断然人気のプレッシャーも
ゴール前ライバルを振り切る
グランダム・ジャパン(GDJ)2歳シーズンの初戦となる園田プリンセスカップ。他地区からの遠征馬は名古屋から1頭のみで9頭立て。毎年有力馬が複数頭参戦し、過去10年でも5頭が勝っている北海道からの遠征はゼロ。昨年から聞いていたことだが、セリが行われるこの時期は馬運車の手配が難しくなったという。今年はセプテンバーセールと重なった。毎年、各地のGDJ2歳シーズンに管理馬を遠征させているホッカイドウ競馬のある調教師に聞いたところ、単に馬運車が足りないだけでなく、近年実施されている働き方改革の影響もあるのではないかとのこと。この日、名古屋で行われた秋の鞍は北海道から遠征したゴッドバロックが制したが、ほかに遠征できる馬運車は回ってこなかったとのこと。「北海道からグランダム(2歳シーズン)を獲りに行くのが難しくなった」とも話していた。
そうした状況で、単勝元返しの人気にこたえて勝ったのが、メンバー中唯一のホッカイドウ競馬デビュー馬で、転入初戦を7馬身差で逃げ切っていたバドラだった。
大外枠のバドラはスタートで外に依れてバランスを崩したが、すぐに立て直し、赤岡修次騎手が気合を入れると、行き脚がついてあっという間に先頭へ。好スタートを切った2番人気のゴッズフェイヴリトがその外に持ち出してぴたりと2番手でマークした。
勝負どころ、3コーナー手前でゴッズフェイヴリトがバドラに並びかけていったが、バドラの赤岡騎手の手綱はまだ動かず。直線を向いていざ追い出されると、そのまま突き放すかと思われたが、意外に弾けず。ゴッズフェイヴリトにも差し切ろうかという勢いがあったが、バドラがゴール前で振り切り、1馬身3/4差をつけて人気にこたえた。中団から徐々に位置取りを上げてきたエンジェルリングが一気に迫って半馬身差で3着に入り、人気順の決着。3連単は580円という堅い決着となった。
まずは他地区から唯一の遠征で3着に食い込んだ名古屋のエンジェルリング。管理するのは宮下瞳調教師で、騎乗した下原騎手とは、ともに1995年10月騎手デビューという教養センター時代の同期。じつに31年という時を超えてのコンビだった。宮下調教師は「馬も私も遠征は初めてです。よく走ってくれました。感動しました」と、初めての他地区遠征で3着という結果に笑顔を見せた。
勝ったバドラの手綱をとった赤岡騎手は、前日に行われたゴールデンジョッキーカップでは惜しくも2位で優勝を逃していたが、この日は堂々の勝利。ただ単勝1.0倍だったことでは「ゴールデンジョッキーカップより50倍くらい緊張感がありました(笑)」と、役目を果たせたことにホッとした表情を見せた。
管理する田中一巧調教師は「道営組が来てなかったので、正直メンバーにも恵まれたし、ここは勝たないといけないレースで、そのぶん(単勝)1倍台というのが居心地の悪いプレッシャーではありました」。北海道から強そうな馬が出走していれば、GDJ2歳シーズン第2戦の金沢シンデレラカップに直行というプランもあったとのこと。次走については状態次第で、その金沢シンデレラカップという選択肢もあるようだが、「せっかくいい馬をやらせてもらっているので、最終的には兵庫ジュニアグランプリを視野に入れたいと思っています」。いずれにしても相手関係を見ながらの選択となるようだ。
取材・文斎藤修
写真桂伸也(いちかんぽ)
Comment

田中一巧調教師
ゴッズフェイヴリトも相手がこの馬とわかっているので攻めて来ましたね。頭が高いのもありますし、叩き合いの経験がないぶん、まだ脆さもあると思います。トモが甘いぶん、重馬場もこたえたかもしれません。赤岡さんに助けられた部分もありますし、スタッフもよくがんばってくれました。








赤岡修次騎手
外枠なので誰かが行くなら2番手でもと思いましたが、自分のペースで行ってしまったほうがいいだろうと判断しました。(最後は)もうちょっと弾けるのかなと思っていましたが、じりじり伸びるタイプなのかと思います。これからは逃げだけでなく、いろんなレースを経験して成長してくれればと思います。