昨年の第1回JBC2歳優駿の優勝ジョッキー、石川倭騎手にインタビュー!

今年はホッカイドウ競馬開幕から56日目での年間100勝達成。
3年連続リーディングに向けて例年を上回るペースで勝利を重ねる石川騎手に、昨年のJBCを振り返りながら、門別競馬のコースを解説していただきます。
(取材・小泉恵未)

PROFILE

石川倭 騎手

石川倭 騎手

1995年4月10日生まれ。富山県出身。
ホッカイドウ競馬・米川昇厩舎所属。2013年デビュー。
2019年から2年連続でホッカイドウ競馬リーディング騎手。
第1回JBC2歳優駿を制覇したラッキードリーム号は、その後北斗盃、北海優駿、王冠賞を制し、史上6頭目のホッカイドウ競馬3冠を達成した。

石川騎手の詳しい情報は「KEIBA.GO.JP」でチェック

昨年の第1回JBC2歳優駿JpnIIIは、地元所属馬による見事なワンツー決着となりました。当日の売得金は、約17億3600万円を超えて、ホッカイドウ競馬における1日レコードを更新!来場者数の制限はありましたがお客様も入場し、雰囲気も華やいだのではないでしょうか。

つらいところで、お客様の声援が
後押ししてくれました。

緊急事態宣言で無観客になり、この日から3日間だけお客様が入りました。やっと元に戻ったという印象で、やる気が出ましたね。レースもつらいところで、お客様の声援が後押しをしてくれました。
ただ、無観客しか経験してこなかった2歳馬にとっては、テンションが大きく変わるところで。パドックで落ち着かない馬も多く、その繊細さには気を遣いました。
レースでは、ペースがなかなか落ちなかったので、無理について行こうとせずに、馬が戸惑っていたこともあり、やる気をなくさないように心がけて乗りました。

レース
ラッキードリーム

2020年11月3日 JBC2歳優駿
(ラッキードリーム)

JBC2歳優駿の前身、北海道2歳優駿の頃から、中央馬と地方馬は互角で戦ってきたレースです。どんな点が地方馬にとって有利だと感じていますか?

道営馬は4月から新馬戦に挑み、
キャリアを積み重ねてJBCに臨みます。

2歳戦ですからキャリアの差が大きいと思います。フレッシュチャレンジは4月中旬と、全国で1番早いですから、11月のJBCまでに多くのレースをこなしています。中央馬の方がスピードはありますが、キャリアが浅い分、砂を被ってやる気を無くさないよう、前にいってスムーズな競馬をしたがる馬が多いです。門別競馬は良馬場だとタフ、重馬場だと足抜きが良くなります。JBCの開催される冬場は、馬場が乾きづらくなり、良馬場で行われる日は少なくなりますが、本当は良馬場の方が、タフな競馬に慣れた地方馬にとっては有利に働くかもしれません。

2021年4月14日フレッシュチャレンジ(ラブミードール)

2021年4月14日フレッシュチャレンジ(ラブミードール)

先ほど2歳馬の繊細さに気を遣うと仰っていましたが、中央馬にとっては
初ナイター、初輸送も課題となりそうですね。

初ナイターに戸惑う2歳馬は多いです。

中央馬にとっては初ものづくしです。特にナイターは、調教では経験があっても、レースで慣れていないと、環境にとまどって前に進まないことがあるので。パドックでソワソワすると、レースまでに体力を使ってしまうし、馬の影を見て、びっくりする馬もいます。今年は昨年より早い15時40分がJBC2歳優駿の発走時刻なので、多少明るいですが、照明は点灯していると思うので、平常心でいさせるのはやはり大変だと思います。輸送に慣れていないことも2歳の難しさですね。

門別スタンド

門別・外回り右1800mのコースはどんなところが鍵になるのでしょうか。

ゴール前のひと押しがポイント。
4コーナー先頭でも
残れるとは限らない。

1800mはスタートから1コーナーまでが270mくらい。割とそこまでにレースの隊列が決まるので、先行争いが激しくなると、前にいった馬が厳しくなるし、隊列がすぐ決まると前有利になります。ここで、ある程度陣営の考えがハッキリ出るので、騎手は相手の動きを見て競馬が出来ます。枠順は内外極端な差はありませんが、僕個人としては、展開に合わせて動きやすいポジションにいたいので、真ん中より外の方が好きですね。
タフな条件なので、ゴール前のひと押しがポイントです。4コーナー先頭だからといって残れるわけではないですし、外から追い込んでくる馬もいるので、最後まで気は抜けません。
2歳は競馬を覚えさせていく段階。とにかく途中でやめないように、気持ちを大事に走らせることが、重要です。

競馬場はお客様が雰囲気を作り出してくれます。去年より多くの方が来場できる環境になっているとますます盛り上がりそうですね!

レース
石川騎手