Vol.46 ドラマに共感！その胸の内は…

先週18日、NHKでドラマ「風の向こうへ駆け抜けろ」の前編が放映されました。

後編の放送が明日25日に控えているため、ネタバレとならぬようざっくりとしたあらすじのご紹介となりますが

JRAで騎手デビューするも、長い間ずっと勝てずにいた女性騎手が再起をかけて地方競馬に移籍。
そこで個性的な人や馬に出会っていく

といった内容です。
(原作は古内一絵さんの同名小説)

移籍した地方競馬場は架空の「鈴田競馬場」なのですが
ロケ地として使用されたのが岩手県奥州市にある水沢競馬場。

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昔からこの土地に根付いていたことが窺えるような、風情溢れる競馬場です。

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ドラマの撮影には地元・岩手競馬のジョッキーたちも参加。
特に、同じ女性騎手という立場の関本玲花騎手はレースシーンなどで主人公役として出演しています。

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  ▲上はドラマの主人公の勝負服。▼下は関本騎手が普段のレースで着用する勝負服。

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地方競馬では騎手ごとに勝負服が決められていて
ドラマでは「競馬場側が用意した」という主人公の勝負服の胸にハートと花柄が入っていてビックリしましたが、
「女性騎手はアイドル。実力云々より愛想がよければいいんだ」
というような、ひと昔前の風潮を表現しているようにも感じました。

実際、作中では

「鈴田のおっさんたち(鈴田競馬場の調教師や厩務員たちのこと)に笑顔ふりまいて、無理して張り切らなくていいから」

と先輩騎手が主人公に告げるシーンがあります。

これには関本騎手も共感したようです。

「私もデビューした頃はそう思われていたんだろうなって思います。
レースでしっかり結果を残せないうちからファンが増えて、先輩たちは『ジョッキーとしてのファン』がいるのに対して、私の場合は『女の子に対するファン』という感じでした。
もっとジョッキーとして見てほしかったです」

ファンがたくさんいることは、励みにもなりますし、とても嬉しいことではありますが
男性騎手の場合は実力と人気が比例するのに対し、関本騎手は「女性騎手だから」「可愛いから」という理由で応援されることに悩んでもいたのでした。

もちろん、ファンの方の中にはレースぶりや勝負に臨む姿勢など、ジョッキーとしての関本騎手を応援している方もたくさんいらっしゃることと思いますし、
関本騎手自身が少しずつ技術を身に着け、「もっとこう乗りたい！」と向上心を持って研究したり、先輩騎手に積極的にアドバイスを求めに行くようになったことでの心境の変化でもあるように感じます。

「女性騎手は華やかなイメージがありますけど、『女だから』と見られている部分もあると思います。
ドラマと同じように扱われているところもあるな、と」

関本騎手自身は最近、厩舎の方々から「一人のジョッキー」として見られるようになってきた、という嬉しい変化があるようです。

しかし、関本騎手が悩む原因をつくってしまったのは私たちマスコミにも責任がありますし、一ファンとして応援する時にも心に留めておきたい点でもあります。

そんないろんなことを考えさせられるドラマでもあるのですが

「背負い投げのシーンはスカッとしましたね！」

と関本騎手。

さらには、言葉が喋れない厩務員役の板垣李光人さんのファンらしく、会えたことに喜んでいました。

「盛岡でレースを終えて水沢に帰って来た時に、ちょうど撮影をしていて見学していたんです。
そしたら、監督が近寄ってきて、『去年、取材に来たこと、覚えている？』と声をかけられました。
去年の秋くらいに監督や制作チームの方が岩手に来て、競馬のことなどを色々と質問を受けていたんです。
うまく話が伝わらないこともあって、ちょっとイライラして喋ってしまって、気が強いイメージを与えてしまったみたいで『それがドラマにも反映されている』というようなことを言っていました(苦笑)。
そんなつながりで、出演者のみなさんにも挨拶をさせてもらって、好きな板垣さんのサインをもらいました」

と、撮影も楽しんだようです。

さて、水沢競馬場スタンド1Fでは来年1月3日までドラマの企画展が開催され、作中で使用された勝負服やグッズを再現したもの、ロケ風景の写真などが展示されています。

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また、12月25日～27日は水沢競馬場のパドック周辺の装飾が鈴田競馬場仕様になるとのこと。

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ぜひ、ドラマと合わせてお楽しみください。