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第60回東京盃JpnII

直線底力を発揮し差し切る
  成長示しJBCスプリントへ

ダートグレード3連戦のラストは6ハロンの東京盃JpnII。JBCスプリントJpnIの前哨戦とあってダート界屈指のスプリンターたちが大井競馬場に集結した。

最終的に単勝2.0倍の1番人気に推されたのがサトノボヤージュ。国内のダートでは4戦4勝、2月に遠征したサウジダービーG3では見せ場十分の3着と世代屈指の実績を誇るダート短距離で期待の新星だ。

電撃の1200メートル戦は、昨年の覇者ヤマニンチェルキと大井へ転入緒戦エートラックスの先行争いから始まった。3番手にサトノボヤージュ、外目にはエコロレーヴ。その後ろにゼーロスがつけた。

ゼーロスの手綱は終始追い通し。3コーナーではエコロレーヴが動いて先頭のヤマニンチェルキに並びかけ、スタートで後手を踏んだトウカイマシェリも位置取りを上げてきた。

ゼーロスはサトノボヤージュと並んで3番手で直線に向いたが、これを振り切って追い上げる。前を行くヤマニンチェルキに届くか微妙な態勢のところ、外からトウカイマシェリが並びかけてくると、ゼーロスに再びスイッチが入ってもうひと伸び。ヤマニンチェルキをハナ差とらえての勝利となった。

地方馬としては2018年キタサンミカヅキ以来8年ぶり、大井所属馬では08年フジノウェーブ以来18年ぶりとなる東京盃JpnIIでの凱歌だった。

「1200メートルなのでスタートから出していって促しながらの競馬でした。最後は底力。外からきた馬に反応して伸びてくれました。そこがゼーロスのいいところであり、逆を言えば難しいところでもあるのですが、今日は良い方に出たのかなと思います。中間に(荒山勝徳厩舎のある小林分場で)跨がったときには乗りやすくなっていて成長を感じていました」と笹川翼騎手。

ゼーロスは、当初ダート三冠を目指す路線を歩んでいたが、園田1400メートルの兵庫チャンピオンシップJpnIIに遠征すると追い上げて収穫のある3着。適性を見せたことから短距離路線へと方向転換した。

その底力は伊達ではなかった。南関東3歳スプリントの頂点レースとも言える優駿スプリントに出走。先行争いを見ながら3番手につけると、直線は笹川騎手の拳がほとんど動くことがないまま先頭に立ち、4馬身ちぎって1分11秒0のレースレコードを叩き出した。「初の1200メートルでこの好タイムを出したのは視野が広がります。内容、時計等含めて想像以上だったのでびっくり」と荒山調教師は期待感を膨らませた上で迎えた秋緒戦だった。

「今日は収穫の大きいレースだった。最高の結果です。だいぶ大人になって、砂をかぶったところで我慢できた。精神面はまだまだ成長するだろうし、最初に比べたら大人になった。道中スムーズだったらもっと切れるはず。上のメンバーと戦っていくにはもっとどっしりしてくれればいいね。そうすればもう一段、二段上を目指せると思う」と荒山調教師は振り返り、可能性を示した。

次走はもちろんJBCスプリントJpnI。直線伸びてコンマ3秒差の5着だったティントレットと共に金沢に向かう。

1番人気に推されていたサトノボヤージュは直線伸びきれず6着。鞍上の戸崎圭太騎手は「プラン通りにはいきましたけど、コーナーでも勝負どころでも促さないといけない手応え。直線もなかなかハミを取らなかった。今までで一番、気持ち良く走れていない感じでした」と首を傾げていた。

取材・文中川明美

写真宮原政典(いちかんぽ)、NAR

Comment

笹川翼騎手

速い馬も揃っていましたし、スタートだけは気をつけました。最後は底力というか、外に馬が見えたらまたひと踏ん張りしてくれて、最後まで一生懸命頑張ってくれました。中間に跨った時から成長を感じていましたし、今日も体重はさほど変わっていないのにサイズ感が大きくなったのを感じました。

荒山勝徳調教師

笹川騎手とレース前には外2、3番手でと話していました。思った通りの競馬はできませんでしたが、笹川騎手が上手くエスコートして、4コーナーまでもたせてくれました。道中少しきつかった分、直線も切れが鈍っているなと見ていましたが、最後に外から馬が来てくれたら、もうひと伸びしてくれましたね。