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第73回日本テレビ盃JpnII

余裕の走りで3馬身差
  次なる目標は中央GI

このレースを端的に紹介するなら、『ダート路線の要衝』という一言に尽きる。勝ち馬に優先出走権が与えられるJBCクラシックJpnIへのルートが王道だが、昨年の勝ち馬フォーエバーヤング、2023年のウシュバテソーロはここからアメリカのブリーダーズカップクラシックG1へ、20年のロードブレスは浦和記念JpnII、その前年のクリソベリルはチャンピオンズカップGIに進むなど、向かう先は多岐にわたる。広い左回り1800メートルという汎用性が全国有数の注目レースとなった要因であり、今後もこのジャンクションから各方面へ馬が旅立っていくことになるだろう。

今年は帝王賞JpnIを制したミッキーファイト、川崎記念JpnIを逃げ切ったカゼノランナー、重賞2勝のロードクロンヌが、ここで秋初戦を迎えた。これらに重賞初挑戦のテーオーマルコーニがどこまで迫れるか。また、ひと頃よりたくましさを増した川崎のベアバッキューンが、1800メートルでどこまで太刀打ちできるか注目が集まった。

好スタートを決めたベアバッキューンが先手を奪い、カゼノランナーが2番手。ミッキーファイトは外枠からスッと好位の外につけた。さらにそれを見る形でロードクロンヌ、テーオーマルコーニが追走。船橋のガバナビリティーもこの一角につけ、6頭が一団となって向正面に入った。前半の3ハロンは37秒1で、このクラスでの不良馬場としてはゆったりとした流れ。その隊列のまま勝負どころを迎え、各騎手の手が動き始めた。

しかし、外を回っていたミッキーファイトと戸崎圭太騎手だけは違った。持ったままで直線に向くと、ぎりぎりまで追い出しを我慢。残り200メートル標識を過ぎてようやく追い出されると、一瞬で他馬を置き去りにした。2着のテーオーマルコーニにつけた着差は3馬身。余裕たっぷりの走りに王者の貫禄が見て取れた。

戸崎騎手は「前走よりもよくなっていましたね。しっかりと手前を替えて、バランスを整えながら走らせようと心がけていましたが、そのあたりもクリアしてくれました」と晴れ晴れとした表情。田中博康調教師も「ここ3戦は走りのバランスがよくなかったので、今回は所作や内容にこだわっていました。満足できる走りだったと思います」と納得した様子で、きっちりステップを踏んだミッキーファイトをねぎらった。次走はチャンピオンズカップGIの予定で、「JRAのGIをまだ勝っていないので、今年はそのタイトルを取らせたいと思っています」と秋の最大目標を口にした。

テーオーマルコーニが2着に入り、ダート路線の中心勢力に加わった。直線で前が壁になる場面もあったが、岩田望来騎手は「リズムよく行けました。最後は進路があいていたらと思いましたけど、それ以上に勝ち馬が強かったです」とミッキーファイトに脱帽。とはいえ今回のメンバーで2着に食い込んだのであれば、トップクラスの力があることは間違いない。好位で器用に立ち回れるタイプなので、各地のダートグレードで活躍してくれることだろう。

ベアバッキューンは踏ん張り切れず5着。ただ、真っ向勝負を挑んでの結果で、野畑凌騎手も「走り切ってくれましたね。1800メートルも問題ないですが、ベストは川崎の1600メートル。今回の感触なら交流重賞でもやれそうです」と話した。小回りのマイルとなるとダートグレードでは選択肢がなく、かきつばた記念JpnIII(名古屋1500メートル)あたりが近い条件になるか。ひとまずは次走予定のマイルグランプリ(10月28日、大井1600メートル)で、右回りでの走りを確かめたいところ。

取材・文大貫師男

写真宮原政典(いちかんぽ)

Comment

戸崎圭太騎手

本当に強い勝ち方でしたが、負けられない気持ちだったのでホッとしています。返し馬は雰囲気がよく、前走よりもよくなっていると感じました。スタートも速かったですし、リズムよく行けて、いつでも弾けそうな手応えでした。秋の初戦でいいスタートを切れましたし、今後も活躍してくれると思います。

田中博康調教師

近3走は最後の走りのバランスが悪かったので内容にこだわっていましたが、丁寧にジョッキーが導いてくれて、馬も応えてくれました。ひとつステップアップできた感じです。今回は夏負けもあって、整えてきたというところでしたが、次に向けてはもう一段、いい仕上がりで臨めたらと思っています。