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ヤングジョッキーズシリーズTR 名古屋

長谷川騎手シリーズ2勝でFR進出
  気迫の騎乗で田山騎手がJRA首位

ヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンド(TR)は、前日に大井競馬場で東日本地区の最終戦が行われ、この日は名古屋競馬場で、西日本地区代表の座を賭けて最後の争いが繰り広げられた。

晴天に恵まれた名古屋競馬場には、地元名古屋・笠松の常連来場客の他、他地区から出場するそれぞれの騎手を“推す”人々も集い、平日水曜日の日中としては日常をかなり上回る賑わいとなった。

競馬場側も演出に力を入れ、来場客にスクラッチくじのついた騎手紹介パンフレットが配られたほか、騎手紹介イベントは細江純子さん(ホースコラボレーター)と、普段パドック解説の進行を務める長谷川満さん(レーシングアナウンサー)の両名がMCを務め、騎手の氏名の紹介だけでなく一人ひとりにインタビューも行う豪華版。この演出に来場客の声援は一層大きいものになり、それにほだされたのか騎手たちもそれぞれのリップサービスで、場を大いに盛り上げていた。

その後も場内では、とかく難解とされるTRのレースの予想会まで行われ、こちらも特設ミニステージを人々が何重にも囲む盛況ぶり。筆者は今年のTR12場中6場で取材したが、迎える競馬場の力の入れようはこの名古屋が図抜けて一番。TRの最後を飾るにふさわしい大きな賑わいは、そのままレースでの若手騎手たちに向けての注目と声援になって注がれていた。

ファイナルラウンド(FR)出場を賭けての最終決戦となるレースは、2戦共にB級馬による1500メートル戦で争われた。

第1戦は第6レース。逃げた5番人気小笠原羚騎手(愛知)と、3番手の外という絶好位につけた1番人気の長谷川蓮騎手(佐賀)の2名が、3コーナーで並んで抜け出すと、そこからは両者の一騎討ちの様相。ゴールまで互いに譲らぬ激戦となったが、最後半馬身競り勝った長谷川騎手に凱歌が上がった。逃げていた小笠原騎手が「みんな来なかった、(展開が)ハマったかと思った」と振り返るほどスローで先行馬が有利な流れの中、絶好位の3番手にいた長谷川騎手は「ここ、という仕掛けどころで進出していけた」と、会心の騎乗が出来た様子。

一方、最後2着から1馬身差まで追い上げたものの3着となった6番人気の城野慈尚騎手(高知)以下、FR進出に向けて下位からの逆転を目指す騎手たちはポイントを伸ばせず、この時点での上位の順位変動は、地方、JRAとも元々圏内にいた長谷川騎手が4位から3位に上がるにとどまった。

第2戦は第8レース。1番人気の田山旺佑騎手(JRA)が、TR2勝目をマークした。スタートでは2番枠から出負けし、そのまま内に包まれれば砂の深い部分を通らされ苦戦する恐れもある状況だったが、「どういう形で切り返そうかと思ったら、綺麗に位置を取れるポジションがあったので、そこを狙って踏んで行った」「(2列目で待つという考えは)なかった」という強気なプレーで、逃げ馬の外2番手の位置を獲得。これが功を奏して、3コーナーで早くも先頭に立ちゴールまで押し切った。

3番手につけて結果4着だった柴田裕一郎騎手(JRA)が「勝ち馬に楽な展開にさせすぎた」とレースを振り返ったように、他の騎手たちが田山騎手の気迫のこもった運びに気圧されるような形でレースは淡々と進み、結局最後まで誰も田山騎手を脅かすことは出来なかった。

1着を取れば逆転でFR出場圏内に入れた10番人気の森田誠也騎手(JRA)にとっても、「馬のリズムとしては良く運べた」とは言え、後方からでは厳しい展開。追い上げたものの、1馬身半及ばず2着に終わり、FR進出を逸した。更に半馬身差の3着に追い込んだ4番人気小笠原騎手も、「予め馬の癖を聞き、後ろから行ったが、思った以上に行った馬が止まらなかった」と振り返り、馬の力は発揮させたものの、勝負にはかかれなかった残念さが、微妙な表情となって現れていた。

この結果、地方騎手では、名古屋で騎乗のなかった新庄海誠騎手(兵庫、高知で期間限定騎乗中)と近藤翔月騎手(高知)が1位、2位を維持し、これに続いて長谷川騎手、松本一心騎手(笠松)がそれぞれ3位、4位となって、FR進出決定。JRA騎手では、田山騎手が最後の勝利で逆転してトップ。柴田騎手と河原田菜々騎手が2位、3位で続いたあとには、最終戦で5着に粘り10ポイントをもぎ取った大久保友雅騎手が、負傷のため騎乗できず結果待ちとなっていた和田陽希騎手を1ポイント上回って4位に浮上。FR出場の最後の切符を掴んだ。

東西、そして地方とJRA、それぞれ4人ずつの計16名が集い、最後の決戦に挑むファイナルラウンドは2カ月後。12月17日に川崎競馬場、19日にはJRA中京競馬場で行われる。出場騎手には、トライアルラウンドで学び培った力を発揮し、諦めることなく勝利を目指すプレーを期待したい。


取材・文坂田博昭

写真岡田友貴(いちかんぽ)

Comment

第1戦1着 長谷川蓮騎手(佐賀)

行く馬がいるなら、それを見ながら行ければと思っていました。直線に入った直後は相手に離されそうな感じでしたが、直線後半から馬が頑張ってくれて差し切れました。人気になっていたし良い馬だったので、勝ててホッとしました。ファイナルラウンドでは、同じ若手に負けないように、優勝を目指します。

第2戦1着 田山旺佑騎手(JRA)

馬とコンタクトを取りながら返し馬が出来て、これなら勝てるのではないかという確信を持って臨めました。(ポイント1位通過で)胸を張ってファイナルに行きたいと思います。川崎で乗ったことがある経験を活かしたいですし、普段乗っている中京では負けられないという強い意志の中で取り組みたいです。