データ分析

翌年に直結しやすい2歳重賞

大晦日恒例の2歳重賞。兵庫競馬では2019年に編成方法を変更するなど2歳戦の改革に着手しており、今年は8月10日に兵庫ジュベナイルカップが重賞として新設された。より優良な2歳馬の入厩促進と早い時期からの路線整備を目指す上での取り組み。当レースは、ここ10年の優勝馬のうち4頭が翌年の兵庫ダービーを制覇するなど3歳戦を占う上でも重要な一戦となっている。ここでは13〜22年の過去10回から傾向を見ていく。

勝ち馬は2番人気以内から

単勝2番人気以内が9勝と、上位人気の安定感が光り、3着内率も75.0%となっている。最も人気薄での勝利は4番人気だった2019年イチライジン。しかしながら、単勝7.3倍というオッズからも分かるように、上位人気はやや割れ気味だった。3着まで範囲を広げると15年アサクサセーラが10番人気で3着があるが、勝ち馬は上位人気からと考えていいだろう。【表1】

差しも決まるが、4コーナー4番手以内が理想

舞台となる園田1700mは向正面に入ったところからスタートして1周半するコース。最初のコーナーまでの距離が短く、先行争いはやや激しくなりやすい。しかしながら、1周1051mの小回りコースゆえにやはり逃げ・先行が有利で7勝。差しも3勝、3着内率20.5%と成績を残すが、4コーナーでは4番手以内の馬が9勝、2着10回、3着8回とあって、早めにまくっていける馬が望ましい。【表2】

2歳戦ゆえ継続騎乗に注目

今年も地方全国リーディングが視野に入る吉村智洋騎手が2着回数も含めるとトップ。注目すべきは兵庫リーディングと異なり、大山真吾騎手、杉浦健太騎手が続く点だ。なかでも杉浦騎手の2勝は、2015年ノブタイザン、20年ツムタイザンともデビューから継続騎乗していた馬だった。なお編成方法が変更された19年以降の過去4回では、乗替わりがなかった馬【2-3-2-7】(3着内率50.0%)に対し、乗替わりがあった馬【2-1-2-28】(同15.2%)で、継続騎乗の馬が優勢だった。【表3】

同距離のJRA認定レース3着以内が好成績

各馬の臨戦過程を見てみると、JRA認定レース(1700m)で3着以内に入ったことのある馬が好成績を収める。該当馬は37頭で、4勝、2着7回、3着6回で勝率10.8%、連対率29.7%、3着内率45.9%。実績から選ぶなら、本レースと同距離のJRA認定レースで好走していることは大きなポイントとなりそうだ。

勝つのはこういう馬!

1700mのJRA認定レースで3着以内の実績を残していることが望ましい。鞍上はリーディング順位にかかわらずデビューから継続騎乗、もしくは多くの騎乗経験があればなお心強い。逃げ、先行、差しそれぞれから勝ち馬が出ているが、さすがに追い込み馬は2着まで。差し馬でも4コーナーでは先頭を射程圏に入れられる4番手以内まで進出できるタイプがいいだろう。

大恵 陽子

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