第1戦は杉山騎手が直線一気
第2戦は3連単430万の大波乱
ヤングジョッキーズシリーズTR 船橋
ヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンド東日本の2場目は船橋。騎乗予定だった山本大翔騎手(船橋)が負傷のため、第1戦は高橋優騎手(大井)、第2戦は加藤雄真騎手(川崎)に変更となった。
当日は朝から雨が降り続き、第1レースから馬場状態は不良。騎手紹介のイベントが行われた第5レース後は傘が要らない程度の雨粒だったが、その後は大粒の雨に変貌。第8レースに実施される第1戦のときは、馬場の上に何本もの水の筋ができていた。
ただ、第7レースまでに逃げ切りが3回あったものの、佐野遥久騎手(川崎)が「昨日よりは差しが届く気がします」と話していたように、最後の直線で差し脚を見せた馬は多数。ただしそれらは短距離戦で、全馬が乗り替わりの若手騎手戦で1800メートルとなれば話は別。第1戦は見どころが多いレースとなった。
好スタートから先手を取ったのは石田拓郎騎手。その後ろに石神深道騎手、上里直汰騎手がつけ、4番手は土田真翔騎手と、JRAの4名が引っ張る形。そのままの隊列で向正面を進んだが、3コーナーの手前あたりから中山遥人騎手(浦和)や佐野騎手などが追い上げて、流れが一気に速くなった。そのため先行したJRAの4名は苦しくなって、いずれも8着以下に沈んでしまった。
その展開をうまく活かしたのが、杉山海波騎手(大井)。後方から徐々に位置取りを上げると、最後の直線に入って所蛍騎手(船橋)を競り落とした勢いのまま、早め先頭から粘り込みを狙った長浜鴻緒騎手(JRA)に1馬身半の差をつけての快勝となった。
2着の長浜騎手は「3コーナー手前で他の馬が仕掛けたところで少しガマンして、最後の直線に入ったときには勝てると思ったんですが」と話したが、表情は仕方ないといったところ。そして「(騎乗馬が転入初戦で)初めてのコースで不安そうにしていた影響があったのかも」と続けた。
3着の所騎手も目立つ末脚で差を詰めてきたが「馬がちょっとヨレてしまいました。仕掛けのタイミングと進路の選択は良かったのですが」と、15ポイントの獲得でホッとした気持ちと負けての悔しさが同居している様子。それでも「切り替えて次に向かいます」と話して装鞍に向かった。
4着の中山騎手は「ずっと1200メートルに出ていた馬だったのが不安でしたが、この馬場状態なら多少のムリをしても残れるかなと思って前のほうに付けました」とのこと。9番人気馬での12ポイント獲得は、ファイナルラウンドに向けての戦いにおいて、大きな意味を持つことになるかもしれない。
同じく1800メートルで争われた第2戦は、12番人気の椿聡太騎手(船橋)が逃げ切って、7番人気の加藤騎手が2着、そして最低人気の小野俊斗騎手(大井)が2コーナーから一気の追い上げを見せて3着。3連複は78万円台、3連単は430万円台の高配当となった。
その要因になったのは、椿騎手が作った前半1000メートルが65秒4というスローペース。スタンド内ではあちらこちらから「遅いな」という声が聞こえていた。その流れを活かしきった椿騎手は「(騎乗したゼンソレイユの大津剛調教師から)行く気で乗ってほしいと言われていました」と話したが、表情は人気薄での勝利に戸惑っている感がありあり。通りがかった木間塚龍馬騎手に「僕が調教をつけている馬ですからね。おめでとう」と声をかけられて、ようやく少しだけ笑顔が出た。
一方、1馬身半差の2着に粘った加藤騎手は「逃げた馬の手応えが良すぎたにしても、楽に行かせすぎました。となりの馬の出がいまひとつだったので、だったらと思って大外枠から前に行った判断はよかったのですが」と振り返った。
対して、満面の笑顔を見せたのは3着に入った小野騎手。「返し馬でもゲート裏でもおとなしすぎたので、ゲートに入る前に気合を入れました。そうしたら2コーナーでの反応が良くて。パドックでは、この人気(単勝179.8倍)ならレースを荒らしていいかも、と思ったのですが(笑)」と、2戦続けて人気薄での3着1回に喜びをあらわにしていた。
とはいえ、ファイナルへの道は序盤。10月に入ると東日本地区は川崎、盛岡、浦和、大井と一気に佳境となる。現時点で、同地区の地方競馬所属は杉山騎手が34ポイントでトップでも、椿騎手、佐野騎手、加藤騎手がそれぞれ1ポイントずつの差で、上位陣は団子状態。同じくJRA所属は長浜騎手が59ポイント、石神騎手が41ポイントでも、1着を獲れば30ポイントだから様相は一気に変わる。現在は下位の騎手にも、まだまだチャンスは残されている。
取材・文浅野靖典
写真岡田友貴(いちかんぽ)
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第2戦1着 椿聡太騎手(船橋)
馬場が悪かったこともあって、自分のリズムであせらずに、と考えて乗りました。最後まで手応えがよくて、最後は後ろから迫られましたが、粘ってくれという思いで追いました。佐賀で(期間限定騎乗の)3カ月間、たくさん乗せていただいたので、佐賀の人たちに見てもらえるように頑張りたいと思います。










第1戦1着 杉山海波騎手(大井)
馬のリズム、そしてどの場所を通ればいいかを考えて進めていきました。向正面では前からけっこう離れていたのでどうかなと思ったのですが、馬にエンジンがかかったところで大丈夫かなと思いました。とりあえず、ひとつ勝ててホッとしています。次も自分の競馬をして頑張りたいです。