女性騎手たちと親交のある、
競馬リポーターの大恵陽子さんが、
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(毎週金曜 更新予定)

COLUMN

Vol.09 竹ケ原茉耶騎手(ばんえい帯広競馬)


馬体重1トンを超える大型馬が高重量の鉄ソリを曳き、パワーとスピードを競う世界唯一の「ばんえい競馬」が行われている帯広競馬場。
この地で活躍するのが竹ケ原茉耶騎手です。



「親も馬の仕事をしていて、この世界に入る時に『自分が女だと思うな』と言われました」

と勝負の世界の厳しさを教えられたと言います。

出身は青森県。
下村瑠衣元騎手も青森県の出身で、2017年10月に「レディスヴィクトリーラウンド(LVR)ばんえいエキシビション」が初めて行われた時には同郷ということで意気投合していました。

LVRばんえいエキシビションが始まったきっかけも実は竹ケ原騎手。
イベントで帯広競馬場を訪れた別府真衣騎手(高知)が初めて竹ケ原騎手に会い、

「レースをする姿もですし、喋ったらすごく感じのいい方でサバサバしていて、カッコいいなって思いました。せっかくみんな同じ地方競馬のジョッキーだし、何かの形で一緒にLVRをできないかなと思って、帯広競馬場の方に相談したんです」

とラブコールを送りました。

時を同じくして地方競馬全国協会でも「ばんえいと平地の交流はなかなかないので、エキシビションレースか何かができれば」という話が挙がっていたようで、かくしてLVRばんえいエキシビションは開催されたのでした。



これまでLVRばんえいエキシビションは3回行われ、そのうち2017年の第1回と2020年の第3回で竹ケ原騎手が騎乗したのがフウリンカという牡馬。



「この馬のおばあちゃんは私の初勝利の馬なんだ」

初めてお会いした時、嬉しそうにそう教えてくれました。

「おばあちゃんのヤマトハンターは、雨が嫌いだったんです。ばん馬で大きな体をしているのに、雨が降ってくると私の背中に隠れようとしていたんです(笑)」

子供がお母さんに甘えて抱きつくような、そんな胸がほっこりするシーンが浮かびました。

可愛いヤマトハンターの孫・フウリンカはエキシビションレースだけでなく、もちろん普段のレースにも出走し、3月14日帯広6Rでは勝利。同じくヤマトハンターの孫・スイレンカも竹ケ原騎手とのコンビで3月6日帯広4Rを勝ちました。

「ばん馬には力じゃとても敵わないので、何回も乗って息を合わせたりします」と竹ケ原騎手は話します。

ばんえい競馬では4月18日に能力検査が行われ、デビューを目指す2歳馬(といっても、馬体重は800kgとか900kg!)が登場。

そして、23日から今年度の開催がはじまります!

  • 大恵 陽子競馬ファン歴25年 女性競馬リポーター

    グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」ウェストアタッカー(ゲスト)、 「地方競馬中継」コメンテーターなど競馬番組出演や、イベント MC、コラム執筆などで活躍中。

  • 大恵 陽子
    競馬ファン歴25年
    女性競馬リポーター

  • グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」ウェストアタッカー(ゲスト)、 「地方競馬中継」コメンテーターなど競馬番組出演や、イベント MC、コラム執筆などで活躍中。