web furlong ウエブハロン

地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロンPresented by National Association of Racing

Copyright(C) 1998-NAR.All Rights Reserved.

ヤングジョッキーズシリーズTR 高知

第1戦は地元高知のワンツー
  門別で成長した近藤騎手が連勝

西日本では2場目となるヤングジョッキーズシリーズ(YJS)トライアルラウンド(TR)高知。昨年に続き良馬場での開催で、第1レースで各馬が駆け抜けると砂煙が舞った。

馬場脇でレースを見ていたJRAのある騎手は「いつもより内を空けて走っているな」とボソッと呟いた。声の主は明らかではないが、アウェーの騎手は高知に対してそのような強い印象を持つことが多く、のちに結果に影響することになる。

地方勢では小笠原羚騎手(愛知)と阿部基嗣騎手(高知)が今年のYJS初戦。小笠原騎手は出場資格のなかったデビュー1年目の昨年、ファイナルラウンド中京で誘導馬に騎乗しており、ひと足早くYJSデビューしていたが、「やっとYJSで乗れます」と出場を喜んだ。地元の阿部騎手は笠松で期間限定騎乗中とあって、「笠松のジョッキーや、先輩たちからイジられます」と久しぶりの地元の雰囲気を楽しんだ。

第1戦は和田陽希騎手(JRA)が逃げる展開。そこに3~4コーナーで内を選んだのが近藤翔月騎手(高知)と阿部騎手の地元2人だった。口を揃えて「逃げ馬がやや外を通っていた」と言い、インコースを選んでも砂は深くなかった。中でも3番手から運んだ近藤騎手とウインドファルクスの伸びは着実で、勝利を手中に収めた。2着は直線で外に切り替えて脚を伸ばした阿部騎手。戦前は「スタートは遅いようですが、砂を被ると嫌がると聞いているので、できれば逃げられれば」と話していたが、やはり行き脚がつかず、中団やや後ろとなっていた。しかし、4コーナーで内に潜り込んだことで砂を被らずに運べた。阿部騎手は3年続けて地元で勝利まで1馬身差以内という惜しい結果にはなったが、地の利を生かした騎乗でもあった。

3着に逃げ粘った和田騎手、4着に1番人気の田山旺佑騎手(JRA)、5着も地元の城野慈尚騎手だった。

取材が一段落すると、近藤騎手が「第2戦の方がチャンスがあると思っているんです」と自信顔で打ち明けた。そして、その言葉通りとなる。

第2戦は逃げる阿部騎手を森田誠也騎手(JRA)が最初のコーナー直前まで追いかけて、ペースはやや流れた。そして、3コーナーで外から脚を伸ばしたのが近藤騎手。直線では柴田裕一郎騎手(JRA)に迫られたが、凌ぎ切ってYJS連勝を決めた。

3着に田山騎手、4着森田騎手、5着和田騎手で、勝者以外はJRA騎手が掲示板を占めた。

「自信があったので、早めに仕掛けて踏ん張ってもらうつもりで乗りました」と笑顔の近藤騎手。その表情は以前よりも頼もしく感じられた。今年5~8月の門別競馬場での期間限定騎乗ではJRA認定レースの勝利や、初のダートグレード競走騎乗のほか、「これまではハミを掛けて乗る感覚がイマイチ理解できていなかったのですが、門別の所属先の川島雅人調教師から教わって、できるようになりました」と成長できたことが表情にも出ているのだろう。第1戦が門別から帰ってきての初勝利だったが、この日は一発逆転ファイナルレースも勝って1日3勝を挙げる大活躍だった。

西日本2つめのTRを終えて、地方西日本1位は近藤騎手。出身地の愛媛県から親戚が10人以上、応援に駆け付ける中で連勝を決め、87ポイントと断トツだ。JRA西日本1位は柴田騎手。「第2戦は4コーナーで勝てると感じたので悔しいですが、ポイントを加算できたことが今回は嬉しいです」と、YJSならではの感想を持った。

一方で、金沢ラウンドに続き出場した小谷哲平騎手(兵庫)はこの日は掲示板に載れなかったが、中間には重賞初制覇を飾ったジューンキートスと阪神競馬場に遠征。JRA初騎乗を果たし、「楽しかったです。また乗れるように頑張ります」と目を輝かせた。再びのJRA騎乗がYJSファイナルラウンドになれば、最高だろう。

また、重賞初制覇といえば、サンライズホープで達成した新庄海誠騎手(兵庫)は期間限定騎乗中の高知で同馬に再会。今週末もコンビを組むようで、「また乗れて嬉しいです」と喜ぶなど、YJS以外の場でもそれぞれに充実した日々を過ごしている。そのいい流れが近藤騎手のようにYJSで好結果を呼ぶかどうか。西日本のTRはあと4場、残されている。


取材・文大恵陽子

写真桂伸也(いちかんぽ)

Comment

第1戦・第2戦1着 近藤翔月騎手(高知)

第1戦は思っていた通りにレースが進み、直線は馬に頑張ってくれという気持ちで追っていました。ゴールでは自然とガッツポーズが出ました。レース後は落ち着きが持てて、第2戦は落ち着いた騎乗をできたことが大きいです。最後まで気を引き締めて、必ずファイナルに出場できるよう頑張ります。