抜群の手ごたえで直線抜け出す
能検一番時計の期待馬が初重賞制覇
昨年は特別競走として行われ、今年から2歳スプリント路線の拡充とともにホッカイドウ競馬グレードのH1重賞に格上げとなった。1800メートルのJBC2歳優駿JpnIII当日に行われ、競馬場を盛り上げた。
2歳スプリント路線のサッポロクラシックカップ(8月6日)、ネクストスター門別(10月1日)はそれぞれカズドリーム、クラプロスパーと牝馬が勝ち、両馬は10月29日のエーデルワイス賞JpnIIIへ。クラプロスパーは連勝し道営2歳牝馬のレベルの高さを示した。牡馬は1200メートルの栄冠賞を制したダブルゲームがJBC2歳優駿JpnIIIへ。ネクストスター門別で2着だったマッドシークレットが今回の1番人気となった。2番人気はネクストスター門別は10着だったもののウィナーズチャレンジ競走を完勝したアペリティーヴォ。上がり馬のロングテールテットが3番人気だった。
夕陽は落ち、雲の切れ間から茜色の空が覗いてJBC2歳優駿JpnIIIの興奮も覚めやらぬ中、東京トゥインクルファンファーレと地元・富川高校吹奏楽部のコラボファンファーレで幕を開けた。
勢いよくスタートを決め先頭に立とうとするトラデスカンティアを、エレシュトゥ、ハカタヴァンクールがとらえに行き3頭が先行。速めのペースで馬群はばらけ、縦長の展開となった。人気のアペリティーヴォ、マッドシークレットは中団から。
エレシュトゥが先頭のまま3コーナーを過ぎ、後続馬が一気に追い上げを見せた。マッドシークレット、アペリティーヴォ、その後方からロングテールテットが前を窺う。2番手集団からダバイクリスタルが先頭に立ちかけたが、残り200メートルでアペリティーヴォがとらえ、そのまま突き放し優勝した。勝ちタイムは1分13秒9(稍重)。2着は先行馬から唯一上位に食い込んだ8番人気のダバイクリスタルで牝馬の強さをここでもアピール。3着はマッドシークレットで、ロングテールテットは5着だった。
アペリティーヴォは能力検査で、今シーズン一番時計の48秒8(800メートル)を計測。フレッシュチャレンジを1番人気で勝利するも、重賞には手が届いていなかった。
「気持ちは強いが繊細な部分がある」と田中淳司調教師。今回は気の強さが爆発した。落合玄太騎手も「大丈夫なのはわかっていた」と位置取りは気にせず中団からレースを進め、4コーナーも「前が詰まるくらい」という手応えと良い反応で抜け出した。
田中調教師はオーナーと「勝ったら全日本(2歳優駿)もいいね」という話をしていたそうで、「ワンターンしか使っていませんが1周回る競馬もしてみたい。距離は1400~1600メートルなら」とビッグレースへの挑戦も示唆。スタッフとともに馬体の成長も促しつつ、将来を見据える。
馬名のアペリティーヴォはイタリア語で食前酒を意味する。大レース前の美酒となった。
取材・文小久保友香
写真岡田友貴(いちかんぽ)
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田中淳司調教師
前回がふがいないレースだったので今回はなんとかしたいなと思っていました。能力検査もすごくよかったですし、大きな馬ではないですが楽しみにはしていました。まだまだ古馬になってからも活躍できるんじゃないかと思います。








落合玄太騎手
デビュー前から期待をしていた馬なので重賞を勝たせてあげられて本当にうれしいです。スピードと瞬発力がセールスポイント。もっと大きい舞台でも結果を残せると思います。(今シーズンのホッカイドウ競馬は)あと1週間で終わりますが最後まで楽しんでいただきたいです。