直線突き放して重賞初制覇
前走の経験糧に完璧な競馬
ネクストスター金沢に出走資格があるのは、金沢所属で1戦以上の出走歴がある馬。出走12頭のうち、門別のJRA認定戦で勝利を挙げていた馬は3頭いたが、金沢デビュー馬が上位3着まで独占する結果となった。
勝ったのは通算7戦目のハジマリノアイズ。中団から徐々に進出し、4コーナーで外から逃げ馬に並びかけると直線で突き放した。2着には4戦目のスターズオブサワーが入り、3着には6戦未勝利のリュウノアメリカン。前走石川テレビ杯を制し、3戦3勝の成績で単勝1.8倍の断然人気に支持されたミラクルサリチャンは、3コーナー手前で仕掛けたものの失速して11着に敗れた。
石川テレビ杯で2着に敗れていたハジマリノアイズは、続く自己条件で勝利を挙げ、中1週でネクストスター金沢に臨んできた。
「前走で砂をかぶらせる競馬をさせた経験が大きかったように思います」と、9月30日付で金沢から高知に移籍した加藤翔馬騎手。10月4日の金沢シンデレラカップでは北海道のクリームパンに騎乗して勝利。ハジマリノアイズは同じ日に実施された2歳2組戦を勝って、ここに向けての手ごたえを感じていたようだ。レースが終わって馬から降りると「完璧な競馬ができた」と興奮ぎみに言いながら検量室に入っていった。
2着は、ハジマリノアイズと同じ前走で3着だったスターズオブサワー。石川テレビ杯では4着だったが「ここ2戦が結果としては力負けという感じだったので、今回は後ろから行ってみようと。だから展開がハマれば、という気持ちでしたが、最後はなんとか間に合えと思える脚。今後が楽しみになりました」と、新馬戦から手綱を取っている栗原大河騎手は話した。
スターズオブサワーが最後の直線で通ったのは、馬場の中央より外。末脚が届いた要因のひとつには、前夜からの雨も影響したのかもしれない。この週の金沢競馬場の砂厚は主催者の発表によると、内沿いが13~14センチ、中央部が平均11~12センチ、外沿いが7~9センチという調整。雨(発表は曇)で不良馬場となれば、砂が薄い外ラチの近くはさらに走りやすくなる。それでも後方4番手あたりから直線だけで勝ち馬に1馬身半差まで迫った伸び脚は見事といえるものだった。
2着から3馬身差の3着には、中団から徐々に位置を上げてきたリュウノアメリカンが入った。「パドックで乗ったときの印象も返し馬の雰囲気も良くて、勝てるかもと思ったくらい。でもまだ未勝利なのは、そのあたりなんでしょうね。それでも次は1700メートルに向かうらしいので、その条件なら面白いと思います」と、初コンビの塚本征吾騎手。塚本騎手は第6レースで地方通算1000勝を達成し、その後もこの日2勝を追加し絶好調。ただ「翔馬にうまく乗られましたね。やっぱり金沢の勝ちかたをよく知っています」と苦笑いしていた。
勝ったハジマリノアイズは「次は1700メートルの金沢ヤングチャンピオン(11月17日)に向かうと聞いています」と加藤騎手。そして「この馬に乗るためなら、高知からいつでも帰ってきますよ」と笑った。
取材・文浅野靖典
写真宮原政典(いちかんぽ)
Comment

加藤和義調教師
早い時期にデビューした細い牝馬でも体がしっかりしていて、レースをするごとに力をつけている感じがありますね。前走でもまれる競馬を経験させたことが今回につながったと思いますし、翔馬もうまく乗ってくれました。次はもう少し長い距離を試してみたいと考えています。








加藤翔馬騎手
小柄な牝馬でも物怖じしなくて、度胸が据わっているタイプ。レース経験も多くて、まだまだ成長している印象です。今回は仕掛けが遅れることがないようにと気をつけていたら、行こうとしたところがすべて開いて、本当にうまくいきました。そして馬も最後までよく応えて頑張ってくれました。