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クインオブクイン


高橋華代子

2026.09.18 (金)

「気になるあの馬はクインオブクイン」

7月のコラムでインフォーマーのことを書かせていただいた際、生産者である長浜忠さんの奥様・智美さんとも久しぶりに連絡を取りました。その時に、長浜さんの牧場にいるクインオブクインが元気に過ごしていることも教えていただきました。

クインオブクインは2004年から2009年にかけて笠松を中心に全国の舞台へ挑み続けた牝馬。400キロ前後の小柄な体ながら、57戦14勝・2着8回・3着6回という成績を残し、重賞も全国で9勝を挙げました。

現役引退後は長浜さんの牧場で繁殖生活を送り、11頭の産駒を出産。6頭がデビューし、その中のクインザドリームが2017年の新春ペガサスカップを制しました。2024年からは功労馬としての生活をスタート。現役時代のオーナー様のファミリーが、引き続き所有されているそうです。

智美さんに今年で24歳になったクインオブクインの様子をうかがうと「性格は変わらず女王様のままです(笑)。若い馬が無礼をしそうになると、ひと睨みで制圧する威厳は健在ですね。ただ、おやつがほしい、水を新しいものに替えてほしいなど、若いころはしなかった甘えた声で人におねだりするようになりました」とのこと。

さらに「この春から放牧を終えて馬房に戻り食事を済ませると、うたた寝するようになりました。首がだんだん下がっていき、鼻が寝藁についたまま寝てしまうこともあります。そのうち前脚がガクンとなってハッと目を覚ましますが、そういう時は必ず周りをキョロキョロ見回して『誰かに見られてなかったかしら!?』という様子が面白くてかわいいです」という愛らしいエピソードも教えてくださいました。

最近の健康状態については「歳を重ねた馬にありがちな脚の関節の変形も、クインさん自身がうまく折り合いをつけて動いてくれていて、運動は十分にできています。食欲は大変旺盛で、カイバを残すこともありません」。放牧地では、松の木の枝で体を横に動かしながら自主的にブラッシングするのも日課。いつも体から松葉の良い香りがするおばあちゃんだそうです。

「今は、レースに勝つためでも子馬を守り育てるためでもなく、クインさん自身のためだけの時間を過ごしてくれていて、ほのぼのします」。

地方競馬の砂上をにぎわせてから15年以上が経った今も、ゆったりと穏やかな日々を過ごしていることを知り、とてもうれしく思いました。クインさん、長生きしてくださいね!

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関東競馬(南関魂)
・大井競馬
・WEBハロン
・サンケイスポーツ
・馬事通信
・東京馬主ニュース
・川崎競馬馬主協会ニュースなど