データ分析
年度代表馬にもつながる2400m戦
今年で54回目と歴史ある高知県知事賞は、1999年以降、大晦日に行われるのが恒例となっている。年に1回だけ高知2400mコースで行われる。1年の締めくくりにふさわしい好メンバーが集い、2020年優勝スペルマロンや昨年優勝のガルボマンボなどは高知けいば年度代表馬に選出された。ここでは13〜22年の過去10回から傾向を見ていく。
過去10番人気の勝利もあり今年も高配当!?
単勝人気別の成績では、なんと10番人気が1勝、3着1回。2015年ブランクヴァースの勝利と、14年リバティバランス3着だった。その後、高知所属馬のレベルが一気に上がったこともあってか、16年から20年までは、勝ち馬は3番人気以内に収まった。それでも3着以内には人気薄が入ることもあり、3連単万馬券は過去10回中6回に上り、15年の47万3590円を最高に10万円超が2回ある。21年グリードパルフェは7番人気、昨年のガルボマンボは5番人気で優勝と近2年も波乱だ。【表1】

5・6歳が中心も、2・3着には高齢馬も
最も勝利が多いのは5歳と6歳で各3勝。8歳の高齢でも2勝を挙げるが、2013年グランシュヴァリエと16年リワードレブロンで、7年以上前になる。近年も2、3着には7歳以上の馬が入るが、売上げのV字回復に比例して所属馬のレベルが上がっており、勝ち馬は5〜6歳が中心。また、3歳馬は高知優駿勝ち馬が3頭出走し、17年フリビオンと22年ガルボマンボが優勝し、21年ハルノインパクトは7着だった。3歳で狙うなら、その年の高知優駿勝ち馬か。【表2】

経験豊富なジョッキーに注目
3勝の永森大智騎手を筆頭に、赤岡修次騎手、宮川実騎手、西川敏弘騎手ら、過去の勝利騎手には高知リーディング経験があるトップジョッキーが並ぶ。倉兼育康騎手は2000勝ジョッキーで、過去10回では最も浅いキャリアで制した15年の西森将司騎手でもデビュー7年目。古馬重賞で1、2を争うビッグレース、かつ2400mの長距離戦ゆえ、騎手には経験が問われる。【表3】

黒潮マイルCS組に注目
高知競馬全体の傾向として、かつては遠征中心に出走を重ねるオープン馬も少なくなかったが、近年の賞金増額により地元戦を中心としたローテーションを組む馬が増えている。高知県知事賞前の古馬重賞は黒潮マイルチャンピオンシップ(11月上旬、高知1600m)。17〜22年の同レース3着以内馬18頭中12頭が当レースにも出走し、1勝、2着5回、3着1回で、連対率は50.0%。黒潮マイルチャンピオンシップの上位馬が出走してくれば今年も注目だろう。
面白いデータでは栗毛が4勝。これは19年、20年と連覇したスペルマロンのほか、22年ぶりの牝馬優勝となった18年ティアップリバティ、17年フリビオンが該当。また、近2年はいずれも芦毛馬の優勝となっている。5〜6歳で黒潮マイルチャンピオンシップ3着以内というのが一応の目安。3歳であれば高知優駿勝ち馬が出走してくれば注目。条件に当てはまる馬の鞍上が経験豊富なベテランであれば申し分ない。
大恵 陽子