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ヤングジョッキーズシリーズTR 浦和

2戦とも1番人気が逃げ切る
  4着1着の藤田騎手が首位へ

東日本地区のヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンドは、この日の浦和と翌週の大井を残すのみ。東日本の地方所属騎手はそのどちらか、または両方に騎乗する予定となっているので、全員にファイナルラウンド進出の可能性がある。一方のJRA所属騎手も大半の騎手にその望みが残っている。

その状況で唯一、ファイナル進出が確定的となっている長浜鴻緒騎手が、出場騎手紹介式でJRAを代表してファンにあいさつ。地方競馬からは地元浦和所属の中山遥人騎手が「いっぱいポイントを持ち帰ります」と宣言していた。

浦和での2戦はともに1400メートルで、第1戦がC3クラスで第2戦がC2クラス。昨年の浦和ラウンドも同じ設定で、第1戦では3頭の落馬があり、最低人気馬が3着に入って高配当となった。今年も全馬が乗り替わりでの若手騎手限定戦。「浦和は初めて」と話した坂井瑛音騎手(岩手)だけでなく、南関東所属騎手もまた手探りで臨む心境だっただろう。

となれば、出走する12頭のなかで唯一、2走前までに逃げ切り勝ちがあるイチゴホイップに騎乗する土田真翔騎手(JRA)は気持ち的にも有利。気合をつけて先手を取り、向正面に入ったところでペースを落とすと、競りかけてきた椿聡太騎手(船橋)を4コーナーで振り切って逃げ切り勝ち。土田騎手はトライアルラウンド2勝目とした。

競り負けた形の椿騎手は3着で、最低人気馬に騎乗した加藤雄真騎手(川崎)が1馬身差の2着に食い込んできた。その結果に「差し切れるかなと思ったんですが。でもこの2着は大きいですね。ファイナルに近づけたかな」と笑顔。その横で椿騎手が「粘れるタイプと聞いていたのですが、逃げられなくて……」と悔しそうにしていた。そして「次のレースが最後なんです」と表情を引き締めて、第2戦の準備に取り掛かった。

4着には9番人気馬に騎乗した藤田凌駕騎手(北海道)が先行策から粘り込み。「初めての競馬場ですが、なんとなく雰囲気はつかめたかな。第2戦がかなりの人気馬みたいなので、ちょっと緊張しています」と話した。

ひとつレースをはさんでの第2戦は、その藤田騎手が単勝2.0倍で1番人気。ゲートが開くと大外枠から二の脚を効かせて先頭に立ち、内ラチ沿いを進んでいった。

それに2コーナーで並んできたのが中山騎手で、遠藤汰月騎手(JRA)が直後を進み、インコースには石神深道騎手(JRA)。第2戦も向正面でペースが落ち着いて、中団から山本大翔騎手(船橋)や加藤騎手などが位置取りを上げていった。

C2クラスの第2戦は、第1戦より勝ち時計が1秒6も速く、やや力量差が感じられるメンバー構成では逃げ先行が有利。藤田騎手のチョウスターは移籍初戦で、前走より馬体重が33キロも増えていた点が影響したのかゴール前で脚いろが鈍ったが、クビ差だけ残して逃げ切った。最後の直線で差を詰めた石神騎手は2着で、山本騎手は競り負ける形で3着となった。

検量室に戻ってきた藤田騎手は、ひと安心といった表情。惜しい2着となった石神騎手は「4コーナーでなかなか外に出せなくて。そこがちょっと悔しいですね」とコメントを残した。石神騎手は大井での騎乗予定がなく、浦和の終了時点でJRA3位の60ポイント。4位の水沼元輝騎手とは14ポイント差があるものの、勝っていればファイナル進出の可能性が高まっただけに、大きなクビ差になってしまった。

3着の山本騎手は43ポイントの地方9位で、大井での騎乗予定がないため、ファイナル進出は絶望的。「船橋がケガで乗れなくて、全体的にリズムが悪かったですね。でも勉強にはなりました」と話した。

逆に8番人気馬で最後方から4着に入った杉山海波騎手(大井)は、谷内貫太騎手(大井)が体調不良のため急遽の乗り替わりながら12ポイントを獲得して50ポイントの地方8位。「大井を出る10分くらい前に言われました。盛岡でまったくいいところがなかったので、この一戦が最後に意味を持つことになるかもしれませんね」と、次への意欲を見せていた。

逃げた藤田騎手をマークして5着となった中山騎手は「勝った馬は僕が調教しているんですよ」と、複雑な表情で苦笑い。そして「僕は大井が1鞍の予定なので、どうかなあ」と、トップとは4ポイント差での3位でも上下の差が少ない一覧表を見て、また苦笑いしていた。

最終戦となる大井の出馬表が発表されるのは、トライアルラウンド浦和の翌々日。ファイナル出場圏の4位以内で大井の騎乗予定がない加藤騎手と椿騎手、そしてJRA所属の騎手を含めて、心が波打つ日々が続いていく。


取材・文浅野靖典

写真宮原政典(いちかんぽ)

Comment

第1戦1着 土田真翔騎手(JRA)

(騎乗馬の)過去のレースを見て、逃げるほうがいいと考えていましたが、ずっと競られたことが気になっていました。その影響か、3コーナーで手応えがすこし怪しくなって、4コーナーでも厳しい感じ。でも最後までよく頑張ってくれました。内ラチ沿いを進められたことが良かったのかなと思います。

第2戦1着 藤田凌駕騎手(北海道)

道中でマークされましたが、そこまで苦しい感じではなかったですね。直線は粘ってくれという気持ちでしたが、手ごたえは残っていました。ヤングジョッキーズシリーズで勝ったのは初めてで、左回りで勝ったのも初めて。現状は1位でも最後に大井が残っているので、気を緩めずに頑張ります。