女性騎手たちと親交のある、
競馬リポーターの大恵陽子さんが、
彼女たちの日々の様子や
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発信していきます。
(毎週金曜 更新予定)

COLUMN

Vol.45 先輩ジョッキーから見て学びたい!


深澤杏花騎手(笠松)は2020年4月にデビューし、これまで3度、ダートグレード競走に騎乗しました。

2020年9月 白山大賞典(JpnIII、金沢2100m、リンクスゼロ12着)
2020年10月 マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI、盛岡1600m、ナラ15着)
2021年12月 クイーン賞(JpnIII、船橋1800m、ハナウタマジリ14着)


  • ▲12月1日の船橋・クイーン賞にはハナウタマジリで参戦

JRAの強豪馬や地方競馬を代表する馬たちとの戦いはとても厳しいもので、必死に戦うも、いずれも2桁着順。

脚光を浴びるのは勝ち馬ですし、注目を集めるのは上位に入着した馬や人気を集めた馬です。
そうした中で悔しい結果続きではありますが、深澤騎手はある目標を持って臨んでいました。

「上手な先輩ジョッキーたちから見て学びたいと思っているんです」

同じレースに騎乗すれば、スタート前の輪乗りや、ゲートの中での動作などを近くで見ることができます

特に、初めてダートグレード競走騎乗となった昨秋の白山大賞典には武豊騎手、クリストフ・ルメール騎手、川田将雅騎手など大レースで活躍するジョッキーたちが騎乗していました。


  • ▲白山大賞典は接戦の末、マスターフェンサーと川田将雅騎手(手前)が勝ち、2着はロードレガリスと武豊騎手

レース前はそんなジョッキーたちを目の前にして
「え、ホンモノ!?テレビで見ていた方たちだ!」
とかなり緊張したようです。
カメラを向けるとポーズを取ってはくれましたが、その表情からは緊張が伝わってきます。

こうした経験を重ねていくことで、スタートについて考えることが増えたようです。

「私の場合は、ゲートの中で馬がゴソゴソしたり横を向いたりするのが心配で、手綱を短く持つんですけど、ベテランやJRAのジョッキーは私よりも余裕を持った長さで手綱を持っていました。それでも馬は落ち着いていて、『すごい!何が違うんだろう』って思いました」

さらに「手綱を長くしていたら、私だったらスタートの瞬間に体が起きちゃってハミが馬の口角に当たりそうですけど、先輩方はハミも当たらなくて、すごいって思いました」

近くで見られるからこそ感じた先輩ジョッキーたちのすごさでしょう。

各地方競馬で活躍するトップジョッキーたちは異口同音に

「他場に遠征するようになって、上手いジョッキーがたくさんいることを目の当たりにして『僕ももっと上手くなりたい!』と思いました」

と話します。

デビュー2年目の深澤騎手もたくさんの刺激を受けていることでしょう。
ダートグレード競走では残念な着順が続きますが、彼女にとっては得難い経験にもなっているようです。

デビュー2年目の深澤騎手もたくさんの刺激を受けていることでしょう。 ダートグレード競走では残念な着順が続きますが、彼女にとっては得難い経験にもなっているようです。

  • 大恵 陽子競馬ファン歴25年 女性競馬リポーター

    グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」ウェストアタッカー(ゲスト)、 「地方競馬中継」コメンテーターなど競馬番組出演や、イベント MC、コラム執筆などで活躍中。

  • 大恵 陽子
    競馬ファン歴25年
    女性競馬リポーター

  • グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」ウェストアタッカー(ゲスト)、 「地方競馬中継」コメンテーターなど競馬番組出演や、イベント MC、コラム執筆などで活躍中。