女性騎手たちと親交のある、
競馬リポーターの大恵陽子さんが、
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(毎週金曜 更新予定)

COLUMN

Vol.56 ゴーグルっていろいろあります


ジョッキーがレースや調教で使う道具の一つにゴーグルがあります。

競馬グッズショップなどで売っていることもあり、実物を見たことがある人もいるのではないでしょうか。
私が競馬グッズショップで見たことがあるのは、こういうタイプ。



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競馬ファンの方も、ゴーグルといえばこのタイプを想像する人も多いのではないでしょうか。

そんな中、カッコイイ形のゴーグルだ!と目を引いたのは宮下瞳騎手(名古屋)のこちら。



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他競技用かな?と思ったのですが、「たぶん競馬用ですよ」と宮下騎手。

名古屋競馬場は3~4コーナーからの西日がとてもキツく、今の季節、メインレース前後の時間帯になると、人馬は向正面でほぼ正面から西日を受けることとなります。

「このゴーグルは意外と西日にも対応してくれます」

と、使いやすさがあるようです。

同じ名古屋競馬の木之前葵騎手も同タイプのゴーグルを使っていました。
間近で見せてもらうと、従来型のゴーグルと違い、縁にスポンジがあしらわれています。



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「フィット感がいいです。
先輩騎手に勧めてもらって、従来品より形がいいなと思って使うようになりました」



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たとえば、JRAの調教ではウッドチップコースがメインということもあってか、ジョッキーによってはランニング用のスポーツサングラスを使用しています。
サングラスなので、顔との間に隙間はありますが、木片を使ったウッドチップでは多少の隙間はさほど重要ではないと思われます。

対して、地方競馬ではダートでのレースがほとんど。
逃げない限り、前の馬が蹴り上げた砂を被るため、馬もジョッキーも目の中に細かい砂が入ることも多いと聞きます。

それをなるべく防ぐのがゴーグルであり、透明な板。
何枚も重ねてレースに臨み、砂が付きすぎて視界が悪くなれば1枚取り、その下の綺麗なゴーグルや板でレースを続けます。

だからこそ、フィット感や使い心地は大切で、各ジョッキーは自分に合った物をチョイスしています。

さて、最後に余談。

今週1日、名古屋競馬場ではグランダム・ジャパン 3歳シーズンの開幕戦・若草賞が行われました。地方全国交流重賞で、勝ったのは高知のアンティキティラ。
管理する別府真司調教師も臨場されていて、レース前にはこんなツーショットが。



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左が別府調教師で、別府真衣騎手(昨年12月から宮川真衣調教師として始動)の父であり、彼女が騎手時代の所属厩舎の調教師でもありました。

一緒に話しているのは宮下騎手の師匠である竹口勝利調教師。

そう、この写真は女性騎手歴代勝利数1位と2位の所属厩舎の調教師の貴重なツーショットなのです。

「(宮下)瞳ちゃんも1000勝して、すごいですね」
「別府(真衣)さんは調教師になられて頑張っていますね」

と、お互いの弟子の話をしていた二人。
時に師匠としての顔を覗かせながら、優しい親心も垣間見られました。

  • 大恵 陽子競馬ファン歴25年 女性競馬リポーター

    グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」ウェストアタッカー(ゲスト)、 「地方競馬中継」コメンテーターなど競馬番組出演や、イベント MC、コラム執筆などで活躍中。

  • 大恵 陽子
    競馬ファン歴25年
    女性競馬リポーター

  • グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」ウェストアタッカー(ゲスト)、 「地方競馬中継」コメンテーターなど競馬番組出演や、イベント MC、コラム執筆などで活躍中。