に単勝1.7倍に推された負けられない戦いを勝利した吉原寛人騎手は安堵の表情を浮かべた。

2着にはリベイクフルシティ。「砂をかぶらないように1列目を取りに行って食い下がったけど、とにかく相手が強かった」と、和田譲治騎手は勝ち馬を讃えた。

勝ったセラフィックコールは今春に川崎の内田勝義厩舎へ移籍しこれが4戦目。中央ではデビューから5連勝でみやこステークスGIIIを制し、その後はダートグレード競走ばかり使われてきた。今回は帝王賞JpnI・4着以来の実戦だった。

「移籍当時は繊細な面を見せていましたが、環境に慣れたのか、だんだんカイバも食べるようになってリラックスできるようになりましたね。8月半ばにノーザンファーム天栄からミッドウェイファームに戻ると、日を追うごとに状態を上げて、帝王賞の時くらいのデキになっていました」

内田厩舎の認定厩舎を担当している瀬戸貴博厩務員は「負けられないと思いながら送り出しました」と続けた。

いざ、JBCへ――。

最高のかたちで次の目標への道が開けたセラフィックコール。

「中央でのレースを見ていても南関東同士の今回は負けられないと思っていた。今日は装鞍所から落ち着いていたし、不良馬場も中央時代にこなしていたから心配はしていなかった」と内田調教師は満面の笑み。「次走についてはオーナーとの相談だが、JBCクラシックになるでしょう」と続け、ダート競馬の祭典を視野に入れていることを明かした。

“重賞ハンター”として全国の重賞を飛び回ってきた吉原騎手にとって、地元の金沢競馬場で5年ぶりに行われるJBC。地方移籍以来コンビを組んできたセラフィックコールと共にJBCクラシックJpnIで雄姿を見せることになりそうだ。

取材・文中川明美

写真岡田友貴(いちかんぽ)

Comment

吉原寛人騎手

元気な馬なので、58キロを背負っても掛かりっぱなしのレースになってしまいました。先頭に立った時のスパートについては早いかな?とも思ったけど、最後は二の脚を使ってくれて、この馬の勝ち方が見えたような気がしました。

内田勝義教師

いつもより落ち着いていて、良いレースをしてくれたと思います。出だしは2番手で引っかかっていた。長丁場なのでどうなるかと思いましたが力で押し切ってくれました。