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第16回JBCレディスクラシックJpnI

3コーナー先頭から後続を完封
  GDJ優勝は5着プロミストジーン

持ち回りで行われるJBCは、開催場の形態に合わせて距離も変わる。1800メートルが基本のレディスクラシックは、過去15回のうち、9回を同距離で行っているが、第16回を迎えた今年は、5年ぶり3回目となる金沢。

過去2回と同様、舞台は1500メートルに設定された。前哨戦のレディスプレリュードが一貫して1800メートルで行われているなど、ここに向かうレース体系は例年とほぼ変わらず、本番だけが300メートルの短縮。その状況がファンを悩ませたのではないか。そう思える単勝オッズになっていた。

単勝2.2倍の1番人気に推されたのは、前走のオーバルスプリントJpnIIIで牡馬を相手に1400メートルを逃げ切るなど、短めの距離で好成績を挙げてきたJRAのタガノミスト。2走前に1600メートルのスパーキングレディーカップJpnIIIで重賞初制覇を果たし、川崎、浦和を連勝してきたことで、小回りの1500メートルが合うとみられたのだろう。

前走のレディスプレリュードJpnIIを3馬身半差で完勝するなど、重賞3連勝で駒を進めてきたJRAのメモリアカフェは、2.6倍の2番人気にとどまった。3歳時の関東オークスJpnIIを含め、1800から2100メートルで重賞4勝。1勝クラスで1600メートルも勝利しているが、1500メートルが短そうな実績。その差が人気に表れたようだ。

2頭から少し離れた7.5倍の3番人気は、一昨年が佐賀の1860メートルで3着、昨年が船橋の1800メートルで2着だったJRAのテンカジョウ。こちらも重賞4勝を挙げている実績馬だが、1600メートル未満の経験がなく、1600メートルもスパーキングレディーカップJpnIIIで1戦(3着)しただけ。距離不足の印象を受ける戦歴だった。

勢いと距離を味方にタガノミストが人気に応えるのか、実績十分のメモリアカフェ、テンカジョウが距離短縮を克服するのか。だが、上位人気の3頭は、それぞれ3、2、4着に敗れた。制したのは、8.0倍の4番人気だったJRAのアンズアメ。道中を内の4番手で運ぶと、そのまま内から3コーナーで先頭に立ち、直線も後続の追い上げを封じた。

金沢で行われた5年前にテオレーマで制して以来となる、このレース2勝目を挙げた川田将雅騎手は「返し馬でさらに成長した雰囲気を感じ取ることができたので、楽しみだなと思って、競馬を迎えることができました。返し馬で使えるなと判断したので、あそこを通ってきました」と内を選択したとのこと。見事な進路取りで勝利に導いた。

ダートの1400メートルで未勝利、1勝クラスを勝ち、1300メートルで2勝クラスを突破。3走前に1200メートルで3勝クラスを勝ち上がると、同距離のオープン、クラスターカップJpnIIIと3連勝で駒を進めてきたアンズアメ。鞍上は「ここが1500メートルだったからこそ、今年のレディスクラシックに、JBCに行ける、チャレンジできるというふうにもなりました。例年であれば、ほかの競馬場であれば、もう少し距離が長くなりますので、1500メートルだからこそと、もってくれたらいいなと思ったら、これだけ素晴らしい走りで1500メートルをちゃんとこなしてくれましたので、これはとても希望の広がる結果だったなと思います」。距離を縮めて勢いを増したが、再び距離を延ばしても目下の勢いは止まらなかった。

4着までJRA所属馬が占めた今年のJBCレディスクラシックJpnI。グランダム・ジャパンの古馬秋シーズンで最終戦に位置付けられているため、地方競馬所属馬も多彩な顔ぶれで挑んだが、大井のプロミストジーンの5着が最先着だった。吉原寛人騎手は「もう少し前がやり合ってくれるかなと期待していましたが、位置取りは想定通りでした。メモリアカフェを見ながら競馬をして、最後も脚を使ってくれました。もう少し展開のまぎれがあれば面白かったかなという感想です」。それでも後方から最後は内を突いて追い上げ、逆転で古馬秋シーズンの総合優勝に導いた。

今年は残念ながら大井のラブラブパイロが出走を取り消した。騎乗予定だった西啓太騎手に聞くと、もともとあまり良くなかった脚元が限界を迎えてしまったとのこと。古馬秋シーズンで暫定1位だっただけに陣営も無念だろうが、ここがラストランの予定だったそうで、このまま繁殖に上がりそうだという。

アンズアメの生産者インタビューでは「これで距離の幅も広がったと思いますので、若いですし、これからもっともっといろんな舞台で、勝ち星積み重ねていきたいなと。あとはとにかく無事に帰ってきてほしいという思いですね」と話されていた。繁殖としての道もある牝馬。その価値を高められる舞台としてJBCレディスクラシックが存在していることを、あらためて実感した。

取材・文牛山基康

写真いちかんぽ(早川範雄、築田純)

Comment

川田将雅騎手

返し馬でさらに成長した雰囲気を感じ取ることができました。(直線は)距離に不安のある馬でもありますし、後ろからの気配も感じてはいますけれども、なんとかもってくれという思いですね。素晴らしい走りで1500メートルをちゃんとこなしてくれましたので、とても希望の広がる結果だったなと思います。

高柳大輔調教師

距離の心配があったので、どういう競馬をしてくれるかと思っていましたが、最後はしっかりと勝ってくれてうれしかったです。これで選択肢が広がりました。次は考えていませんが、1500メートルはもつんだという気持ちです。この馬はこれまで崩れたことがなく、体調さえ整えば安定して走ってくれます。