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第37回オーバルスプリントJpnIII

好スタートから逃げ切る
  5歳牝馬がJBCへ弾み

今年で第37回を迎えたオーバルスプリントは、昨年までテレ玉杯オーバルスプリントの名称で行われていたことからも分かるように、その前身は1991年に創設されたテレビ埼玉杯。1900メートルで争われていた南関東限定の古馬重賞から回数を重ねている。2005年から現在の1400メートルに舞台を変更。08年からオーバルスプリントの名称で行われ、11年から指定交流競走となっている。13年からJpnIIIに格付け。一定していなかった開催時期も指定交流競走となってからは9月に固定され、現在に至っている。今年はJRAから4頭、愛知から1頭の遠征馬が参戦。船橋と大井から各1頭、浦和から2頭の南関東勢が迎え撃ち、9頭立てで争われた。

単勝2.3倍の1番人気に推されたのは、前走のスパーキングレディーカップJpnIIIで重賞初制覇を果たしたJRAのタガノミスト。2歳10月のデビュー戦から一貫してダートを使われてきた5歳の牝馬が支持を集めた。弱い雨が降り続いたことで、当日の馬場は徐々に悪化。後半になるにつれ、次第に先行有利の傾向になり、2走前が逃げ切り、前走が2番手から3コーナーで先頭という、先行力を生かした2連勝の内容も評価されたのだろう。

止みそうで止まない霧雨のなかで迎えたレースは、そのタガノミストが好スタートを決め、すんなりハナを奪った。外から2番手を確保したのは、サマーチャンピオンJpnIII・3着から転戦してきたJRAのハッピーマン。7走前の転入初戦で同距離のオープン特別を快勝している浦和のジョージテソーロが外の3番手、サマーチャンピオンJpnIII・2着からの転戦だったJRAのインユアパレスが内の4番手という隊列で淡々と流れ、向正面を迎えた。

最初に仕掛けたのは、6番手にいた大井のイグザルト。前走のさきたま杯JpnIで3着まで追い込んだ末脚を生かそうにも、さすがに馬場や流れが合わないと判断したのだろう。3コーナー過ぎに3番手まで進出する動きを見せた。だが、4コーナーを迎えてもなお、ハナを行くタガノミストの手応えは十分。内からインユアパレスが追い上げようとしたが、直線に向いて追い出されたタガノミストは、そこからさらに加速する脚を見せた。

終わってみれば、上がり3ハロンはメンバー最速の35秒4、ラスト1ハロンも11秒5という速さ。舞台が1400メートルに変更されてからのレースレコードとなる、1分23秒6の好時計で逃げ切り、後続を寄せ付けなかった。

地方競馬には前走の川崎が初参戦だったタガノミスト。渡邊薫彦調教師が「前走でナイターも難なくクリアしてくれたので、あまり気にするところではなかったです」と話していたように、浦和もあっさりこなしてみせた。レースぶりからは、いかにも小回りが合いそうなイメージ。今年は金沢の1500メートルで行われるJBCレディスクラシックJpnIに向け、期待が膨らむ勝利となった。

一方、地方競馬所属馬の最先着は、大接戦となった3着争いを制した愛知のケイズレーヴ。ここ2戦はJRAの芝に挑戦して振るわなかったが、3走前に笠松の1400メートルで争われたオグリキャップ記念を快勝していた。昨年のオグリキャップ記念を制した船橋のムエックスは、同年のさきたま杯JpnIで2着、続くオーバルスプリントJpnIIIで3着。この路線からの地方馬の好走が続いたことも、注目すべき結果かもしれない。

取材・文牛山基康

写真宮原政典(いちかんぽ)

Comment

岩田望来騎手

すごく速いスタートを切ってくれました。もう少し楽に行けるかなと思いましたが、馬場の影響か、ほかの馬も併せてきましたけど、リズム良く走れていましたし、大丈夫だろうと思いました。先行力のある馬ですし、小脚も使える馬なので、依頼が来たときには(浦和は)勝ち負けかなと思っていました。

渡邊薫彦調教師

牝馬なんですけど、おっとりしていて、ゴーサインを出せば行くし、抑えも効くし、本当に言うことのない、パーフェクトな馬です。今後も大きいところを目指して、まだまだパワーアップしていけたら。あくまで状態を見てですけど、JBCレディスクラシックは最終目標としていきたいなと思っています。