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ヤングジョッキーズシリーズTR 大井

高橋騎手が地方1位通過
  JRAは長浜騎手が首位守る

東日本地区のヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンドは、10月27日の大井がラスト。騎乗予定がある地方所属の9名は、全員にファイナルラウンドに進出できる4位以内へのチャンスが残っていた。とくに上位のポイント数は接近していて、トップの藤田凌駕騎手(北海道)から8位の杉山海波騎手(大井)までが18ポイント差。杉山騎手と4位の椿聡太騎手(船橋)は13ポイント差だから、1レースの結果で順位が大きく変わる可能性がある。

JRA所属騎手も同じく、大井で騎乗する全員がファイナルラウンドへの望みがある状況。浦和終了時点で2位だった土田真翔騎手、4位だった水沼元輝騎手は大井でも騎乗。その順位を守れるのかどうか、緊張が感じられる表情で第1戦に臨んだ。

1200メートルで争われる第1戦は、14頭立ての単勝11番人気でも38.0倍。ひと押しに欠けるタイプが多いなか、スタート後に二の脚を効かせて先手を取ったのは土田騎手。2番手に小林美駒騎手(JRA)がつける形で進んだが、その2頭は最後の直線で失速。土田騎手は13着、小林騎手は10着になってしまった。

勝ったのは、その後ろを進んだ大井の高橋優騎手。残り200メートルあたりで先頭に立って押し切る快勝に、満面の笑みでインタビューコーナーに移動していった。

2着には佐藤翔馬騎手(JRA)が、最後方に近い位置から最後の直線だけで差を詰める好騎乗で食い込んできた。「馬のリズム重視で進めました。勝ち馬には届かなかったですが、ポイント的にどうなのかなあ」と思案顔。佐藤騎手はこの時点で34ポイント。4位以内に入るには、第2戦で勝つことが条件となる。

3着に入ったのは遠藤汰月騎手(JRA)で「いいポジションに付けられましたし、最内枠から勝負どころで外に出せたのも良かったと思います」と、最終戦に向けて気合が入った様子。この時点で遠藤騎手は40ポイントを獲得していた。

第2戦は1800メートルで、逃げ先行タイプが少ない組み合わせ。人気の中心は昨年のトライアルラウンド大井第2戦で2着に入ったフラグランツァで、重い印が集まる専門紙を見て大井の小野俊斗騎手が苦笑いをしていた。

「フラグランツァ(小林騎手)とジャスティンロング(水沼騎手)は、僕の所属厩舎の馬なんですよ。でも僕は違う馬に乗って、しかも1着じゃないとファイナルに行けないから、自厩舎の馬を負かしに行かないとダメなんです」と、複雑な心境を口にしていた。さらにジャスティンロングは自らが攻め馬と追い切りを担当したとのこと。

最終戦のゲートが開くと「とにかく逃げます」と宣言していた佐野遥久騎手(川崎)が、出遅れ癖がある馬に気合を入れて前に行き、小野騎手が大外枠から勢いよく先頭に立ったところで、2人は手綱を引っ張ってスローペースに落とした。

しかし最終戦は各騎手の気持ちが前のめり気味。中団より後ろから進めた遠藤騎手が「みんな早めに仕掛けたので、僕は逆にそこでガマンしました」と話したように、向正面での各馬の位置取りには変化があった。

そのなかで1頭だけ伸び脚が違っていたのがフラグランツァ。3コーナーから外を回って位置取りを上げ、残り350メートル付近からは独走状態で8馬身差の圧勝。小林騎手は「気持ちよかったです」とうれしそうにしていた。

問題は高橋騎手と水沼騎手との2着争い。最終的には水沼騎手が差し返す形で2着に上がり、高橋騎手はクビ差3着となったが、4コーナーで高橋騎手が進路を外に求めた際に水沼騎手にぶつかりそうになり、その影響で水沼騎手の外から仕掛けようとした遠藤騎手の進路をふさぐ形になってしまった。ただ、遠藤騎手が2着で水沼騎手が3着だったとしても4位までは届かず、JRAの4位以内の騎手は浦和から変動なしとなった。

一方の地方所属騎手は、地元の大井で1着と3着だった高橋騎手が、6位から1位に大躍進。4位で大井の2戦を見守る形になった椿騎手は5位に後退し、3位だった中山遥人騎手(浦和)は大井が1戦のみの騎乗で14着だったが、合計ポイントでは4位に踏みとどまった。もし、2戦とも7着だった所蛍騎手(船橋)がどちらかで5着以内だったら逆転されていただけに、中山騎手は「大ボーナスですね」と苦笑いしていた。


取材・文浅野靖典

写真宮原政典(いちかんぽ)

Comment

第1戦1着 高橋優騎手(大井)

盛岡に続いて、今度は地元で勝てたのでうれしいです。ちょっと仕掛けが早いかなという気がして、手応えも怪しかったのですが、なんとか頑張ってくれと思いながら追いました。1戦目も2戦目も乗ったことがある渡邉和雄厩舎の馬という点はラッキー。これも縁ですね。

第2戦1着 小林美駒騎手(JRA)

(同郷の)笹川翼騎手に自信を持って乗ってこいと言われて、それが後押しになりました。私のヤングジョッキーズシリーズの最後のレースで勝つことができて、いい締めくくりになりました。ただ、この馬には次があるので、最後は無理をしないようにして乗りました。