NAR GRAND PRIX 2020

NAR GRAND PRIX 2020

年度代表馬- HORSE OF THE YEAR - 4歳以上最優秀牡馬・最優秀短距離馬

サブノジュニア

2020.11.3 JBCスプリント(JpnⅠ)

2014年3月15日生まれ 牡 黒鹿毛

サウスヴィグラス(USA)
栗毛 1996
エンドスウィープ(USA)
ダーケストスター(USA)
サブノイナズマ
青鹿毛 2005
カコイーシーズ(USA)
サブノアフロディア
2020年成績 9戦5勝
2020年収得賞金 105,200,000円
主な成績 JBCスプリント(JpnⅠ)1着、
東京スプリント(JpnⅢ)2着、
アフター5スター賞1着
馬主 中川 三郎 氏
調教師 堀 千亜樹
主戦騎手 矢野 貴之
厩務員 塚本 竹瑠
生産牧場 藤沢牧場

“ダートの祭典”とも言われるJBC競走は、数あるダートGI/JpnIの中でも特に地方競馬関係者が目標とするレース。しかしながらJRA勢はダート路線の層も厚く、容易には勝たせてもらえない。それでも近年、特に短距離路線では地方馬の健闘が目立つようになり、それが19年のブルドッグボス、さらにこの年のサブノジュニアと、南関東所属馬によるJBCスプリント(JpnI)連覇という結果として示された。
サブノジュニアは3歳時から短距離路線で頭角を現したが、重賞タイトルには惜しいところで手が届かず、6歳になったこの年9月のアフター5スター賞が重賞初制覇だった。4月の東京スプリント(JpnⅢ)では1馬身1/4差で2着に好走しており、アフター5スター賞を制して臨んだ東京盃(JpnII)でも5着とはいえ勝ち馬とは0秒4差。JRAの一線級とも互角のスピードがあることは示していた。そして臨んだJBCスプリント(JpnI)は、4コーナーでもまだ中団の位置取りから自慢の末脚一閃、ゴール前で見事に突き抜けた。6歳での重賞初勝利から、一気に最高峰のタイトルも仕留めて見せた。この年の地方馬の活躍でもっとも輝いた瞬間だったといえよう。

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2歳最優秀牡馬

アランバローズ

2020.12.16 全日本2歳優駿(JpnⅠ)

2018年2月8日生まれ 牡 鹿毛

ヘニーヒューズ(USA)
栗毛 2003
ヘネシー(USA)
Meadow Flyer(USA)
カサロサーダ
鹿毛 2013
ステイゴールド
センブラフェ(ARG)
2020年成績 5戦5勝
2020年収得賞金 81,400,000円
主な成績 全日本2歳優駿(JpnⅠ)1着、
ゴールドジュニア1着、
ハイセイコー記念1着
馬主 猪熊 広次 氏
調教師 林 正人
主戦騎手 左海 誠二
厩務員 荒美 成栄
生産牧場 大狩部牧場

5月のデビューから地元船橋で圧倒的なスピードで2連勝としたアランバローズは、その後も着実に進化を遂げた。3カ月の休み明けで臨んだゴールドジュニアは、初めての大井への輸送に加え、初めての右回り。それでも直線では独走となって、同じ船橋のマカベウスとの無敗馬対決を制して見せた。続くハイセイコー記念は、2番手で我慢させる競馬を教えながらも、やはり直線突き放しての圧勝。この4戦では、徐々に距離を延ばすことにも対応させてきた。そして臨んだ頂点のJpnI、全日本2歳優駿。外目の枠でも逃げの手に出ると、向正面から早くも後続との差を広げにかかり、やはり直線は独走。2着との5馬身差は、08年のスーニと並び、このレースが中央との交流となった97年以降では最大の着差。圧倒的な2歳ダートチャンピオンとなったアランバローズの前途は洋々だ。

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2歳最優秀牝馬

ソロユニット

2020.10.15 エーデルワイス賞(JpnⅢ)

2018年2月23日生まれ 牝 栗毛

アジアエクスプレス(USA)
栗毛 2011
ヘニーヒューズ(USA)
ランニングボブキャッツ(USA)
ヒバリエクスプレス
黒鹿毛 2007
アグネスデジタル(USA)
コスモグローリ
2020年成績 7戦5勝
2020年収得賞金 25,400,000円
主な成績 エーデルワイス賞(JpnⅢ)1着、
リリーカップ1着
馬主 村上 雅規 氏
調教師 角川 秀樹
主戦騎手 阿部 龍
厩務員 鹿田 諭
生産牧場 村上 雅規 氏

デビュー戦のJRA認定フレッシュチャレンジこそアタマ差2着だったソロユニットだが、その後は、未勝利戦、JRA認定アタックチャレンジ、2歳オープンと連勝し、重賞初挑戦となったリリーカップは2着に7馬身差をつける圧勝。レースを使うごとに成長を見せた。そして臨んだJpnⅢのエーデルワイス賞は、4コーナーで先頭をとらえると直線では後続を突き放して2着に4馬身差をつける完勝で1番人気にこたえて見せた。
2歳ダート戦線で毎年のように活躍馬を出す角川秀樹調教師は、特に牝馬での活躍が目立ち、エーデルワイス賞(JpnⅢ)は6勝目。本賞も、牡牝別の表彰となる以前の2歳最優秀馬の時代も含めて5頭目の受賞となった。また、ソロユニットの父アジアエクスプレスは初年度産駒からグレード勝ち馬を送り出すことになった。

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3歳最優秀牡馬

エメリミット

2020.6.3 東京ダービー

2017年4月30日生まれ 牡 黒鹿毛

シンボリクリスエス(USA)
黒鹿毛 1999
Kris S.(USA)
Tee Kay(USA)
プーカ
黒鹿毛 2010
キングカメハメハ
ペニーホイッスル
2020年成績 8戦4勝
2020年収得賞金 59,800,000円
主な成績 東京ダービー1着、
東京湾カップ2着
馬主 (有)太盛
調教師 林 正人
主戦騎手 山口 達弥
厩務員 藤平 省三
生産牧場 飯岡牧場

2歳時には2勝を挙げたものの目立った活躍のなかったエメリミットだが、3歳になって地元船橋の特別戦を3連勝。それが2着に3馬身、5馬身、8馬身差という圧勝とあって一躍注目の存在となった。東京湾カップ2着で出走権を掴んだ東京ダービーは、直線馬場の真ん中を力強く伸び、東京湾カップでクビ差先着されていたマンガンを、逆にクビ差でしりぞけて見せた。
主戦の山口達弥騎手は、騎手生活17年目での重賞初制覇。地方競馬でも期間限定騎乗や重賞のスポット騎乗によって有力馬は乗替りが当り前の時代。しかしながらエメリミットの鞍上は一貫して山口達弥騎手で変わることなく、そしてもたらされたビッグタイトルでもあった。また管理する林正人調教師は、13年のインサイドザパークに続き、東京ダービー制覇&3歳最優秀牡馬受賞となった。

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3歳最優秀牝馬

アクアリーブル

2020.4.28 東京プリンセス賞

2017年3月13日生まれ 牝 栗毛

パイロ(USA)
黒鹿毛 2005
Pulpit(USA)
Wild Vision(USA)
アスカリーブル
黒鹿毛 2009
ブラックタキシード
ステキナデアイ
2020年成績 9戦2勝
2020年収得賞金 69,130,000円
主な成績 関東オークス(JpnⅡ)2着、
桜花賞1着、東京プリンセス賞1着、
グランダム・ジャパン2020 3歳シーズン優勝
馬主 (有)新生ファーム
調教師 米谷 康秀
主戦騎手 矢野 貴之
厩務員 髙橋 高幸
生産牧場 新生ファーム

母は3歳時に関東オークス(JpnⅡ)など重賞5勝を挙げたアスカリーブル。その初仔にして唯一の産駒アクアリーブルが素質を開花したのは、北海道から船橋に移籍したこの年。ユングフラウ賞2着から臨んだ浦和・桜花賞を制すと、東京プリンセス賞は直線を向いての追い比べから抜け出して母仔制覇。南関東牝馬三冠が期待された関東オークス(JpnII)は中央馬に屈して2着だったものの、グランダム・ジャパン3歳シーズンでは圧倒的なポイント差で優勝。この世代の牝馬では圧倒的な活躍で、本賞は母仔での受賞となった。
なお本馬を管理していた佐藤賢二調教師は、東京プリンセス賞を制した3日後の5月1日早朝に急逝。その後は、かつて同調教師のもとで厩務員・調教師補佐として教えを受けた米谷康秀調教師に引き継がれた。

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4歳以上最優秀牝馬

サルサディオーネ

2020.12.3 クイーン賞(JpnⅢ)

2014年5月3日生まれ 牝 栗毛

ゴールドアリュール(USA)
栗毛 1999
サンデーサイレンス(USA)
ニキーヤ(USA)
サルサクイーン
栗毛 1999
リンドシェーバー(USA)
シーサイドエンゼル
2020年成績 11戦4勝
2020年収得賞金 72,200,000円
主な成績 マリーンカップ(JpnⅢ)1着、
クイーン賞(JpnⅢ)1着、
スパーキングレディーカップ(JpnⅢ)3着、
報知グランプリカップ1着
馬主 菅原 広隆 氏
調教師 堀 千亜樹
主戦騎手 矢野 貴之
厩務員 福田 祐也
生産牧場 荒谷牧場

中央在籍時にはダートグレード競走で2着までだったサルサディオーネだが、大井に移籍したこの年、充実の1年となった。
逃げて持ち味を発揮するタイプだけに同型との対戦ではもろいこともあるが、単騎マイペースで逃げられれば強い。転入2戦目の報知グランプリカップでは重賞勝ちのある牡馬を相手に逃げ切って重賞初勝利。4月のマリーンカップ(JpnⅢ)では直線で後続を突き放してダートグレード初制覇。圧巻だったのは12月のクイーン賞(JpnⅢ)で、3コーナーから後続との差を広げて完封。これこそがサルサディオーネの強さで、追い込んだ2着馬には2馬身半差だが、3着馬には大差をつけた。中央馬相手にトップハンデでの完勝は、6歳ながらこの1年での進化を感じさせるもの。ダートグレード2勝は、牝馬では圧倒的な成績を残した。

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ばんえい最優秀馬

オレノココロ

2020.3.21 ばんえい記念

2010年3月22日生まれ 牡 青毛

(半血)ウンカイ
青毛 1994
(半血)マツノコトブキ
(半血)ミハル
(日輓)富士姫
栃栗毛 2006
(半血)クリフジ
(半血)ノースランドトップ
2020年成績 17戦5勝
2020年収得賞金 14,788,000円
主な成績 ばんえい記念1着
馬主 大森 勝廣 氏
調教師 槻舘 重人
主戦騎手 鈴木 恵介
厩務員 槻舘 一男
生産牧場 六車 實子 氏

10歳を迎えたオレノココロで際立ったのは、抜群の安定感だった。重賞は8戦して1勝のみだったが、2着5回、3着2回とすべて馬券にからんだ。そして5着以下は一度もなく、4着4回も負担重量が700キロ台かそれ以下の特別戦。より重い負担重量の力比べを制してこそ評価されるのがばんえい競馬。比較的軽い重量のスピード勝負では一流馬が格下馬に負けることもめずらしくない。重賞で常に勝ち負けを争った安定感こそが、現役最強と言われるオレノココロの真骨頂。この年、同世代のライバル、コウシュハウンカイが重賞3勝をマークしたのに対して、オレノココロは1勝のみだったが、それが負担重量1トンの最高峰、ばんえい記念であったことの価値は大きい。ばんえい最優秀馬には17、18年に続いて3度目の受賞となった。

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ダートグレード競走特別賞馬

クリソベリル

2020.11.3 JBCクラシック(JpnⅠ)

2016年2月10日生まれ 牡 鹿毛

ゴールドアリュール
栗毛 1999
サンデーサイレンス(USA)
ニキーヤ(USA)
クリソプレーズ
黒鹿毛 2002
エルコンドルパサー(USA)
キャサリーンパー(USA)
2020年成績 3戦2勝(ほか海外1戦0勝)
2020年収得賞金 155,000,000円
(ほか海外54,280,400円)
主な成績 帝王賞(JpnⅠ)1着、
JBCクラシック(JpnⅠ)1着
馬主 (有)キャロットファーム
調教師 音無 秀孝
調教助手 生野 賢一
主戦騎手 川田 将雅
厩務員 濱田 誠一
生産牧場 ノーザンファーム

地方競馬で実施されたダート交流重賞競走で最も優秀な成績をおさめた馬に与えられる本賞は、帝王賞(JpnI)、JBCクラシック(JpnI)を制したクリソベリルが受賞となった。
この年、クリソベリルが地方競馬で出走したのはその2戦のみだったが、それぞれ2着馬との2馬身、2馬身半という着差以上に完勝といえるレース内容だった。そしてその2戦とも2着だったオメガパフュームは年末の東京大賞典(GI)で3連覇を達成し、やはり2戦とも3着だったチュウワウィザードはこの年、川崎記念(JpnI)とチャンピオンズカップ(GI)を制した。
現役最強クラスが対戦した2度の地方ダートグレードの舞台で、クリソベリルが発揮した圧倒的なパフォーマンスが評価された。

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最優秀勝利回数調教師賞

角田輝也

上位拮抗となることが多い調教師の全国リーディング争いだが、この年は例年以上。最終的に上位4名が10勝差以内にひしめく僅差の争いでトップに立ったのが、176勝をあげた角田輝也調教師。18、19年に2年連続本賞を受賞していた打越勇児調教師(高知)とわずか1勝差、3年ぶり4回目の栄誉となった。
この年までに角田調教師が積み重ねた通算勝利数は3,620。8月にはそれまで雑賀正光調教師(高知)が更新し続けていた地方競馬における調教師の通算勝利数を上回り、以降その記録を更新し続けている。1963年生まれの57歳。1999年の初出走から足掛け22年でたどり着いた前人未到の記録は、後進の追随を許さない高みにまで昇っていくことになるのだろう。

2020.1.4 名古屋記念(アドマイヤムテキ)

2020.1.4 名古屋記念 (アドマイヤムテキ)

生年月日 1963年10月21日
初出走 1999年1月17日
2020年成績 854戦176勝 勝率20.6%
2020年収得賞金 118,647,000円
主な勝ち鞍 名古屋記念(アドマイヤムテキ)、
マイル争覇(サムライドライブ)、
新緑賞(エイシンハルニレ)

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最優秀賞金収得調教師賞

小久保智

収得賞金額の表彰は、開催日数も多く賞金も高い南関東所属の調教師によって争われることがほとんどだが、中でも近年の小久保智調教師の数字は突出している。地方競馬の歴代最高を記録した2019年の7億9千万円余りには届かなかったものの、この年に獲得した7億2477万円余りは、2位の藤田輝信調教師(大井)にダブルスコア近い差をつける圧倒的なもの。2年連続6回目の本賞受賞となった。
前年にJBCスプリントのタイトルをもたらしたブルドッグボスは引退レースとなった地元浦和のゴールドカップ連覇を果たし、種牡馬となるべく無事に北の地へ送り出した。そしてデビューから無傷の4連勝で東京2歳優駿牝馬を制したケラススヴィアは、グランダム・ジャパン2歳シーズン女王にも輝く活躍を見せた。

東京2歳優駿牝馬 (ケラススヴィア)

2020.12.31 東京2歳優駿牝馬 (ケラススヴィア)

生年月日 1971年10月17日
初出走 2005年7月18日
2020年成績 748戦146勝  勝率19.5%
2020年収得賞金 724,775,000円
主な勝ち鞍 東京2歳優駿牝馬・ローレル賞(ケラススヴィア)、 習志野きらっとスプリント(ノブワイルド)、ゴールドカップ(ブルドッグボス)、 東京シンデレラマイル(ダノンレジーナ)、東海桜花賞(ドリームドルチェ)、 留守杯日高賞(ボンボンショコラ)

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最優秀勝率調教師賞

川西 毅

調教師・騎手が部門別の表彰となって12年目、川西毅調教師の本賞受賞はその歴史でじつに8回目(5年連続)となった。
2020年の成績は、421戦142勝、2着79回、3着50回。勝率は33.7%で、この年に30%を超えたのは唯一という圧倒的な数字を残した。そして連対率は52.5%、3着以内の複勝率は64.4%。じつに出走3回に1回は勝利し、2回に1回以上は連対、3回のうち2回近くは馬券にからんでいるという信頼度は抜群。
2005年が初出走だった川西調教師の2020年までの通算成績は、5,434戦1,772勝、2着1,062回で、勝率32.6%、連対率52.2%(中央の成績も含む)。毎年のように勝率でトップを争っていることが、デビュー以来の数字を見てもわかる。この年の142勝は勝利数でも全国で7位という成績も素晴らしい。

湾岸スターカップ (インザフューチャー)

2020.8.5 湾岸スターカップ (インザフューチャー)

生年月日 1972年7月30日
初出走 2005年1月16日
2020年成績 421戦142勝  勝率33.7%
2020年収得賞金 86,029,000円
主な勝ち鞍 湾岸スターカップ(インザフューチャー)

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殊勲調教師賞

堀 千亜樹

サブノジュニアによるJBCスプリントでのJpnI制覇に加え、サルサディオーネでもマリーンカップ(JpnⅢ)、クイーン賞(JpnⅢ)を制し、ダートグレード競走3勝という活躍が評価され、堀千亜樹調教師が殊勲調教師賞の栄誉となった。
地方馬によるJpnI格付のJBC競走制覇は、サブノジュニアで歴代4頭目。デビュー時から手掛けてきた厩舎生え抜きで、ダート短距離では最高峰のタイトル獲得は、なお一層評価されるべきだろう。
堀調教師は管理馬でのNARグランプリ初受賞となったが、年度代表馬、4歳以上最優秀牡馬、最優秀短距離馬に加え、サルサディオーネでも4歳以上最優秀牝馬と、数多くのタイトルを獲得したことでは、2005年の厩舎初出走以来、最良の1年となった。

JBCスプリント(JpnⅠ)(サブノジュニア)

2020.11.3 JBCスプリント(JpnⅠ) (サブノジュニア)

生年月日 1961年1月8日
初出走 2005年6月26日
2020年成績 447戦39勝  勝率8.7%
2020年収得賞金 294,281,000円
主な勝ち鞍 JBCスプリント(JpnⅠ)・アフター5スター賞(サブノジュニア)、 マリーンカップ(JpnⅢ)・クイーン賞(JpnⅢ)・報知グランプリカップ(サルサディオーネ)

NAR GRAND PRIX 2020

NAR GRAND PRIX 2020

最優秀勝利回数騎手賞
最優秀賞金収得騎手賞・特別賞

森 泰斗

森泰斗騎手がこの年にマークした勝利数387、収得賞金13億円超は、ともに騎手生活23年でのキャリアハイ。勝利数では2位の吉村智洋騎手(兵庫)に30勝差、収得賞金では2位の矢野貴之騎手(大井)に3億5千万円余りの差をつけてトップを堅持。最優秀勝利回数騎手賞は2年連続4回目、最優秀賞金収得騎手賞は6年連続6回目の受賞となった。
この年は、大井リーディングこそわずか1勝差で地元の矢野騎手にトップを譲ったが、地元船橋をはじめ、浦和、川崎でも1位。また大レースでの活躍も目立ち、重賞は10勝。その中には、JRA所属馬に騎乗してのTCK女王盃(JpnⅢ)、さきたま杯(JpnⅡ)というダートグレードのタイトルもあった。
7月14日には地方通算3000勝を達成し、特別賞も併せての受賞となった。

さきたま杯(JpnⅡ) (ノボバカラ)

2020.5.27 さきたま杯(JpnⅡ) (ノボバカラ)

生年月日 1981年1月11日
初騎乗 1998年4月18日
2020年成績 1585戦387勝  勝率24.4%
2020年収得賞金 1,311,727,000円
主な勝ち鞍 さきたま杯(JpnⅡ)(ノボバカラ)、
TCK女王盃(JpnⅢ)(マドラスチェック)、
東京記念・金盃(サウンドトゥルー)、
ロジータ記念(ルイドフィーネ)、
東京2歳優駿牝馬・ローレル賞(ケラススヴィア)、
ニューイヤーカップ(グリーンロード)、
川崎マイラーズ(グレンツェント)、
プラチナカップ(ベストマッチョ)
通算成績 22,779戦3,192勝  勝率14.0%
通算収得賞金 9,219,060,400円
地方重賞通算 47勝

※2020年12月31日終了時点

NAR GRAND PRIX 2020

NAR GRAND PRIX 2020

最優秀勝率騎手賞

赤岡 修次

2009年から12年まで4年連続で本賞を受賞していた赤岡修次騎手が、8年ぶり(5回目)の勝率1位に返り咲いた。
赤岡騎手は2015年以降毎年、南関東で約2カ月間の期間限定騎乗をしてきたが、この年は他地区重賞のスポット騎乗以外は高知での騎乗に専念。地元高知での245勝は、2位の永森大智騎手にダブルスコアとなる圧倒的な差をつけ、2014年以来6年ぶりに高知リーディングにも返り咲いた。地方全国リーディングも249勝で3位。そしてマークした勝率34.6%は、この年ただひとり30%超となる圧倒的な数字だった。
赤岡騎手がこの年、それ以上に注目されたのは、佐々木竹見元騎手の記録を44年ぶりに更新する14年連続200勝という記録。歴代13人目、現役8人目の地方競馬通算4000勝も達成し、もはやレジェンドといえる存在だ。

秋桜賞(サラーブ)

2020.9.17 秋桜賞(サラーブ)

生年月日 1977年3月15日
初騎乗 1994年10月10日
2020年成績 720戦249勝  勝率34.6%
2020年収得賞金 224,128,000円
主な勝ち鞍 楠賞(サロルン)、
秋桜賞(サラーブ)、
大高坂賞(サクラレグナム)、
建依別賞(スリラーインマニラ)

NAR GRAND PRIX 2020

NAR GRAND PRIX 2020

殊勲騎手賞

矢野 貴之

サブノジュニアをJBCスプリント(JpnI)制覇に導き、サルサディオーネでもマリーンカップ(JpnⅢ)、クイーン賞(JpnⅢ)勝利と、ダートグレード競走で顕著な活躍を見せた矢野貴之騎手が殊勲騎手賞受賞となった。
矢野騎手は2004年の高崎競馬廃止にともない大井に移籍。当初は勝ち星に恵まれない時期もあったが、204勝をあげた15年以降は南関東リーディング上位に定着。14年の南関東重賞初制覇から毎年重賞タイトルを重ね、前述マリーンカップ(JpnⅢ)がダートグレード初勝利。さらにJBCスプリントでJpnIのタイトルも獲得した。この年は東京プリンセス賞を制したアクアリーブルも3歳最優秀牝馬に選出され、4歳以上最優秀牝馬のサルサディオーネ、そして年度代表馬のサブノジュニアと、NARグランプリ受賞馬3頭の主戦騎手としても名を連ねることになった。

JBCスプリント(JpnⅠ)(サブノジュニア)

2020.11.3 JBCスプリント(JpnⅠ) (サブノジュニア)

生年月日 1984年8月3日
初騎乗 2002年4月12日
2020年成績 1319戦237勝  勝率18.0%
2020年収得賞金 956,998,500円
主な勝ち鞍 JBCスプリント(JpnⅠ)・アフター5スター賞(サブノジュニア)、 マリーンカップ(JpnⅢ)・クイーン賞(JpnⅢ)(サルサディオーネ)、 東京プリンセス賞(アクアリーブル)

NAR GRAND PRIX 2020

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優秀新人騎手賞

小野 楓馬

2019年にホッカイドウ競馬でデビューした小野楓馬騎手は、その年、地元門別で行われたヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンドの当日、その第2戦を含め1日5勝の活躍で脚光を浴びた。その翌週にはリリーカップをプリモジョーカーで制し、デビュー年での重賞初制覇。46勝を挙げた。
そして2年目となったこの年、さらに成績を伸ばしての年間68勝は、優秀新人騎手賞の対象となるデビュー2年以内の騎手では最多。北海道リーディングでも前年の11位から7位に躍進した。また重賞でもアザワクでグランシャリオ門別スプリントを制し、クインズプルートでは星雲賞制覇に加え、笠松に遠征してくろゆり賞を勝利。勝利数のみならず、重賞での活躍も評価されての優秀新人騎手賞となった。

グランシャリオ門別スプリント(アザワク)

2020.7.2 グランシャリオ門別スプリント (アザワク)

生年月日 2000年2月23日
初騎乗 2019年4月17日
2020年成績 608戦68勝  勝率11.2%
2020年収得賞金 77,130,500円
主な勝ち鞍 くろゆり賞・星雲賞(クインズプルート)、グランシャリオ門別スプリント(アザワク)

NAR GRAND PRIX 2020

NAR GRAND PRIX 2020

優秀女性騎手賞・特別賞

宮下 瞳

2016年8月、5年ぶりに現役復帰を果たした宮下瞳騎手は、フルシーズンの騎乗となった2017年以降、毎年50前後の勝利数で推移。しかしこの年、その数字を一気に105まで伸ばし、2005年に自身が記録した国内女性騎手の年間最多勝記録84勝を大きく上回る活躍を見せた。名古屋リーディング4位、東海リーディング7位も、これまでの最高順位。ポルタディソーニでは梅見月杯を勝利し、2017年から4年連続の重賞制覇を果たした。それら傑出した成績が評価され、2年ぶり11度目の優秀女性騎手賞受賞となった。
また国内の女性騎手では初めて年間100勝を達成したことで、特別賞も併せての受賞。国内女性騎手の通算最多勝記録も更新し続け、この年までで918勝。通算1000勝という大台も見えてきた。

年間100勝達成(ショウリオウ)

2020.12.7 年間100勝達成(ショウリオウ)

生年月日 1977年5月31日
初騎乗 1995年10月22日
2020年成績 884戦105勝  勝率11.9%
2020年収得賞金 72,978,500円
主な勝ち鞍 梅見月杯(ポルタディソーニ)
通算成績 10,698戦918勝  勝率8.6%
通算収得賞金 562,103,500円
地方重賞通算 5勝

※2020年12月31日終了時点

NAR GRAND PRIX 2020

NAR GRAND PRIX 2020

ベストフェアプレイ賞

髙松 亮

年間100勝以上をあげ、進路関係無制裁の騎手の中で勝利回数がもっとも多かった騎手を表彰する本賞は、高松亮騎手が初受賞となった。
高松騎手が初めて年間100勝超を記録したのはデビュー11年目の2014年。以降は一度も100勝を下ることなく岩手リーディング上位に定着。この年の164勝は自身のキャリアハイで、地方全国リーディング13位、岩手リーディング2位も、ともに最高順位となった。フレッチャビアンカでは、東北優駿、不来方賞、そして3歳秋のチャンピオンシップ・ファイナルのダービーグランプリというビッグタイトルを制し、存在感を示した。
“勝ち”を強く意識すれば、きわどいプレーも必然となるところ、過去最高の成績をマークする中での無制裁は、残した数字やタイトル以上に評価されるべきだろう。

ダービーグランプリ(フレッチャビアンカ)

2020.10.4 ダービーグランプリ(フレッチャビアンカ)

生年月日 1986年6月30日
初騎乗 2004年4月18日
2020年成績 987戦164勝  勝率16.6%
2020年収得賞金 128,974,000円
主な勝ち鞍 ダービーグランプリ・東北優駿・不来方賞(フレッチャビアンカ)、ビューチフルドリーマーカップ(アッキー)、金杯(シンボ)、あやめ賞(アンズビジン)

NAR GRAND PRIX 2020

NAR GRAND PRIX 2020

特別賞

的場 文男

秋の褒章において、騎手として初めて黄綬褒章を受章した的場文男騎手。NARグランプリの特別賞は、地方通算3,000勝を達成した1999年、地方競馬通算最多勝記録を更新した2018年に続いて3度目の受賞となった。
通算最多勝記録の更新から、2020年末で2年4カ月余り。不滅と思われた佐々木竹見元騎手の記録更新から167もの勝ち星を積み重ね、空前にして絶後と思われる地方競馬での勝ち星は7,318となった。
通算最多勝のほか、最年長重賞勝利の記録も保持している的場騎手は64歳。川崎の森下博騎手がこの年3月の騎乗を最後に引退したことで、地方競馬では現役最年長となった。2021年7月以降には、森下騎手による地方競馬の最年長勝利および最年長騎乗の記録も更新する可能性がある。

黄綬褒章受章報告会

2020.11.3 黄綬褒章受章報告会

生年月日 1956年9月7日
初騎乗 1973年10月16日
通算成績 42,346戦7,322勝  勝率17.3%
通算収得賞金 27,678,975,200円
地方重賞通算 154勝

※2020年12月31日終了時点

NAR GRAND PRIX 2020

NAR GRAND PRIX 2020

特別賞

下原 理

2020年10月28日、園田競馬場で下原理騎手が地方競馬通算3,000勝を達成した。
地方通算2,000勝達成はデビューから22年目の2016年。その前年、2015年から毎年200以上の勝ち星を重ね、2,000勝から3,000勝までは約4年1カ月で到達。その間、2017年には最優秀勝利回数騎手賞も受賞している。
2018年以降、兵庫リーディングの座は吉村智洋騎手に譲っているが、ベテランらしく大レースでの活躍が目立ち、この年もステラモナークでの重賞5勝をはじめ、タガノゴールド、エイシンエンジョイ、タガノジーニアスで各2勝と、11の重賞タイトルを獲得。重賞通算72勝は、それまでの兵庫生え抜きの騎手による重賞最多勝記録だった木村健元騎手の71勝(JRAを含む)を超えた。地方競馬の歴史にその名を確実に刻んでいる。

兵庫大賞典(タガノゴールド)

2020.5.5 兵庫大賞典(タガノゴールド)

生年月日 1977年9月3日
初騎乗 1995年10月10日
通算成績 22,343戦3,042勝  勝率13.6%
通算収得賞金 2,998,574,750円
地方重賞通算 72勝

※2020年12月31日終了時点

NAR GRAND PRIX 2020

NAR GRAND PRIX 2020

2020 地方競馬ジョッキーズ
チャンピオンシップ優勝者

村上 忍
JCS(盛岡競馬場

2020.10.19 JCS(盛岡競馬場)

生年月日 1977年2月4日
初騎乗 1994年7月2日
2020年成績 740戦131勝  勝率17.7%
2020年収得賞金 89,155,000円
主な勝ち鞍 桐花賞・北上川大賞典(エンパイアペガサス)、スプリングカップ(フレッチャビアンカ)、2020地方競馬JCS 第1戦

JCS合計獲得ポイント

順位 騎手名 所属 合計P
1位 村上 忍 岩手 40
2位 赤岡 修次 高知 38
3位 森 秦斗 船橋 27

NAR GRAND PRIX 2020

NAR GRAND PRIX 2020

2020 ヤングジョッキーズ
シリーズ優勝者

吉井 章
YJS ファイナルラウンド阪神(阪神競馬場)

2020.12.26 YJS ファイナルラウンド阪神(阪神競馬場)

生年月日 2001年3月26日
初騎乗 2018年4月16日
2020年成績 573戦40勝  勝率7.0%
2020年収得賞金 123,023,000円
主な勝ち鞍 2020YJS TR浦和 第2戦、
2020YJS FR園田 第2戦、
2020YJS FR阪神 第1戦

YJSファイナルラウンド 合計獲得ポイント

順位 騎手名 所属 合計P
1位 吉井 章 大井 65
2位 塚本 雄大 高知 55
3位 細川 智史 愛知 51