女性騎手たちと親交のある、
競馬リポーターの大恵陽子さんが、
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(毎週金曜 更新予定)

COLUMN

Vol.26 子どもたちと稲刈り


「ファーストキッス」と聞いて、何を思い浮かべますか?

高知けいばで「ファーストキッス」と言えば、青春時代の甘酸っぱい恋の思い出…ではなくて、子どもたちと収穫した新米のことなんです。

今年で9年目を迎えた「ファーストキッス・プロジェクト(勝手に命名)」は、高知けいばのジョッキーたちと、地元の子どもたち(高知市こども劇場のみなさん)が毎年、春に田植え、夏に稲刈りを行うイベント。

高知のトップジョッキー・赤岡修次騎手が発案者で、この新米を「ファーストキッス」と命名したのも赤岡騎手です。

今年も稲刈りが8月4日、高知県南国市の農家・吉本正仁さんの田んぼで行われました。

コロナ禍ということで、マスクを着用し、手洗いをしてからスタート。
例年より実施時間を短縮し、密にならないよう気を付けながら、鎌を使った手刈りをみんなで体験しました。

ジョッキーたちは事前に決められた班に分かれて、稲刈りをサポートしたり、一緒にはしゃいだり。

濱尚美騎手(高知競馬)は、「水泳と体操を習っています」という女の子と、今年4月にデビューした岡遼太郎騎手と3人1組の班。



濱騎手が稲に手を添えて、女の子が鎌で一生懸命に稲を刈っていきます。



サクッと、ものの数秒で刈れるのかな?と思いきや、意外と力がいるようで、女の子は何回も鎌に力を込めます。

濱騎手も

「あとちょっと!」「がんばれ」

と声をかけながら、ようやく一束の稲を刈ることができました。

その様子を見て

「やったぁー!すごい」

とはしゃいだのは岡騎手。前半は、盛り上げ隊長でした(笑)。

田んぼの一角には暑さをしのげるようにテントを設営して、こまめに水分補給をしながらの稲刈りでしたが、思わず濱騎手も「暑いですね」と。

それもそのはず、この日の最高気温は34℃。

「女の子に『疲れたね』って声をかけたら、『え?まだ全然がんばれる♪』って言っていて、子どもたちは元気で疲れ知らずだなって思いました」

体力のあるジョッキーよりもパワフルとは、すごい!

さらに稲刈りが進んでいくと、そこで過ごしていたカエルやバッタ、カマキリなど多くの虫たちとも出会えて、

「女の子は『虫がいた!』って嬉しそうに追いかけていました」。

たくさんの虫たちを見て、子どもたちは目を輝かせて捕まえたり追いかけたりしていましたよ。
ところが、濱騎手はカエルを筆頭にちょっと苦手なよう。

「はい、私は避けていました(苦笑)」

うん、なんだか分かる気がします。子どもの頃はあんなに虫を捕まえて遊んでいたのに、大人になった途端、触ることすらできなくなってしまうのですから、不思議です。

さて、ジョッキーと子どもたちの笑顔がたくさん詰まった「ファーストキッス」は県内の特別支援学校などに寄付される予定。

「コロナで今の時期はみんなで集まることが少なくなってしまいましたが、今日は子どもたちから元気をもらいました」

と、濱騎手。

地元の子どもたちと楽しい交流ができたようです。



  • 大恵 陽子競馬ファン歴25年 女性競馬リポーター

    グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」ウェストアタッカー(ゲスト)、 「地方競馬中継」コメンテーターなど競馬番組出演や、イベント MC、コラム執筆などで活躍中。

  • 大恵 陽子
    競馬ファン歴25年
    女性競馬リポーター

  • グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」ウェストアタッカー(ゲスト)、 「地方競馬中継」コメンテーターなど競馬番組出演や、イベント MC、コラム執筆などで活躍中。