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2004/12/27
コスモバルクが駆けた04年の日本競馬
 悲願のビッグタイトル制覇は次のシーズンへ持ち越されることになった。

 12月26日、JRA年末の大一番、“グランプリ”有馬記念(G1)を観戦すべく12万人の大観衆が詰めかけ、熱気につつまれた中山競馬場。年末の焦燥感と、今年1年の総決算が相まって、独特の緊張感が漂うなか、コスモバルクにとって5度目のG1挑戦が始まった。

 TEAMコスモバルクは、彼の勝負根性を最大限に活かせるよう“抑える競馬”を至上命題に掲げ、鞍上の五十嵐冬樹騎手に全てを託し、来るべきその瞬間を静かに待つ。
 そして、陽が西に傾き始めた15時25分、栄光までの“2,500m”有馬記念のゲートが開いた。

 絶好のスタートを切ったバルク、逃げ宣言をしていたタップダンスシチーが先頭に立つのを尻目に、バルクは馬群の中位を確保。もちろん過去のレースを振り返っても、これだけ後方から競馬を進めるのは初めてのことだ。ファンの大歓声が飛ぶスタンド前を通過する時も、掛かることなく慎重に走っていたが、課題はもうひとつあった。それは“ゼンノロブロイの徹底マーク”。

 しかし、ゼンノロブロイはバルクと対照的に2番手を追走。最後の直線を迎える頃には2頭の差は7、8馬身に開いていた。ここから懸命に追われるも、遥か前を行くゼンノロブロイには届かず、まさかの11着と惨敗を喫した。

 これで04年のバルクの挑戦は終わりを告げるが、この1年間にわたる激戦や、今回の敗戦もきっと次への糧となることだろう。

Challenge The Dream ! バルクの飽くなき挑戦はこれからも続く。